8月3日(土)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・フィンランドの競技3日目デイ3が、ユバスキュラを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に順位を上げました。また、デイ2首位のヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、総合3位につけています。なお、デイ2で総合2位だったクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は、サスペンションを破損してデイリタイアとなりました。
- 8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
ラリー・フィンランドのデイ3は、サービスパークの南側で、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。8本、計132.98kmのSSが行なわれました。デイ2で首位ラトバラと2.6秒差の総合4位につけていたタナックは、オープニングステージのSS12でベストタイムを記録。ラトバラを抜き総合1位に立ちましたが、続くSS13ではラトバラがベストタイムで応酬し、首位に返り咲きました。しかし、SS14ではタナックがベストタイムを記録。ラトバラが右コーナーの外側にあった大きな石に当たってホイールを破損し、エアー抜けにより大きくタイムロスした結果、タナックが首位に復帰しました。その後タナックはデイ3の最後まで首位を守り、総合2位のライバルに16.4秒差を築きました。
石に当たって2位に順位を下げたラトバラは、午後のステージで確実性重視の走りを実践。その結果、総合3位で1日を終えましたが、今季初となる表彰台フィニッシュに大きく近づきました。また、総合2位の座をチームメイトと激しく競っていたミークは、SS13でベストタイムを記録。首位ラトバラと0.6秒差の総合3位につけていましたが、SS14でラトバラと同じ石にクルマをヒット。左のリヤサスペンションを破損してデイリタイアとなりました。チームはサービスでクルマを修理し、ラリー2規定に基づきミークは明日のデイ4に再出走する予定です。
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- <<トミ・マキネン(チーム代表)>>
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ここフィンランドで、今年もまた最高のリザルトに1歩近づくことができたので、全体的にはとても良い1日だったと思います。今朝は、良い出走順でスタートしたオィットが真の速さを見せてくれました。午後は総合2位につけるライバルチームの選手がとても速く、プレッシャーをかけ続けてきたので、攻めの走りを続ける必要がありましたが、オィットには余裕があったと思います。今朝、始まってすぐクリスとヤリ-マティに起きてしまった出来事は、もちろん残念です。彼らには速さがあったので、状況をしっかりとコントロールできたはずです。ミスなく適切なスピードで最後までラリーを走り切ることが、ヤリ-マティの明日の課題です。
- <<オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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本当に良い1日でした。朝は皆が思い切り攻めていたので、競争は本当にし烈でした。そのような状況で首位を争うライバルチームの選手に少し差を築くことができたのは、午後のステージで彼がとても速く、ついていくのが大変だったことを考えると、良かったと思います。クルマは非常に調子が良く、とても快適に運転できました。路面が荒れていたところではやや用心して走りましたが、スムーズでハイスピードなセクションではとても運転が楽しく、良いリズムで走ることができました。充分なアドバンテージを築くことができたとは思いますが、まだ戦いは終わってはいないので、しっかりと集中して臨む必要があります。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)>>
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今朝は素晴らしいスピードがあり、クルマのフィーリングがとても良かったので、チームメイトと首位を競いました。しかし、カカリストの右コーナーにオーバースピードで進入し、コーナリングラインが膨らんで側溝に落ち、大きな石に当たってしまいました。午後のステージはミスが許されない状況だと理解していたので、リスクを冒さず余裕のある走りを心がけました。ライバルはスピードをさらに上げる余裕があったようで、対抗できませんでした。良いリズムを見つけられなかったことを少々残念に思いますが、何よりもポイントの獲得が重要です。明日、表彰台に立つことは、自分だけでなく、チームにとっても非常に重要なことなのです。
- <<クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)>>
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ラリー序盤の戦いは本当にすごく、今朝も戦いを楽しんでいました。非常に良いリズムで走ることができ、とにかくクルマは最高でした。しかし、カカリストのステージの5速ギヤで曲がる高速右コーナーで、タイヤが道の外側にはみ出してしまいました。通常ならそれほど大きな問題にはならなかったと思いますが、予期せぬことに側溝に大きな石があり、本当に驚きました。僅差の戦いが続き、皆がチームのためにベストを尽くしていたので、クルマを止めなければならなかったのは本当に残念ですし、がっかりしました。
- <<ラリー・フィンランド デイ3の結果>>
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1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 2h08m49.4s
2 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +16.4s
3 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +28.8s
4 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +50.5s
5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +53.1s
6 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +59.1s
7 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m19.3s
8 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +2m05.3s
9 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +4m09.7s
10 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5) +6m33.5s
35 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +41m56.0s
(現地時間8月3日22時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
- <<明日のステージ情報>>
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競技最終日となる8月4日(日)のデイ4は、サービスパークの東側エリアで2本のグラベルステージを各2回走行します。日中のサービスは設定されず、給油のみで4本のステージを走ります。最終ステージのSS23「ルイヒマキ2」は、トップ5タイムを記録した選手に対し、ボーナスのドライバーおよびコ・ドライバー選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のSSの合計距離は45.74km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は192.96kmとなります。
- <<注目のステージ>>
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SS21/23ルイヒマキ 全長11.12km
- <<ミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)>>
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「ルイヒマキ」のジャンプは、今大会最大になりそうです。SSは昨年初めて使われた狭い道で始まり、その後ルイヒマキの定番ステージに合流します。ただ道幅が広いだけでなく、非常に高速な道で挑み甲斐があります。続いて、このステージの名物である息を呑むような連続ジャンプを経て、最後に砂の採取場を走行。人工的に設けられたビッグジャンプでフィニッシュを迎えます。