7月14日(木)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「ラリー・エストニア」が開幕。オープニングステージとしてスーパーSSが1本行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)が総合5位につけました。また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元は総合7位と、GR YARIS Rally1 HYBRIDは全車が順調にラリー初日を走りきりました。
第6戦サファリ・ラリー・ケニアではロバンペラが今シーズン4勝目を飾り、ロバンペラはドライバー選手権で、チームはマニュファクチャラー選手権でそれぞれ首位の座を守り、リードをさらに拡げました。ロバンペラにとってこのラリー・エストニアは、昨年WRC初総合優勝を飾った思い出のラリーです。GR YARIS Rally1 HYBRIDは、今回エンジンをアップグレードし、新しいデザインのリヤウイングを採用。シーズン後半戦に向けて、パフォーマンスのさらなる向上を図りました。
ラリーの中心となるサービスパークは、今年もエストニア第2の都市「タルトゥ」のラーディ飛行場跡に設けられ、サービスパークを中心に4日間で24本、合計313.84kmのステージを走行します。競技初日となる木曜日のデイ1は、まず午前中にシェイクダウンが行われ、全長6.23kmのグラベル(未舗装路)ステージでラッピがトップタイムを記録。ロバンペラは3番手タイム、エバンスは5番手タイムでした。路面は雨で湿り、降雨が予想されているラリー本番に向けていいテストの機会になりました。
その後、タルトゥでのセレモニアルスタートに続き、サービスパークのすぐ近くで午後8時半過ぎから競技がスタート。ドライコンディションのグラベルステージで、スーパーSSが1本行われました。強い西日に包まれた全長1.66kmのショートステージは昨年大会と進行方向が逆向きに設定され、トップと0.1秒差の2番手タイムを記録したロバンペラが総合2位に。7番手タイムの勝田までが、首位と1秒差以内に入る接戦が、大勢の観客の前で繰り広げられました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
高速グラベルステージを、Rally1カーで初めて走るこのラリーを、誰もが楽しみにしていたと思います。最初のステージで我々は全車がトップと1秒以内に入り、いいスタートをきりました。今朝のシェイクダウンでも、すでに期待が持てるタイムが出ていましたが、本当の戦いは明日からですし、そこで自分たちの本当の実力が分かるでしょう。雨が降った場合、その量とタイミング次第では天候が大きく影響するかもしれません。少しの雨ならば路面のグリップは良くなりますが、大雨だと非常に難しくなり、路面に轍が刻まれているであろう2回目の走行時に降れば、なおさらです。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今晩最初のステージは、距離は短くとも非常にツイスティで、岩も多くあったので正確に走らなければなりませんでした。今朝のシェイクダウンは上手く行きました。雨が降ってきて、そのようなコンディションでテストをするのは初めてでしたが、最初からすぐいいフィーリングで走ることができました。このようなハイスピードなラリーはいつもエキサイティングですが、クルマについてはまだ学ぶべきことがあります。また、天気も非常に不安定で、ステージがどのような影響を受けるのか、分かりません。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
最初のステージでいいタイムを出してラリーをスタートすることができて、嬉しく思います。このラリーにはエストニアだけでなく、フィンランドからも多くのファンが来ているので、みんなに会えるのも嬉しいです。シェイクダウンでは、1回目の走行で既に良いフィーリングが得られました。このクルマで初めて高速グラベルラリーを戦い、他のクルマと比べてどれくらい速いのかを確認できるのは、とてもエキサイティングです。明日は、雨で少し路面が湿っていたり、濡れていたりしても問題ありません。むしろ、そうなった方がステージを出走順トップで走る私たちにとっては少し有利になります。ただし、かなり予想が難しい天気になりそうです。
<<エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車)>>
このラリーのスタートは毎回大勢の人が集まり、まるでショーのような素晴らしさです。最初のステージは低速かつテクニカルで、コーナーの内側と外側に多くの岩があったため注意が必要でした。他のステージとは全く違いますが、この区間は週末に何度か走るので、上手く攻略する必要がありました。朝のシェイクダウンではいい感触が得られ、クルマのセッティングをあまり変える必要はありませんでした。天候次第で路面のグリップレベルは何度も変わるでしょうし、ラリー中は驚きの連続になると思います。
<<ラリー・エストニア デイ1の結果>>
1 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード Puma Rally1 HYBRID) 1m38.7s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.1s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.2s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.3s
5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.5s
6 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.7s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.9s
8 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1.5s
9 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.6s
10 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1.7s
(現地時間7月14日22時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる7月15日(金)のデイ2は、サービスパークの北側と南側で、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち、デイ2オープニングのSS2と、その再走となるSS6は今大会最長となる全長24.35kmのステージです。8本のステージの合計距離は139.18kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は620.04kmとなります。
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