TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月11日(木)から14日(日)にかけて、ポルトガル北部で開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・ポルトガル」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。今シーズン4回目の優勝を目指して戦います。
ラリー・ポルトガルは、10月初旬まで7戦続くグラベル(未舗装路)ラリー連戦の、最初の1戦となり、チームとドライバーは様々なチャレンジに挑むことになります。ターマック(舗装路)ラリーとして開催された前戦ラリー・クロアチアで優勝したエバンスは、プラン通り今回ポルトガルを欠場するセバスチャン・オジエ(17号車)と同ポイントでドライバー選手権首位に立ち、ロバンペラはそのわずか1ポイント後方の選手権3位につけています。上位5名ドライバーの差はわずか11ポイントと、ここまで非常に接近した戦いが続いています。
TGR-WRTは、過去3大会連続でラリー・ポルトガルを制しており、2021年はエバンスが、2022年はロバンペラがそれぞれ優勝しています。また、第2戦ラリー・スウェーデン以来今シーズン2回目のワークス参戦となる勝田は、TGR-WRTの主力選手として、好成績を残してきたラリー・ポルトガルでマニュファクチャラーズポイントの獲得を目指します。
ラリー・ポルトガルは、1973年のWRC初年度からシリーズに含まれ、非常に高い人気を博してきました。ステージは流れるようなコーナーが続くハイスピードなセクションと、荒れた路面を走行するテクニカルなセクションの両方があり、グラベルでのクルマのパフォーマンスを見る上で最適なラリーであると考えられています。路面のコンディションは同じステージを1回目に走行する時と2回目に走行する時で大きく変わり、1回目の走行では砂に覆われて全体的にソフトですが、砂が掃ける2回目は深い轍が刻まれ、また石や岩盤が露出することでタイヤやサスペンションに大きなストレスがかかります。
ラリーの中心となるサービスパークは、ポルトガル北部の大都市ポルト近郊の町「マトジニョス」に置かれ、その南側に位置する古都コインブラで11日(木)にセレモニアルスタートが行われます。競技は12日(金)から始まり、デイ1としてコインブラの周辺で3本のステージを各2回走行。その後、2本のステージを走行した後マトジニョスの最終サービスに向かいます。デイ1はミッドデイサービスが設定されず、アルガニルの「タイヤフィッティングゾーン」での簡便な整備作業のみで8本のステージを走りきらなければなりません。13日(土)のデイ2は、サービスパークの東北エリアに広がるカブレイラ山脈で3本のステージを各2回走行。全長37.24km のSS10/13「アマランテ」は今大会最長のステージです。1日の最後にはロウサダで名物のスーパーSSが行われ、7本のステージの合計距離は148.68kmと3日間で最長の一日となります。14日(日)の最終日デイ3は、ビッグジャンプで有名な「ファフェ」を含む4本のステージを走行。最終ステージとなるファフェ2は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが付与される「パワーステージ」に指定されています。ラリーは3日間で19本のSSを走行し、その合計距離は325.35km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1644.92kmとなります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
チャンピオンシップでは良い位置につけていますが、特にドライバー選手権に関しては接戦なので、さらに良い結果を得るために正しく仕事を進めていく必要があります。ポルトガルは思いきり攻めることができるラリーである反面、タイヤの摩耗が厳しく、2回目にステージを走行する際は石に当たらないように気をつけなくてはなりません。私がドライバーだった時は常に楽しんで走ることができていたので、我々のドライバーたちもきっとこのラリーを楽しんでいるはずです。エルフィンもカッレも過去に優勝していますし、貴元も過去いい戦いをしてきました。GR YARIS Rally1 HYBRIDのグラベル仕様は改良が進み、すでにメキシコで成果を上げているので、今回も自信を持ってラリーに臨むことができます。サルディニア島で最近行なったテストでは、さらなる強化に努め、今後数週間以内に連続して開催されるラフグラベルラリー3戦にむけて準備を進める貴重な機会になりました。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
ポルトガルに戻ることができて本当に嬉しく思います。とても好きなイベントですし、昨年は出走順一番手でステージを走行したにも関わらず優勝することができました。我々ドライバーたちがよく知っている伝説的なステージも多くあるラリーなので、例年ペースは非常に速く、今回もきっと接戦になると思います。今シーズンはもっといい結果を目指していたのですが、完璧なスタートを切ることはできませんでした。それでも僅差の選手権争いに加わることはできています。開幕4戦でこのような拮抗した戦いが続くのは久しぶりです。これからの一連のグラベルイベントは決して簡単ではありませんが、ハードにプッシュし続け、良い結果を出したいと思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
ポルトガルはとてもいいラリーですが、近年はかなり荒れた路面が増えています。高速で流れるようなコーナーを走る楽しい区間もあれば、タイヤやクルマに気を使わなければならない区間もあります。そういう意味では異なる要素がミックスされたラリーといえますが、私自身はとても楽しむことができています。今回のポルトガルを皮切りにグラベルイベントが目白押しで、とても忙しい日々が続きます。前戦クロアチアで優勝した結果、ポルトガルでは出走順一番手で初日のステージを走ることになりますが、この先数戦はその役目を担うドライバーがラリーごとに変わっていくと思います。金曜日に直面する滑りやすいコンディションの路面で、自分たちのパフォーマンスを最大限に発揮した上で、何ができるのか見ていくことになるでしょう。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
ポルトガルが本当に楽しみです。過去2年間は総合4位でフィニッシュし、特に昨年は表彰台まであと一歩でした。最終的に2秒差で表彰台を逃したので、今年は表彰台を目指します。きっと大きなチャレンジになるでしょうが、可能性はあると思っています。今年の序盤戦はなかなか思い通りに行かなかったですが、クルマには常にいいフィーリングを感じています。毎戦進化していますし、事前のテストも上手くいったので、ハードワークが報われることを願っています。ポルトガルのステージは好きですし、とても走りやすいので、あとは自分自身をプッシュすることさえできれば、きっといい週末になると思います。
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第5戦 ラリー・ポルトガル
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