10月26日(木)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」が開幕。チェコ国内で2本のスーパーSSが行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合3位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合8位につけました。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合6位につけています。
ドイツ、チェコ、オーストリアの三カ国を舞台とするセントラル・ヨーロピアン・ラリーは、今シーズン唯一の新規開催WRCイベントであり、ステージの路面はターマック(舗装路)です。ラリーの中心となるサービスパークはドイツ南東部の都市「パッサウ」に置かれ、4日間にわたり競技が行われます。25日(水)は午後4時過ぎからパッサウの北側エリアでシェイクダウンが行われ、競技は26日(木)からスタート。初日のデイ1はチェコ国内での戦いとなり、首都プラハの象徴であるプラハ城前での華麗なるセレモニアルスタートに続き、2本のスーパーSSが行なわれました。競馬場内の道を走行する2.55kmのSS1は、一部が未舗装路のミックスサーフェス・ステージとなり、オジエが2番手タイムを、勝田が7番手タイムを記録しました。続くSS2は、クラトビー村の舗装路を周回する8.92kmのスーパーSS。夕闇が迫り、小雨も降る中で行われたSS2で5番手タイムを記録したオジエは、首位と5.8秒差の総合3位に。3番手タイムのロバンペラは総合4位で、ロバンペラとドライバーズタイトルを争うエバンスは、SS2でジャンクションをオーバーシュートした影響もあり、総合8位でデイ1を終えました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
新しいWRCイベントのスタートに参加することができて嬉しく思います。新たなる開催地を訪れるのはとても楽しいですし、今日はWRCを初めて迎えたプラハで、多くの情熱と熱狂を目の当たりにしました。また、最初の2本のステージに大勢の観客が集まったのも嬉しかったです。選手たちにとっては長い一日となり、SS2は路面が少し湿っていてフィーリングを得ることが難しく、既にかなりトリッキーでした。明日はさらに多く雨が降りそうなので、非常に厳しいコンディションになるかもしれません。ドライバーたちは、今少し遅れをとっていても、あまり気にせず我慢する必要があります。なぜなら、この種のラリーでは難しい天気になるとタイヤ選択が重要になり、状況が急激に変化した時に大きく挽回するチャンスが巡ってくるからです。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
ラリーが始まって良かったです。レッキでは全てのステージが新しかったこともあって長く感じた一週間でしたが、プラハでは多くのファンに見守られ、素晴らしい雰囲気の中で開幕を迎えることができました。ラリーは難しい2本のステージで始まりましたが、2本目のステージはトリッキーなブレーキングゾーンと高速コーナーがあり、特に難しく感じました。また、天候の予測も難しく、今日は最適なタイヤ選択ではなかったかもしれませんが、うまく乗り切れたと思います。明日はこのラリーで最もタフな一日になりそうですが、出走順が一番手である自分たちに天候が味方してくれることを願っています。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
自分たちにとっては非常にトリッキーなスタートになりました。最初のステージは、路面クリーニングの影響も少しあり、タイムはあまり良くありませんでした。2本目のステージは、速さに関しては問題なかったのですが、かなり高速な区間のブレーキングポイントでミスをしてオーバーシュートしてしまい、タイムをかなり失いました。理想的とは言えない状況でしたが、それさえ除けば悪くないフィーリングでした。天候がどうなるのか見えない中、難しい週末になりそうですし、ステージはコーナーをインカットする場所や路面変化が多いので、明日はどれだけ上手く対応することができるか、様子を見たいと思います。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
わずか2本のステージを走るための長い一日でしたが、プラハでは多くのファンが我々を見に訪れるなど、ラリーをスタートするにはいい場所でした。最初のステージは特に問題なかったのですが、2本目のステージは暗く、いいリズムを感じることができませんでした。明日の朝は、もっといいフィーリングを得られるように努力しなければなりません。コンディションはかなり難しくなると思うので、タイムを落とさないように速く走ることが重要になります。チェコのステージは全体的にかなり道幅が狭く、非常にハイスピードなので、ウェットになるとグリップの判断が難しくなるでしょう。
<<セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ1の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 6m06.9s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +1.2s
3 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.8s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.9s
5 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +8.3s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +10.1s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ベンジャミン・ヴェイラス (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +10.4s
8 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +10.7s
9 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +13.6s
10 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +15.0s
(現地時間10月26日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる10月27日(金)のデイ2は、パッサウのサービスパークを起点に、全ステージがチェコの国内で行われます。ミッドデイサービスは設定されず、「プラチャティツェ」に設定されるタイヤフィッティングゾーンを挟んで、3本のステージを各2回走行。6本のステージの合計距離は121.80kmと、最長の一日になります。また、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は524.13kmとなります。
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