WRC 第5戦 ラリー・ポルトガル デイ2 ロバンペラが、総合2位オジエを1秒差で抑え首位に
午前中トップを守った勝田は総合3位につける

2024.5.11(土)- 7:25配信

5月10日(金)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・ポルトガルの競技2日目デイ2が、ポルトガル北部の「フィゲイラ・ダ・フォス」を起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合8位につけました。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

ラリー・ポルトガルは、デイ2からグラベル(未舗装路)ステージでの本格的な戦いがスタート。前日の夜にスーパーSSが行なわれた、フィゲイラ・ダ・フォスの町を起点に8本のステージが行われ、その合計距離は126.90kmでした。デイ2の午前中は、前夜のスーパーSSと同じタイヤセットで4本のステージを走行。その後、タイヤフィッティングゾーンで午後のステージに向けて新たにタイヤを選択し、簡易的なサービスを経て午後は4本のステージを再走するという、タフで長い一日でした。天気は朝から良く、気温は日中28度前後まで上昇し路面は全体的にドライ。しかし、森の中の道は一部湿っており、非常に滑りやすいコンディションでした。

前日のスーパーSSで3番手タイムを記録した勝田は、デイ2オープニングのSS2でベストタイムを記録。総合2位に順位を上げました。続くSS3では4番手タイムながら勝田は首位に立ち、その後の2本のステージでも首位を堅持。総合2位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に2.9秒差をつけ、ラリーリーダーとして午前中のループを走り切りました。

午後の再走ステージ最初のSS6ではオジエがベストタイムを、ロバンペラが2番手タイムを記録。5番手タイムだった勝田を抜かし、ロバンペラが0.1秒差でトップに立ちました。また、オジエが勝田に次ぐ総合3位に順位を上げたことにより、チームは1-2-3体制を構築。午後はチームメイト同士による激しい首位争いが続きました。SS7ではオジエが2番手、ロバンペラが3番手、勝田が4番手タイムを記録。その結果、首位ロバンペラと勝田の差は0.2秒とやや広がり、オジエは勝田との差を1.5秒に縮めました。SS8ではロバンペラがベストタイムを記録し、勝田との差は1秒に。オジエはこのステージでオィット・タナック(ヒョンデ)に抜かれ総合4位に順位を下げましたが、デイ2最終のSS9でベストタイムを刻み、勝田とタナックを抜き総合2位にポジションアップ。その結果、首位ロバンペラと僅か1秒差で総合2位オジエ、オジエと3.7秒差で総合3位勝田という順位になり、チームは再び1-2-3体制を築きデイ2を締めくくりました。

2番手という、グラベルラリーでは不利にはたらく早い出走順でステージに臨んだエバンスは、滑りやすい路面で思うようにペースが上がらず、午前中は総合8位。午後は巻き返しを図りましたが、SS7でタイヤがホイールのリムから外れたことにより大きくタイムを失い、総合8位のまま一日を終えました。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
金曜日のステージが非常に厳しいコンディションだったことを考えると、僅差の戦いが続いたことには驚くしかありませんが、最終的には本当にいい一日になりました。最後にトップ3を確保できたのは素晴らしいことですし、明日のステージの出走順を考えればなおさらです。カッレとセブが力を発揮してくれることはもちろん予想していましたが、貴元も非常にポジティブなステップを踏んでいます。彼がポテンシャルと速さを備えていることは知っていましたが、今日はそれを一日を通して保つことができていました。彼が持てる力をしっかりと発揮してくれたことを、本当に嬉しく思います。全体的に、チームのパフォーマンスには満足していますが、後続のライバルとの差は小さいので、明日もきっと厳しい戦いが続くことでしょう。エルフィンにとっては、物事が良くない方向へ進み、それが倍増するような厳しい一日になりましたが、今はまず明日を乗り越えることに集中し、日曜日に最大ポイントを獲得することにフォーカスすることが何よりも重要です。

<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
素晴らしい戦いが続いた一日でした。セブとのバトルで一日を終えられたのは良かったですが、自分たちのすぐ後ろには多くのドライバーがつけています。ところどころ苦戦したので完全に満足できたわけではありませんが、クリーンな走りができた一日でしたし、力を最大限発揮することもできたと思います。今日はミッドデイサービスがなかったので、今夜はクルマに手を加えて改善する余地がまだあります。もう少しフィーリングが良くなりペースが上がれば、明日はさらにいい一日になるはずです。明日はまだ攻め続けなければならない長い一日なので、最初のステージから感覚を研ぎ澄ませて臨む必要があります。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
自分たちが期待していたような一日ではありませんでした。ベストなドライブフィールを得ることができず、タイムを失ってしまいました。また、それに加えていくつか問題も起こりました。ペースノートを紛失したのはそのひとつで、もちろん理想的なことではありませんが、そういうこともあります。スマートフォンにペースノートのバックアップをとっておくなどスコットは用意周到で、うまく対処してくれましたし、それほど大事にはなりませんでした。全体的に見て、総合リザルトに関しては今のところ厳しい状況ですが、前に進み続けなければなりません。クルマにいいフィーリングが感じられるように改善を進め、日曜日にポイントを獲るための準備をしておくことが重要です。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
今日はかなりの接戦で、見ている人たちにとってもエキサイティングな一日だったはずです。午前中のステージのコンディションが、誰にとってもかなり安定していたのは驚きでしたし、通常のグラベルラリーよりもタイム差はついていません。午後はフィーリングが少し改善したので、走りのリズムも良くなりました。また、スペアタイヤを1本しか搭載しないなど、アグレッシブなタイヤ戦略もスピードアップに効果があったと思います。最終の1本前のステージではハイブリッドシステムに問題が発生したため、明日のステージをより良い出走順で走るためにも、今日最後のステージではプッシュして総合順位を上げておく必要がありました。結果的にいいタイムを出すことができたので、あとはプッシュし続けるのみです。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
決して楽な一日ではありませんでした。午前中はリードこそしていましたが、自分自身のドライビングに関しては完全に満足のいくものではありませんでした。午後のステージではミスを減らすように心がけて走りましたが、結果的にそれが上手く行き、ドライビングを改善することができました。ペースがやや足りていなかったステージもありましたが、総合3位につけていますし、トップとの差もそれほど大きくはないので、全体的には満足するべきでしょう。世界チャンピオンたちと戦うために、全ドライバーがプッシュし、僅差の戦いが続いたので、楽しい一日でした。明日はコンディションが少し変わり、より厳しい戦いになるかもしれませんが、運転を楽しみ、プッシュし続けたいと思います。

<<ラリー・ポルトガル デイ2の結果>>
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1h25m00.4s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.0s
3 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4.7s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +5.4s
5 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +17.9s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +18.1s
7 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +31.8s
8 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m43.2s
9 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m27.3s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m42.1s
(現地時間5月10日19時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技3日目となる5月11日(土)のデイ3は、サービスパークの東北エリアに広がるカブレイラ山脈の周辺で「フェルゲイラス」「モンティム」「アマランテ」「パレーデス」という4本のステージを、マトジニョスでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行します。そのうち全長37.24km のアマランテは、今大会最長のステージであり、ここまでのところ今シーズン最長のステージでもあります。4本のステージを再走した後は、一日の締めくくりとして「ロウサダ」のラリークロスサーキットで夕方7時過ぎからスーパーSSが1本行われます。9本のステージの合計距離は145.02kmと4日間でもっとも長く、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は581.46kmとなります。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)

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