7月18日(木)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「ラリー・ラトビア」が開幕。ラトビアの首都リガの郊外でスーパーSSが1本行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が、ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)と同タイムの総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合6位につけました。
2024年シーズン唯一のWRC初開催イベントとなるラリー・ラトビアは、バルト海に面する「リエパーヤ」を中心とするグラベル(舗装路)ラリーです。ステージは国境を接するエストニア、前戦のポーランド、そして次戦のフィンランドといった他のWRCイベントと非常によく似ており、流れるような高速コーナーが連続する、ハイスピードグラベルラリーに分類されます。WRC初開催ということもあり、ラトビアのステージを走行するのは今回が初めてというドライバーが多く、18日(木)の朝7時半過ぎからリエパーヤの郊外で行なわれたシェイクダウンは、貴重なテスト走行の機会になりました。そして、全長3.58kmのシェイクダンでは、今回4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブする勝田が3番手タイムを、エバンスが5番手タイムを、オジエが6番手タイムを、ロバンペラが7番手タイムを記録しました。
シェイクダウンを走り終えた選手たちは、その後リエパーヤから約200km離れた首都リガへと移動。リガの歴史的地区で夕方6時15分からセレモニアルスタートが行われ、ラリーは開幕しました。リガのスタートランプを離れた選手たちは、そこから約12km西方に離れたグラベルのラリークロス・サーキットに移動。様々な舗装路面を含む特設ステージで、午後8時過ぎからスーパーSSが1本行なわれました。通常のスーパーSSと比べるとかなり長い、全長11.13kmのこのステージでは各チームでグラベル用タイヤの選択が異なりましたが、ロバンペラが、2番手タイムを分け合ったオジエとヌービルに2.4秒差をつけてトップに立ちました。また、エバンスは5番手タイムを、勝田は6番手タイムを刻み、TGR-WRTは全車が初日を順調に走り切りました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
ラトビアのリガでラリーをスタートできることを嬉しく思います。この町はとても雰囲気がいいですし、WRCで新しい場所を訪れるのはいつだって楽しいものです。今夜の最初のステージは、ドライバーにとっても観客にとっても興味深いものだったと思いますが、我々としては良いスタートを切ることができました。タイヤ選びは難しかったですが、どうやら上手くいったようです。今週末、このレベルの戦いにおいては誰もが完全に新しい状況に直面していると言えますし、今朝のシェイクダウンでも既に何度か危ないシーンが見られました。このような道は全開で走りたくなりますが、トリッキーな場所もあります。そのためペースノートが上手く機能しているか、それを信頼することができるかどうかを確認して初めて、見知らぬ道を攻めることができるようになります。我々のドライバーは好調に見えますし、フィーリングも良さそうなので、明日からの本格的なステージが楽しみです。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
ラトビアに戻ってくることができて、とても嬉しいです。自分としては故郷に帰ってきたような気分です。キャリアの初期にこの国でラリーに出場したのは非常に良い思い出ですし、今週末は新たないい思い出を作りたいと思っています。ラトビアには多くのラリーファンがいますが、今晩のリガでも多くのファンに会えて嬉しかったです。今晩のステージはラリーのオープニングとしてはかなり長く、グラベル用のタイヤとセットアップでターマックステージを走行するのは、それほど簡単ではありませんでした。そのため、最初から気を引き締めて走り、良いスタートを切る必要がありました。また、朝のシェイクダウンのコンディションはかなりトリッキーで、グリップとフィーリングを向上させるために、クルマのアジャストを試みました。ラリー本番に向けてはまだいくつかオプションが残っているので、どうなるか様子を見たいと思います。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
新しいラリーに出場するのは、いつだって楽しいものです。今回のラトビアは、ポーランドやエストニアに似ていてハイスピードなので、チャレンジが楽しみです。このラリーでは、ペースノートに自信を持つことが重要なポイントの1つになると思います。既にシェイクダウンの段階でもそうでしたが、コーナーのインカットを防ぐために多くのポールが設置されていて、コーナーの形がかなり不自然になる可能性があるため、それに対して自信を持つことが重要です。また、タイヤ選択がかなり難しくなる状況も出てくると思います。特に、明日の午後のステージにもあるような、異なる2本のステージで走行区間が一部重なるようなところでは、最初に走る時と2回目に走る時ではコンディションが変わるので、なおさらです。今晩のオープニングステージは、スーパーSSでありながらも他のラリーのそれとは異なり、やや高速で距離が長く、道幅もワイドでしたが、全てが上手くいったと思います。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
新しいラリーへの出場は常に楽しく感じられます。私はこのような挑戦が好きなので、この週末どのような結果を残すことができるのか、とても楽しみです。前戦のポーランドを欠場したのは、このようなハイスピードなステージに臨むための準備という点では理想的とはいえませんでしたが、今日のシェイクダウンや日曜日にフィンランドで行なった短いテストでは、ハイスピードで走った時のフィーリングは良かったので、今回も好成績を狙うつもりです。そのためには今夜のようなステージであっても、最初から攻める必要があります。最初のステージは長く、グラベル用のタイヤでサーキットのターマックを走ったので非常に滑りやすかったですが、最初から他と差をつけることも可能な状況でした。パーフェクトな運転ではなかったですが、それでもタイムは悪くはなかったと思います。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)>>
ラトビアに来ることができて嬉しいですし、WRCにとって新しいラリーが加わるのはいいことだと思います。全てが新しいステージとなるので大きな挑戦ですが、とても楽しみです。数本を除き1回しか走らないステージが多いので、きっとタイヤ選びが難しいラリーになると思いますし、そう簡単には行かないでしょう。それでもベストを尽くし、楽しんで走り、プッシュして戦いたいと思っています。朝のシェイクダウンはとてもいいフィーリングで走ることができました。そして、クルマを少しアジャストしたところ、さらに良くなりました。ポーランドの時よりもずっと自信を持つことができているので、良い方向に向かっているのだと思います。今晩の最初のステージは他のステージとは大きく異なりましたが、タイムに大きな違いが出るほど距離が長かったので、プッシュする必要がありました。どのタイヤが正解だったのかは分かりませんが、少なくとも走りを楽しむことはできました。
<<ラリー・ラトビア デイ1の結果>>
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 7m28.5s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2.4s
= セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.4s
4 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2.9s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.9s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.6s
7 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +5.9s
8 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +8.4s
9 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +10.6s
10 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +11.0s
(現地時間7月18日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる7月19日(金)のデイ2は、リガのパルクフェルメを起点にリガの北西方面で7本のステージを走行。日中にミッドデイサービスの設定がなく、簡易的な整備作業のみ可能な「タイヤフィッティングゾーン」しか設定されないため、耐久的な要素も強い一日となります。また、デイ2は7本のステージのうち3本は一度しか走行しないため、出走順が早いドライバーたちは、他のグラベルラリー以上に「路面の掃除役」としての負担が多く、路面がドライの場合は不利なコンディションでの戦いになります。7本のステージの合計距離は120.92kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は528.64kmとなります。
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