G's 開発ストーリー

2015.01.09 東京オートサロン2015

トヨタ伝統のスポーツカーに冠せられてきたGの称号がGAZOO Racingプロジェクトから再び走り出した。クルマを意のままに操る喜びを、より多くの人に感じてもらうために生まれたG SPORTS、通称G‛s。ボディ剛性・空力性能の向上、ローダウンサスペンション、専用パーツを装備した特別な足回りなど、ニュルブクリンクへの挑戦を通して開発されたクルマたち。その開発を担った商品監査室・江藤正人氏にG‛sのクルマ作りを聞いた。

コーナーを曲がる時に気持ち良さを出す
気持ちいいとは自分が思った通りに動くこと

30年くらい前に、トヨタ7やトヨタ2000GTの開発を担当しトヨタモータースポーツの創世記を支えた成瀬弘氏が率いるチームがあった。江藤正人氏はそのチームに一期生として加わり様々な開発に携わってきたのだという。

「最初G SPORTSを作ってくれという話があったとき、具体的に“こんなクルマにしたい”という依頼はありませんでした。ですから私たちで、“楽しいクルマにしたい、オリジナルのエンジンでどうしたら楽しく走れるか”と考え、街乗りでコーナーを曲がるときに気持ちよさを出す運動性能を実現しましょう、となったのです。気持ちいいとは自分が思った通りに動くこと。ハンドルの舵角と重さと動きのバランスですね。それができれば速度域が変わっても同じように作ればいい。そこを作り込まないと気持ち良さは多分生まれてこないと思います。」

ボディ剛性よりも接地感が重要
ニュル24時間レースのデータは大きなレベルアップにつながった

こでまず手を付けるのはどこなのか?シャーシなのか、それともサスペンションからなのか?
「4輪が踏ん張っているところを出せるかどうか、基本的にはバネですね。ピタッと吸い付くような感じで、荷重移動がいかにスムーズに変わっていくか、接地感がないとすごく不安定になる。起伏があるところを走った時にクルマの動きが速いかどうか、そこを見てばねを合わせるんです。」

走りのいいクルマを作るためには、一般的には剛性を上げることが重要と言われるが、これに関して江藤は違った考えを持っている。「ボディ剛性の良さがポテンシャルを上げることになるのは確かです。サーキットを走る時はボディ剛性を上げた方がいい。でもどこまで剛性を上げればいいのかは誰も分からない。一般道の領域ではそこまで上げる必要はないんです。やはり気持ち良さですから実際に乗って、一番いいところを探す感じです。色々データはあるが、やっぱり実車評価が一番ですね。」

ニュルブルクリンクでのレース参戦はG‛sにどれほどフィードバックされているのか?「24時間フルに走る試験はほとんどありません。ドライバーにとっての扱いやすさ、それは気持ち良さにもつながると思いますが、その部分を追求するうえではニュルブルクリンクの結果、データは大きいですね。それをフィードバックできてレベルアップにつながりましたね。ニュルブルクリンクの開発テストでは24時間レースのデータを基本にし、さらに自社のクルマだけでなく他社のクルマにも乗って、その違いなども参考にしました。乗り心地が良くてハンドル切った時に気持ち良くすっと曲がる応答性の良さ、それが気持ち良さにつながるんです。」

ハンドリングはスポーツカー並み、乗り心地はしなやか
そのバランスを大事にしています

ポーツカーは曲がることを大事にしていますが、けっこうタフで体に負担がかかります。それは求めているところがサーキットを走ることだからです。気持ちいいクルマを作るG's はそこを求めていません。普段一般道を走った時ハンドリングはスポーツカーと同じだが、乗り心地はしなやかさを残したい。そのバランスを大事にしています。

走行テストでは構内路をよく走っています。構内路が一番一般路に近い。テストコースやサーキットも走りますが、作ったコースと一般道はやはり違うんです。まず、構内路ですっと曲がるクルマを作る、それからテストコースやサーキットで高速テストを行う、そういう作り方をしています。ハンドルの重さなどは構内路での走りを重視していますね。

どんなドライバーでも、なんかいい感じで走れる。
運転する楽しさを味わってもらいたいですね。

ルマを見て説明してもアピールはできるが、やはり乗ってもらわないと分らない良さがあります。運動性能は乗らないと理解してもらえない。郊外とか走れば挙動の少なさ穏やかさとか違いが分かってもらえると思います。街の中でもハンドルを切る楽しさを味わってもらえるし、運転が苦にならなくなってくる。それがドライブに行こうと言う気持につながって行くと思います。

特別なクルマを作っているのではなく、どんなドライバーでもなんかいい感じで走ることができる、そんなクルマ作りを目指しています。もっと多くのお客様に運転する楽しさを味わってもらいたいですね。

HARRIER ELEGANCE“G's”

-G'sが初めて手掛けたSUV。徹底的なチューニングと洗練されたスポーティデザインを兼ね備えた一台-

HARRIER ELEGANCE“G's”
ースのハリアーとは大きく趣を異にするカーボン製エアロパーツを使用したフロントフェイス。ボディ剛性向上に加え専用サスペンションで足まわりも強化しスポーティな走りを実現。インテリアもブラック内装にスポーツシートを装備。レッドイルミネーションメーターなどでスポーティかつ特別感を演出する。操る楽しさを実現させた大人のSUVだ。

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PRIUS α S “Touring Selection・G's”

-プリウスαをベースに剛性アップと専用サスで走りを磨き上げた1台-

PRIUS α S “Touring Selection ・G's”
イナーチェンジで大きく進化したプリウスαをベースに、走りを磨き上げたのがG'sのプリウスα。マイナーチェンジで精悍になった顔つきに見合う走りを実現している。ボディ剛性を徹底的に高め、専用サスペンションや軽量ホイールで足まわりも一新。ドライバーだけでなく後席の乗り心地にも十分に配慮し、乗員全員を「もっと走りたくなる」気持ちにさせる1台だ。

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AQUA G “G's”

-剛性アップとサスペンションチューニング。ルックスもよりスポーティに進化-

AQUA G “G's”
ースとなるアクアがマイナーチェンジを受け剛性アップしたことに伴い、アクアG'sも進化を遂げた。剛性が高まったボディに合わせサスペンションを見直し、専用チューニングによる操縦安定性の向上と、よりしなやかな乗り心地を追求。さらに専用のLEDヘッドランプやリヤコンビネーションランプを採用。走りとともにルックスもよりスポーティな仕上がりとなった。

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MARK X 350S “G's”

-サスペンションチューニング、剛性アップ。走りの楽しさを追求した大人のスポーツ-

MARK X 350S “G’s
強パーツも追加して剛性アップを実現。さらにはコイルスプリングやダンパーなどサスペンションに専用チューニングを施した足まわり、軽量ホイールを始めとした軽量化も進め、ステアリング操作に対する素早い反応を実現した。挑発的な表情を持つ専用デザインの前後バンパーで顔つきも一新。FRモデルならではの走りとデザインを強調した大人のスポーツだ。

MARK X 350S “G’s”車両詳細を見る>

  • 商品監査室 江藤 正人
    商品監査室 江藤 正人