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これぞ大阪パワーちゅうやつやね。
僕はこの会場にいた三日間のうちに、何度そう言ったことだろうと思う。三代続けば「江戸っ子」と呼ぶらしい。ということは僕なんかは混じりっけのない江戸っ子なのだが、なんとなくたどたどしい関西弁で、大阪パワーに感嘆してしまうのだ。
『東京オートサロン』が華やかなまま閉幕してから約1ヶ月。それと比較するとこの『大阪オートメッセ』はその名のとおり、あきらかな東京と大阪の違いということになる。日本国内のチューニングコンボイはほぼ同じメンツが東から西に移動してきたというわけなのに、雰囲気というか熱気というか、ノリに隔たりがあるのだ。
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どっちがどっちだって?
そりゃ、東京と大阪の違いである。
熱気の源はやはり、訪れた人々の強烈なパワーにある。大阪近郊はもちろんのこと、遠く関西以外からも多くの来場者が訪れていたのだが、やはり主体は大阪在住の人々。無理矢理押し込むような遠慮ないパワーはさすがに強烈で、圧倒されっぱなしなのである。
「ニュルで怖い思いして、契約金、いくらもらってますの?」
会場をプラプラ歩いていたら、ポ~ンと肩を叩かれて、無遠慮にそう聞かれて仰天。なんとも直球の質問の嵐に度肝を抜かされたり…。
「レクサスLFA、もっと安くなるように言ってもらえません?100万円くらいならようかえますわ…。」
一事が万事、パワフルなのである。
そんなだから、会場をところ狭しと埋め尽くす出展車両も個性派揃い。東京オートサロンから流れてきた全国区のモデルも少なくないのだが、大阪デビュー組も存在感を際立たせていた。
コテコテのデコレートが施され、派手な演出に支えられたそれらは、まさにショーの主役。「絶対に走れないだろ」とおぼしきクルマも少なくなく、というより「絶対に走らせてみせる」と意気込みを感じるのだ。目立ってなんぼのパワーを突きつけられた思いだった。
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もっとも、クルマなんて杓子定規に考える必要はないとも思う。
生真面目に作られたモデルより、本能と感覚の赴くままにこしらえられた物の方が、人の気を惹き付けるものだ。だってショーなんだもの。夢見たいんだよね。
と思ってみると、最低地上高が0ミリのクルマも、全身宝石だらけのメルセデスも、タイヤに腰掛けているようなVIPカーも。すべてが愛おしく思えてくる。地べたに這いつくばって裏を覗いたら、ちゃんとサスペンション、ついてました…。そう、金曜日から日曜日まで、連日こんな感じ。開門時刻前から入門を待つ人の長い列ができていた。その列は、ゲートオープンとともに強い流れとなって会場に吸い込まれていく。そしてその強烈なパワーは、行き場を失って吹き出す。自動車業界に熱いテストステロンを注入してくれるのだ。
「今年もニュル行きますの?死なんといてくださいよ!」
大阪パワーに後押しされた。