夏真っ盛りの8月。各地のモータースポーツも盛り上がっています。LEXUS RC F GT3が大活躍中の米国WTSCシリーズと国内SUPER GT、GTワールドチャレンジアジアシリーズ、そしてタイのスーパーカーシリーズの模様をお伝えします。

WeatherTech SportsCar Championship第8戦 ロードアメリカ
IMSA SportsCar Weekend
8月3日(木)から6日(日)にかけて、米国ウィスコンシン州プリマスのロードアメリカで2023年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第8戦が2時間40分のスプリント戦として行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。全11戦で争われている今季の同シリーズ、ここまでの7戦中、14号車は2勝を含む6戦で表彰台を獲得する活躍を見せており、ドライバー及びマニュファクチャラーのランキングで首位につけています。
今大会、GTDプロクラスの14号車は、ランキング首位のレギュラードライバー、ジャック・ホークスワースとベン・バーニコート、GTDクラスの12号車は同じくレギュラードライバーのフランキー・モンテカルボとアーロン・テリッツというドライバーラインナップで臨みました。
予選では、14号車が4番手、12号車が3番手グリッドとどちらも2列目の好位置を獲得しました。
決勝では、4番手でスタートを切った14号車のホークスワースが順位をキープ。スタートから1時間ほど経過したところで、ライバルよりも遅らせたピットでバーニコートへとドライバー交代を行い、ピットアウト時には5位まで後退したものの、ピット戦略が功を奏して後半徐々にポジションアップ。2度目のピットを終えた時点では3位に浮上。僅差で前を行く2位の車両を追う形となりました。
レースが残り15分というところで、バーニコートは前を行く車両をパスし、2位でフィニッシュ。今季7度目の表彰台を獲得しました。
GTDクラスでは、3番手からスタートしたモンテカルボの12号車が、ライバルとの接触などもあったもののトップ6圏内で走行。後半の2スティントを担当したウィスコンシン出身のテリッツが終盤順位を取り戻し、自身のホームコースで今季5度目となるトップ5フィニッシュを果たしました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 2位 | 4番手 | 14 | ジャック・ホークスワース ベン・バーニコート | バッサー・サリバン | 72 | 1 Lap |
GTD | 5位 | 3番手 | 12 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 72 | 30.810 |


WeatherTech SportsCar Championship第9戦 ヴァージニア
Michelin GT Challenge At VIR
8月25日(金)から27日(日)にかけて、米国ヴァージニア州オールトンのヴァージニア・インターナショナル・レースウェイで2023年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第9戦が、GTクラス車両のみが出場する2時間40分のスプリント戦として行われました。
今大会もLEXUS RC F GT3はGTDプロクラスにジャック・ホークスワース/ベン・バーニコート組14号車、GTDクラスにフランキー・モンテカルボ/アーロン・テリッツ組12号車が出場しました。
予選では14号車が今季3度目となるポールポジションを獲得。12号車も最前列2番手グリッドを獲得しました。
決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたホークスワースの14号車が、序盤は首位をキープし、徐々に後続との差を広げて行きました。1時間ほどが経過し、バーニコートへと交代した後も首位を守った14号車でしたが、最後のピットストップで僅かにタイムをロスし、ライバルの先行を許すこととなってしまいました。
2位の14号車バーニコートは終盤の1時間、首位の車両を攻め続けましたが、逆転には至らず、2位でチェッカー。今季8度目の表彰台フィニッシュで、チャンピオン争いでは僅かに差を詰められたものの、シーズン残り2戦で、ドライバー/マニュファクチャラー共に2位に144ポイント差での首位を守ることとなりました。
GTDクラスでは、2番手からスタートした12号車が混戦の中、上位争いを繰り広げ、5位でフィニッシュしました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 2位 | 1番手 | 14 | ジャック・ホークスワース ベン・バーニコート | バッサー・サリバン | 81 | 2.608 |
GTD | 5位 | 2番手 | 12 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 81 | 25.812 |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第4戦 富士
FUJI GT 450km RACE
SUPER GT第4戦「FUJI GT 450km RACE」が8月5日(土)、6日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
前戦鈴鹿ラウンドから2か月と大きなインターバルを経ての今大会。今季の前半戦を締めくくる戦いとなると同時に、1ヶ月半で3戦が続く、暑い夏の3戦の始まりでもあります。
5日(土)は好天に恵まれ、富士スピードウェイは気温33度、路面温度45度と真夏の暑さとなる中で午後3時20分よりノックアウト方式の予選が行われました。
Q1を2グループに分けて実施。それぞれ上位8台がQ2へと進出します。
Q1のA組では、古谷悠河がアタックしたANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車が3番手でQ2へ進出。B組ではベテラン高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が3番手とLEXUS RC F GT3は2台揃ってQ2へ。
Q2ではイゴール・オオムラ・フラガの50号車が8番手、新田守男の96号車が12番手グリッドを獲得しました。
6日(日)朝方は晴れていたものの、午前10時過ぎから雨が降り始め、一時は土砂降りに。その後雨は止み、ウォームアップ走行はやや乾き始めた中で行われましたが、レーススタート前の午後1時過ぎにまた雨が降り始めました。
序盤は12番手スタートの新田が駆る96号車が4位まで上がったところで10周目にピットインしてスリックタイヤへと交換。しかし、その直後にトラブルに見舞われガレージでの長い修復を余儀なくされ、5周遅れとなってしまいました。
31周目、244号車から出火してセーフティカーが導入。再スタートが切られると、66周目に今度は野中がドライブしていた25号車から出火。車両の消火に時間がかかったこともあり、レースは赤旗中断となりました。
この中断の間に雨が降り始め、40分ほどを経て全車ウェットタイヤに交換して再スタート。20位を走行していた50号車は、3人目のドライバーとして登録されているTGR-DC支援ドライバーの小山美姫へとドライバーチェンジ。小山にとって初めてのSUPER GTの公式戦ドライブは、SUPER GTとしても12年ぶりの女性ドライバーの出走となりました。
レース終盤は、ウェットから徐々に乾いていく難しい路面コンディションで、各チーム様々な戦略を採り、目まぐるしく順位が入れ替わる展開に。
この乱戦の中、小山が最後のスティントを走り抜いた50号車が19位、96号車は修復後レースを続け、23位でチェッカーを受けました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
19位 | 8番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ/古谷 悠河/小山 美姫 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 92 | 1 Lap |
23位 | 12番手 | 96 | 新田 守男/高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 89 | 4 Laps |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第5戦 鈴鹿
SUZUKA GT 450km RACE
AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUZUKA GT 450km RACE」が8月26日(土)、27日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
全8戦で競われている今季のSUPER GTも後半戦に入りました。第5戦の舞台は、第3戦に続き今季2度目の開催となる鈴鹿。LEXUS RC F GT3にとっては過去2勝を挙げている相性の良いとされるサーキットで、好結果に期待がかかりました。
26日(土)予定よりも10分遅れの午後3時20分より、気温33度、路面温度52度という猛烈な暑さの中で、ノックアウト方式の予選が行われました。
Q1は2グループに分かれ、それぞれ上位8台がQ2へと進出します。LEXUS RC F GT3は2台共にA組で出走。古谷悠河がアタックしたANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車が5番手、新田守男のK-tunes RC F GT3 96号車が8番手でQ2進出を決めました。
Q2では、96号車の高木真一が見事な走りで最前列2番手グリッドを獲得。イゴール・オオムラ・フラガの50号車が今季チーム最上位となる5番手と好グリッドを獲得しました。
27日(日)も朝から好天に恵まれ、午後2時45分、気温33度、路面温度50度と変わらぬ猛暑の中で、三重県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て77周、450kmで競われる決勝レースがスタートしました。
最前列2番手からスタートした新田の96号車がじりじりと順位を落とす展開に。5番手スタートの50号車フラガは、5周を終えてピットへ向かう作戦に出ました。
レースが3分の1ほどを終え、ピットインしていないのは1台を残すのみの状況で、フラガから古谷に変わった50号車は実質の2位へと浮上するなど好走を見せました。
レースが折り返しを過ぎ、次々と2度目のピットに向かいましたが、コース上でタイヤが外れるというアクシデントに見舞われた車両があり、2度目のFCYが導入。このタイミングでピットインしていた車両が上位へと浮上するなど順位が入れ替わり、50号車はポジションダウン。
一方、1回目のピットを終えた時点では20位前後まで後退していた96号車は、後半を担当する高木が徐々にポジションを取り戻して行き、終盤にはトップ10圏内に復帰しました。
最終的に96号車は8位、50号車は10位でフィニッシュ。今季よりSUPER GTにLEXUS RC F GT3で参戦している50号車にとって初となるポイント獲得を果たしました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
8位 | 2番手 | 96 | 新田 守男/高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 70 | 1 Laps |
10位 | 5番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ/古谷 悠河/小山 美姫 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 70 | 1 Lap |


Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSシリーズ
第5大会 岡山
Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWS第5大会が8月17日(木)から20日(日)にかけて岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
今季の同シリーズはタイでの開幕戦のあと、富士、鈴鹿、もてぎ、岡山と国内で4戦を行い、最終戦がマレーシアという全6大会でのスケジュールとなっていますが、この日本での4戦のみでジャパンカップが争われており、今大会がジャパンカップの最終戦となります。このジャパンカップのGT3クラスにLEXUS RC F GT3が1台、K-tunes RC F GT3 96号車として参戦しています。
19日(土)の午前中に、レース1とレース2の予選が行われ、レース1予選は末長一範のアタックで29番手。レース2予選は新田守男がアタックするも、非常に僅差となったセッションで、狭い岡山で30台以上が走行する中でクリアラップ確保に苦戦し、25番手となりました。
予選の後、気温33度と非常に暑い中でレース1の決勝レースがスタート。1周目から複数箇所でクラッシュが発生しセーフティカーが導入されるも、バリア修復に時間がかかるため赤旗中断となりました。
約30分の中断後、残り50分ほどでレースが再開されましたが、再スタートからわずか3周で再びクラッシュによるフルコースイエローが出されるなど、序盤から荒れたレースとなりました。
そんな中、着実に29番手グリッドからスタートドライバーの末永が周回を重ねた96号車は、ピットウィンドウがオープンになった翌周にピットへ向かい、新田へとドライバーチェンジ。その後はアクシデント等のないレース展開となり、新田はレース中3番手のタイムをマークするなどの好走を見せましたが、追い抜きの難しい岡山では大きなジャンプアップは果たせず、22位でチェッカーを受けました。
20日(日)のレース2では、前日のレース1でのクラッシュにより1台欠場となったことで、96号車は24番手からスタート。短い2回のフルコースイエローのみで大きなアクシデントなく進んだこのレース2で、96号車はスタートを担当した新田がピットを引っ張り、ピットイン可能なギリギリのタイミングで末永に交代。末永は後半粘り強い走りを見せ、23位でフィニッシュしました。
リザルト(GT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
レース1 | 22位 | 29番手 | 96 | 末長一範/新田守男 | K-tunes Racing | 35 | 1:19.260 |
レース2 | 23位 | 25番手 | 96 | 末長一範/新田守男 | K-tunes Racing | 35 | 1 Lap |


B-Quik Thailand Super Series第5戦、第6戦 セパン
8月25日(金)から27日(日)にかけて、マレーシアのセパン・サーキットでタイ・スーパーシリーズの第4大会が行われました。今季の同シリーズはタイ国内の2つのサーキットとマレーシアのセパン・サーキット、シンガポールでの招待戦を含め、全6イベントでの開催が予定されています。シリーズとしては4イベント目の開催となりますが、LEXUS RC F GT3が出場するスーパーカーGT3クラスは3大会目。第5戦、第6戦として行われました。
スーパーカーだけでなく、コンパクトカーからタイで人気のピックアップトラックまで、様々な車両カテゴリーによるレースが行われている同シリーズに、今季はTOYOTA GAZOO Racing ThailandからLEXUS RC F GT3 9号車が、マナット・クラッパラノンと、国内SUPER GTの参戦経験も持つナタポン・ホートンカムのコンビで最高峰のタイ・スーパーカーGT3クラスに参戦しています。
今大会は予定されていたタイヤの供給が間に合わず、別メーカーのタイヤでレースが戦われることとなり、シミュレータで事前のセットアップを行ってきたものの、LEXUS RC F GT3にとってはやや苦しい戦いを強いられることとなりました。
26日(土)午前中に行われた予選は、開始間際に降り始めた雨によりウェット宣言が出され、ウェットタイヤでのアタックとなりました。9号車はクラッパラノンがアタックしたQ1で第5戦グリッドは4番手、ホートンカムがアタックしたQ2で第6戦は8番手グリッドを獲得。
予選の後、サポートレースを挟んで夕方に行われた第5戦決勝は一転ドライコンディションに。4番手グリッドの9号車はクラッパラノンが好スタートを決めて3位へ。コースアウト車両によるセーフティカーが導入され、再スタートが切られると後続にかわされ4位に交代。その後、2度目のセーフティカー導入を経て、レースは折り返し、ドライバーはホートンカムへと交代。しかし、このピットイン時に規定されていた時間に2秒足りなかったとしてペナルティを受けることとなり、18位へと大きくポジションダウン。終盤追い上げましたが、13位でチェッカーを受けました。
27日(日)に行われた第6戦決勝では、9号車はホートンカムが7番手からスタートを切り、一時は10位まで順位を落とすも後半のクラッパラノンが追い上げ、7位でチェッカーを受けました。
第5戦 リザルト
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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13位 | 4番手 | 9 | マナット・クラッパラノン ナタポン・ホートンカム | TOYOTA Gazoo Racing Team Thailand | 26 | 59.623 |
第6戦 リザルト
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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7位 | 8番手 | 9 | マナット・クラッパラノン ナタポン・ホートンカム | TOYOTA Gazoo Racing Team Thailand | 28 | 11.212 |


次号のマンスリーレポートは9月26日頃の発行を予定しています。