LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.3LEXUS RC F GT3が米国WTSC伝統のロングビーチを2連覇!

2024.04.30(火)- 11:30配信

 4月に入り、モータースポーツも各地で本格的に開幕しました。今月のマンスリーレポートは、米国WeatherTech SportsCar ChampionshipとFIA世界耐久選手権(WEC)、国内SUPER GTとスーパー耐久の開幕戦の模様をお送りします。

LEXUS RC F GT3が米国WTSC伝統のロングビーチを2連覇!

WeatherTech SportsCar Championship第3戦 ロングビーチ
Acura Grand Prix of Long Beach

 4月19日(金)と20日(土)の両日、米国カリフォルニア州ロングビーチの市街地特設コースで2024年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第3戦 Acura Grand Prix of Long Beachが行われました。
 伝統のロングビーチGPでは、昨年はGTDプロクラスでLEXUS RC F GT3が勝利を収めており、2年連続の勝利を目指します。
 今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦していますが、今大会ではGTDプロクラスは行われず、GTDクラスとGTPクラスのみでの開催のため、チームはGTDクラスにシリーズ参戦している12号車に加え、スポット参戦としてGTDクラスにLEXUS RC F GT3 89号車をエントリーしました。このゼッケン番号は、LEXUSが米国で誕生した1989年にちなんだものとなっています。
 通常GTDプロクラスに出場しているジャック・ホークスワースとベン・バーニコートがそれぞれのLEXUS RC F GT3に別れ、12号車はホークスワースとフランキー・モンテカルボのコンビ。89号車はバーニコートとパーカー・トンプソンのコンビで出場することとなりました。
 19日(金)に行われた予選では、トンプソンのアタックした89号車がコースレコードを更新するタイムでポールポジションを獲得。モンテカルボがアタックした12号車がこれに続く2番手につけ、LEXUS RC F GT3がGTDクラスの最前列グリッドを独占して決勝レースのスタートを切ることとなりました。
 20日(土)午後4時半、100分間で競われるスプリントレースのスタートが切られました。
 89号車のスタートを担当したトンプソンはポールポジションから首位の座をキープし、序盤から後続との差を広げていきました。
 一方、最前列2番手グリッドで89号車と並んでのスタートとなった12号車はモンテカルボがスタートでやや出遅れ4位に後退。さらにその後、ローリングスタート時の違反でドライブスルーペナルティを課され、最後尾へと順位を落としてしまいました。
 狭い市街地特設コースならではのクラッシュによるフルコースコーションが出されるも、再スタートも順当に決めたトンプソンは首位のまま40分ほどのスティントを追え、バーニコートへとドライバー交代。他の車両もピットへ向かい、89号車は再び首位に復帰しました。
 バーニコートも順当に後続を引き離し、中盤と終盤に出されたフルコースコーションでマージンが帳消しになるも、再スタートで首位の座を守り、トップでチェッカー。ポール・トゥ・ウィンで先月のセブリング戦に続き、LEXUS RC F GT3は2連勝。そして、昨年に続きロングビーチを2年連続で制することとなりました。
 ペナルティで最後尾に後退した12号車は、後半のホークスワースに交代後、見事な追い上げで7位まで順位を上げましたが、30分ほどを残したところで市街地特設コース特有のコンクリートウォールに痛恨のヒット。左リアサスペンションを破損し、レースを終えることとなりました。

リザルト

クラス順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
GTD1位1番手89ベン・バーニコート
パーカー・トンプソン
バッサー・サリバン65
GTD15位2番手12ジャック・ホークスワース
フランキー・モンテカルボ
バッサー・サリバン41DNF
Acura Grand Prix of Long Beach

世界耐久選手権(WEC)第2戦 イモラ
イモラ6時間

 FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦「イモラ6時間」が4月19日(金)から21日(日)にかけて、イタリアのイモラ・サーキットで開催されました。
 今季より同シリーズには、アコーディスASPチームより2台のLEXUS RC F GT3がフル参戦しています。
 20日(土)に行われた予選では、78号車はアーノルド・ロビン、87号車は木村武史のアタックにより、それぞれ16番手、17番手となりました。
 21日(日)、スタート時の午後1時にはコース上は晴れていたものの、やや肌寒い気温で、遠くには雷雲も見えるなど、天候が危ぶまれる中で6時間レースがスタートしました。
 1周目から多重クラッシュが発生してセーフティカーが導入される波乱のスタートとなる中、2台のLEXUS RC F GT3はアクシデントに巻き込まれることなく順調に順位を上げていきました。
 主催者から提供されるセンサーのトラブルにより予選タイム抹消で最後尾スタートとなっていた87号車は、スタート担当のマッソンがハイペースで順位を上げ、木村へと交代。
 一方、78号車はスタートを担当したロビンが2時間ほどのスティントを追えてケルヴィン・ファン・デル・リンデへとドライバーチェンジ。ファン・デル・リンデによる好走と素早いピット作業により、78号車は一時5位まで浮上するも、トラックリミット違反でドライブスルーペナルティを科され、周回遅れとなってしまいました。
 レースが中盤を過ぎると空は暗くなり、雨が降り始めたため、各車ウェットタイヤへと交換。最後の担当として78号車はティムール・ボグスラヴスキーへとドライバーチェンジする一方、変則的なピット戦略で再びマッソンがドライブしていた87号車は、ウェットタイヤへと交換するためにピットインしましたが、ここで再スタートに手間取り、1分ほどのタイムロス。6位まで順位を上げていた87号車でしたが、惜しくもここで周回遅れとなってしまいました。
 87号車は最後ホセ・マリア・ロペスへと交代し、猛烈な追い上げを見せましたが、上位浮上はならず。78号車が14位、87号車が15位でチェッカーを受けました。

リザルト(LMGT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
14位16番手78ケルヴィン・ファン・デル・リンデ
ティムール・ボグスラヴスキー
アーノルド・ロビン
アコーディスASPチーム1834 Laps
15位18番手87ホセ・マリア・ロペス
エステバン・マッソン
木村武史
アコーディスASPチーム1825 Laps
アコーディスASPチーム 78号車 87号車
アコーディスASPチーム 78号車

AUTOBACS SUPER GTシリーズ第1戦 岡山
OKAYAMA GT 300km RACE

 AUTOBACS SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月13日(土)、14日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
 日本で最高の人気を誇るレースシリーズであるSUPER GTは、1994年の全日本GT選手権(JGTC)としてスタートしてから、今年で30周年を迎えました。今シーズンも全8戦で開催されるSUPER GTのGT300クラスに、K-tunes RC F GT3 96号車とANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車の2台のLEXUS RC F GT3が参戦します。
 今季のSUPER GTの予選は、これまでのノックアウト方式でなく、異なるドライバーでQ1、Q2の予選を走行し、両セッションでのベストタイムの合算で決勝レースのスターティンググリッドを決定する方式へと変更されました。また、この2回の予選及び決勝のスタートを同一セットのタイヤで走行しなくてはならない規則となり、タイヤの使い方などを含めて新たな予選に注目が集まりました。
 13日(土)、気温27度、路面温度36度と暑さをも感じさせるほどの好天の下、午後2時より予選が行われました。
 GT300クラスは台数が多いため、2組に分けてQ1を実施し、それぞれの上位8台がQ2のグループ1、それ以外がグループ2でアタックし、2人の合算でグリッドを決定します。
 50号車はQ1グループAでイゴール・オオムラ・フラガがアタックし、9番手。96号車はQ1グループBで新田守男がアタックし4番手タイムをマークしました。
 Q2では上位のグループ1に入った96号車の高木真一が3番手タイム。合算タイムで96号車は4番手グリッドを獲得。50号車は古谷悠河がグループ2でアタックし7番手。合算タイムで50号車は21番手から決勝をスタートすることとなりました。
 14日(日)も岡山国際サーキットは好天に恵まれました。気温26度と夏日となり、路面温度も予想以上に高い39度の暑さの中、午後1時半、岡山県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、決勝レースのスタートが切られました。
 4番手グリッドからスタートした96号車は、新田がスタートを担当し、オープニングラップで6位へ後退。ペースに苦しみながらもその後はポジションを維持し、27周を終えて高木へとドライバーチェンジ。全車がピット義務を消化した時点で、96号車は7位を走行し、58周目に高木が1台パスして6位へとポジションアップ。その後も懸命に前を行く車両を追いましたが、惜しくも逆転には至らず。それでもチームの地元岡山で、6位チェッカーを受け、入賞、ポイント獲得を果たしました。
 50号車は21番手グリッドから古谷がスタート担当し、25周でピットインしてフラガへと交代。ペースに苦しみながらも4つ順位を上げて17位でフィニッシュしました。

リザルト(GT300クラス)

順位グリッドNo.ドライバー車両名周回トップとの差
6位4番手96新田 守男/高木 真一K-tunes RC F GT3761 Laps
17位21番手50イゴール・オオムラ・フラガ
古谷 悠河
ANEST IWATA Racing RC F GT3752 Laps
K-tunes RC F GT3 96号車
ANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車

ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Supported by BRIDGESTONE
第1戦 SUGO
SUGOスーパー耐久4時間レース

 4月20日(土)と21日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの第戦「SUGOスーパー耐久4時間レース」が開催されました。
 同シリーズには、今季も最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦します。31号車は、昨年初優勝を含む2勝を挙げ、ランキング2位となりました。今季は初のタイトル獲得を目指します。
 今大会の31号車は、永井秀貴/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで4時間レースに挑みました。
 スーパー耐久は様々なクラスに分けられ、非常に多くの車両が参戦するため、今大会はカテゴリーによって2グループに分け、20日(土)にグループ2、21日にグループ1がそれぞれ予選、決勝を1日で戦うというスケジュールで行われました。
 31号車が所属するST-Xクラスはグループ1で21日(日)の朝8時から予選が行われました。スーパー耐久シリーズでは昨年から予選方式が変更されています。Aドライバーにより争われるQ1の結果により上位半数がQ2A・下位半数がQ2Bにクラス分けされ、Bドライバーによるアタックにてスターティンググリッドが決定されます。31号車は永井がAドライバーとしてQ1アタックを担当し素晴らしい走りでQ2Aへの進出を決めると、小高がBドライバーとしてQ2Aでのアタックを担当し、最前列2番手グリッドを獲得しました。
 予選の後、午後1時25分から4時間で争われる決勝レースがスタート。31号車は嵯峨がスタートを担当し、小山、永井、小高の順でドライブ。序盤は4位までポジションを落とすこともありましたが、粘り強い走りを続け、3位でチェッカー。表彰台を獲得しました。小山はスーパー耐久のST-Xクラスで初めて女性として表彰台に上ることとなりました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
3位2番手31永井秀貴/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀apr1601'11.682

次号のマンスリーレポートは5月28日頃の発行を予定しています。