LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.8LEXUS RC F GT3がWEC富士6時間に初出場
スーパー耐久鈴鹿戦ではポール・トゥ・ウィン!

2024.10.01(火)- 18:13配信

 2024年のモータースポーツシーズンも後半戦に入り、どのシリーズも戦いは激しさを増しています。今月のマンスリーレポートは、米国WeatherTech SportsCar Championshipシリーズと、ついに母国戦出場なったWEC、国内SUPER GTとスーパー耐久の模様をお送りします。

LEXUS RC F GT3がWEC富士6時間に初出場 スーパー耐久鈴鹿戦ではポール・トゥ・ウィン!

WeatherTech SportsCar Championship第10戦 インディアナポリス
TireRack.com Battle on the Bricks

 9月20日(金)から22日(日)にかけて、米国インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで2024年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第10戦が6時間の耐久戦として行われました。
 今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
 1月のデイトナ24時間から始まった長いシーズンも残すところ2戦。今大会は米国モータースポーツの聖地のひとつであるインディアナポリスでの6時間耐久。最終戦も10時間耐久と耐久の連戦でシーズンは幕を閉じることになります。
 今大会は6時間レースということで、GTDクラスの12号車はアーロン・テリッツ、パーカー・トンプソン、フランキー・モンテカルボの3人体制。GTDプロクラスの14号車はベン・バーニコートとジャック・ホークスワースの2人体制で臨みました。
 予選は非常に接近した争いとなる中、GTDプロクラスの14号車は10番手。GTDクラスの12号車はトンプソンが3番手の好タイムをマークするも、予選後の車検で失格となり、決勝は最後尾からスタートすることとなりました。
 22日(日)の決勝レースは、小雨が降る中で開始され、スタート時こそドライコンディションでしたが、徐々に路面が濡れていく状況。10番手からホークスワースがスタートを担当した14号車は、序盤に出されたフルコースコーションでライバル勢がウェットタイヤへと交換するためにピットへ向かう中、巧みなテクニックでスリックタイヤのまま走行を続け、首位に浮上しました。
 この戦略は功を奏し、その後も14号車は上位争いを展開。レース中盤をバーニコートが担当し、残り1時間ほどでフルコースコーションとなったため、再びバーニコートがコックピットへ。バーニコートの14号車は最後まで表彰台争いを繰り広げましたが、最後はタイヤの摩耗に苦しみ、4位でチェッカーを受けました。
 最後尾からスタートした12号車も、スリックタイヤのまま走り続ける作戦でトップ3圏内までポジションアップ。しかし、スタートから1時間ほどのところでのフルコースコーションからの再スタート時に、濡れた路面に足をすくわれウォールにクラッシュ。22位に終わりました。

リザルト

クラス順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
GTDプロ4位10番手14ジャック・ホークスワース
ベン・バーニコート
バッサー・サリバン20817.385
GTD22位22番手12フランキー・モンテカルボ
パーカー・トンプソン
アーロン・テリッツ
バッサー・サリバン27180 Laps
バッサー・サリバン 14号車
バッサー・サリバン

世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士
富士6時間

 FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦「富士」が9月13日(金)から15日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 今シーズンから同シリーズには、アコーディスASPチームで2台のLEXUS RC F GT3がフル参戦しています。78号車をケルビン・ファン・デル・リンデ/クレメンス・シュミット/アーノルド・ロビンの3名、87号車をホセ・マリア・ロペス/エステバン・マッソン/木村武史の3名がドライブします。
 前戦の米国COTA戦からわずか2週間、参戦初年度のLEXUS RC F GT3にとって、WEC戦では初めての母国でのレースを迎えました。多くのファンの皆様が見守る中で、世界を戦ってきたLEXUS RC F GT3の富士での初走行が13日(金)の公式練習から開始されました。
 公式練習1回目では、78号車のファン・デル・リンデが6番手タイム、2回目では87号車のロペスがトップ5タイムと好スタート。
 14日(土)の予選は非常に僅差のアタック合戦となる中で、ロビンがアタックした78号車が9番手タイムで、トップ10が進出するハイパーポールに今季2度目の進出を決めました。木村がアタックした87号車はコンマ2秒及ばず惜しくも11番手。
 ハイパーポールではロビンが6番手タイムをマーク。3列目グリッドを獲得しました。
 15日(日)も好天に恵まれ、気温28度、路面温度40度のコンディションで6時間のレースがスタートしました。
 2周目の1コーナーで接触があり、いきなりセーフティカーが導入される波乱の幕開けとなりましたが、ロビンと木村がスタートを担当した2台のLEXUS RC F GT3は着実に走行。1時間ほどで予定のピットへ向かい、78号車はファン・デル・リンデへ、87号車はマッソンへと交代しました。
 1時間半ほどでバーチャルセーフティカーの提示がされると、2台のLEXUS RC F GT3はピットへ向かい、スタートドライバーの2人へと交代。その後も好走を続け、一時78号車は4位、87号車は8位まで順位を上げました。
 2時間20分ほどで78号車はシュミットへ、87号車はマッソンへと交代。中盤は6位、7位あたりでの争いを展開。1時間ほどのスティントの後、78号車はファン・デル・リンデ、87号車はロペスにステアリングを託しました。ファン・デル・リンデは好走を見せ一時4位を走行。87号車のロペスは8位を走行も、トラックリミット違反によるペナルティを受け順位を落とすこととなってしまいました。
 レースは残り1時間45分ほどのところでこの日3度目となるセーフティカーが出され、残り1時間半でのスプリントで再スタートが切られました。78号車はシュミットが10位、87号車はロペスが13位を走行。最後の追い上げを図りましたが、87号車はフルコースイエロー時の手順違反でペナルティを受けポジションダウン。78号車は5位で最後の1時間に入りました。
 残り50分というところで、最後のドライバーとして78号車はファン・デル・リンデ、87号車はマッソンへと交代。78号車は一時5位までポジションを上げましたが、終盤タイヤの摩耗が激しくペースダウン。11位でチェッカー。87号車はこれに続く12位フィニッシュとなりました。

リザルト(LMGT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
11位6番手78ケルビン・ファン・デル・リンデ
クレメンス・シュミット
アーノルド・ロビン
アコーディスASP19443.984
12位11番手87ホセ・マリア・ロペス
エステバン・マッソン
木村武史
アコーディスASP19450.046
アコーディスASP
アコーディスASP

AUTOBACS SUPER GTシリーズ第6戦 SUGO
SUGO GT 300km RACE

 2024年シーズンSUPER GTの第6戦「SUGO GT 300km RACE」が9月21日(土)、22日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
 今季の同シリーズには、K-tunes RC F GT3 96号車とANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車の2台のLEXUS RC F GT3がフル参戦しています。
 前大会第5戦鈴鹿が台風の影響で12月へ延期となったため、今大会は事実上の5戦目、シーズン後半戦へ入ります。
 予選が行われた21日(土)は前日からの雨が続き、午前中の公式練習はウェットコンディション。午後はさらに雨が強まる予報もあり、予選が中止になった場合にこの公式練習のベストタイムでグリッド順を決める可能性があると通達があったこともあり、各チームは走行開始時から積極的にタイムを出す走行を続けました。断続的に降る雨の中、悪天候やアクシデントにより6回もの赤旗が出される公式練習セッションとなりました。
 公式練習走行の後、若干コンディションが良くなった時間帯もありましたが、その後また雨脚が強まり、午後2時45分より予定されていた予選は、数回にわたるディレイの後、午後3時9分にキャンセルされることが発表されました。決勝のスターティングリッドは公式練習時のタイムにより決定されることとなり、新田守男/高木真一組 96号車が11番手グリッド、イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河組 50号車は公式練習セッションで車両トラブルにより走行できず最後尾スタートとなりました。
 22日(日)も雨模様は続き、朝方に行われたFIA-F4は赤旗中断で終了する状況。午後遅くなって天候が回復するという予報も鑑み、当初午後1時半から予定されていた決勝レースは、午後2時22分に開始されることとなりました。
 気温20度、路面温度24度と悪天候で肌寒い中、グランドスタンドを埋めたレースファンの皆様が見守る前で、セーフティカー先導でレースがスタート。雨はほとんど止んだものの、まだ路面はウェットで、GT300クラスは数台を除くほとんどの車両がレインタイヤを装着して走りだしたレースは、4周目から本格戦が開始されました。
 11番手からスタートを切った96号車の新田は序盤から前の車両に迫っていき、数周後には抜きつ抜かれつのポイント圏争いを展開。21周目には9位にポジションを上げましたが、24周目、スロー走行中の車両を避けようとした別の車両に接触し、車両前部にダメージ。レース中の修復は叶わず、リタイアとなってしまいました。
 オオムラ・フラガがスタートを担当した50号車は、最後尾26番手からじりじりとポジションを上げ、12周目には18位、34周目にはポイント圏内目前の11位まで浮上。
 37周目にコースオフ車両が発生すると、50号車を含む多くの車両がセーフティカー導入を見越してピットイン。コース上はフルコースイエローが出される中、50号車は古谷へとドライバーチェンジ。スリックタイヤへと交換してコースへ復帰しました。この時点で13位を走行していた50号車ですが、アウトラップで、まだ濡れている路面での温まっていないスリックタイヤでコースオフ。すぐに復帰したものの順位を落とすと共に、再スタート後には、フルコースイエロー中にコースアウトしたことでドライブスルーペナルティを科されてしまいました。
 それでも50号車は最後まで粘り強く走り抜き、18位でチェッカーを受けました。

リザルト(GT300クラス)

順位グリッドNo.ドライバー車両名周回トップとの差
18位26番手50イゴール・オオムラ・フラガ/
古谷悠河
ANEST IWATA Racing RC F GT3763 Lap
リタイア11番手96新田守男/高木真一K-tunes RC F GT32356 Laps
ANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車
K-tunes RC F GT3 96号車

ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第4戦 もてぎ
もてぎスーパー耐久 5Hours Race

 9月7日(土)、栃木県のモビリティリゾートもてぎでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE の第4戦「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」が開催されました。
 今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。今大会31号車は、永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで5時間レースに挑みました。
 今大会は予選と決勝が9月7日(土)の一日で行われるワンデイイベント。
 午前中行われた予選では、A/Bドライバーの合算タイムで決勝スターティンググリッドを決定。31号車はAドライバー永井とBドライバー小高がアタックし、3番手グリッドを獲得しました。
 予選の後、わずか3時間ほどのインターバルを経て、午後12時半より5時間レースがスタート。永井から小高、小山へと3位のポジションをキープしたまま周回を重ねていき、残り1時間強で最後の嵯峨へとドライバー交代を行いました。表彰台フィニッシュを目指し、後続との差も十分に広げての走行を続けていましたが、ピットアウト後わずか4周で突然31号車はストレート上でストップ。コックピット内で小さな火災が発生したため、ダメージを広げないためのドライバー嵯峨の判断による停止でした。
 車両は修復エリアへと運ばれましたが、そのままリタイアとなりました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
リタイア3番手31永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀apr11730 Laps
apr 31号車
apr 31号車

ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第5戦 鈴鹿
SUZUKA S耐

 9月28日(土)と29日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE の第5戦「SUZUKA S耐」が開催されました。
 今季の同シリーズST-Xクラスにaprから参戦しているDENSO LEXUS RC F GT3 31号車は、5時間で戦われる今大会も前大会同様、永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで臨みました。
 28日(土)、9月末にもかかわらず28度と蒸し暑い中、ドライコンディションで午後2時より予選が行われました。
 まず31号車のAドライバーである、地元三重出身の永井が2位以下を大きく引き離す好タイムをマークし暫定トップに立つと、Bドライバーの小高も2番手のタイムを記録し、A/Bドライバーの合算ではトップに。31号車は今季初のポールポジションを獲得しました。
 29日(日)は朝から雨模様。スタート直前には雨が止むも、路面はまだウェットと判断が難しい状況での決勝スタートとなりました。
 午前11時45分に5時間レースがスタート。ポールポジションの31号車は小高がスタートを担当。路面が乾くことを見越してスリックタイヤを装着した31号車は、序盤はまだ濡れている路面でのスリックという難コンディションにもかかわらず小高が首位をキープ。徐々に路面が乾いてくると後続との差を広げていきました。
 その後永井へとドライバー交代し、一旦は3位へ後退するも、次を引き継いだ嵯峨が首位を奪還。最後のスティントを担当した小山も安定したペースでポジションを守り、トップでチェッカー。31号車は今季初勝利をポール・トゥ・ウィンで飾りました。
 31号車の同シリーズでの勝利は昨年の最終戦以来ほぼ10か月ぶり。また、最終ランナーを務めた小山の勝利は、スーパー耐久シリーズになって初めての女性ドライバー総合優勝達成となりました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
1位1番手31永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀apr121
apr 31号車
apr 表彰台

次号のマンスリーレポートは10月29日頃の発行を予定しています。