2022年1月1日(土)、サウジアラビアで開催されるダカールラリー2022のスタートが切られました。TOYOTA GAZOO Racingはこのダカールラリー2022に新型のGRダカールハイラックスT1+の4台体制で参戦。ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組がステージ1で勝利を挙げると、続くステージでも順調な速さを見せ、1月4日(火)のステージ3を終えた時点で2位に37分差の首位を走行。また、チームメイトのジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組もステージ3終了時点で4位と好位置につけています。

【ステージ1】
1月1日(土)は紅海に臨む大都市ジェッダで、翌日からの本格的な戦いでのスタート順を決定する、19kmのステージ1Aが行われ、アル-アティヤ/ボーメル組がトップタイムをマーク。翌2日(日)のステージ1Bは、このプロローグランでのトップ10がスタート順を選択できるため、アル-アティヤ/ボーメル組は有利な10番手からスタートを切りました。
2日(日)のステージ1Bはハイルをスタートして戻ってくる333km。本格的な砂丘走行もある、ナビゲーションが難しいコース設定でした。アル-アティヤ/ボーメル組はトラブル無くこのステージを2位に12分差のトップタイムで終え、大会初日からトップに立ちました。
ステージ1Aを8位で終えた、ド・ヴィリエール/マーフィ組は3番手でスタートを切ると、まもなく前を行く2台をパスし、先頭でコースを切り拓くという不利な条件になりながらも、ベテランらしい着実な走りでこのステージを7位で終えました。
ヴァリアワ/スタッセン組は終盤の通過ポイントを見逃し、引き返したためにタイムロスを喫したものの、22位でトラブル無く戻って来ました。ラテガン/カミングス組はステージ序盤、タイヤ交換後にハブボルト破損によるホイール脱落というトラブルに見舞われ3時間以上の大きなタイムロス。しかしなんとか修復を果たし、57位でフィニッシュしました。


【ステージ2】
3日(月)はハイルをスタートしてアル・アルタウィヤへ向かう予定でしたが、ビバーク地が降雨により水没したため、コースが変更され、ステージ3後に到着予定だったアル・カイスマへ向かうこととなりましたが、競技区間の変更はなく、338kmの砂丘を含むコースは参加者曰く「超高速」な設定で、ミスをしやすい難コースでした。
ステージ1で首位に立ったアル-アティヤ/ボーメル組は、このステージ2を先頭スタート。不利なスタート順で、ステージ中盤にはタイヤのパンクにも見舞われましたが、タイムロスを最小限に抑え、トップと3分半差の2位でこのステージをフィニッシュ。総合順位では首位を守りました。
ド・ヴィリエール/マーフィ組はトップと11分差の8位でステージ2を終え、総合では4位へと浮上しました。ステージ1で大きく遅れたラテガン/カミングス組も7位と好走を見せ、総合では38位へとポジションアップ。ヴァリアワ/スタッセン組はセンサートラブルで本来のパワーが発揮できず、30分以上のタイムロスで28位に終わりました。


【ステージ3】
4日(火)はビバーク地の変更により、コースもアル・カイスマを起点としたループ状に変更。当初予定されていた競技区間は255kmに短縮されましたが、大きな砂丘越えの続くコースが参加者を苦しめました。
このステージ3では、ラテガン/カミングス組が完璧な走りを見せ、トップと38秒差の2位でフィニッシュ。これでラテガン/カミングス組は今大会最長となる翌日のステージ4を2番手からスタートするため、実力が問われることとなります。
総合首位を行くアル-アティヤ/ボーメル組はこのステージ3をトップと5分10秒差の8位でフィニッシュ。総合順位を争うライバルより前でのフィニッシュを果たし、総合での2位との差は37分40秒へと広げるとともに、最長のステージ4のスタート順は8番手と好位置を確保しました。
ド・ヴィリエール/マーフィ組もトップと4分10秒差の7位と好調をキープ。総合では前車と3分差の4位につけています。
前日苦戦を強いられたヴァリアワ/スタッセン組は、後方スタートで混雑の中を走ることとなりましたが、この日は着実な走りを見せ、ステージ19位でフィニッシュ。ステージ4は2分ごとの好位置スタートを確保しました。
5日(水)に予定されているステージ4は競技区間465km、トータル707kmと今大会最長のステージ。アル・カイスマからサウジアラビアの首都リヤドへと向かいます。その後はリヤドを起点に2回のループステージを戦い、8日(土)の休息日を迎えます。


ダカールラリー2022 ステージ3 終了時点の総合結果:
総合順位 | ドライバー/コ・ドライバー(車両/チーム) | 首位との差 |
---|---|---|
1位 |
#201 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル (GRダカールハイラックスT1+/TOYOTA GAZOO Racing) |
|
4位 |
#207 ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ (GRダカールハイラックスT1+/TOYOTA GAZOO Racing) |
45分22秒 |
25位 |
#233 シャミア・ヴァリアワ/ダニー・スタッセン (GRダカールハイラックスT1+/TOYOTA GAZOO Racing) |
2時間16分22秒 |
38位 |
#225 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス (GRダカールハイラックスT1+/TOYOTA GAZOO Racing) |
3時間26分06秒 |
ステージ3終了時のコメント:
チーム代表 グリン・ホール:
ステージ3は我々全員にとってとても良いステージでした。ヘンクとブレットの、ステージの大半をリードして2位フィニッシュという結果は誇るべきものです。ナッサーとマシューはペースをコントロールしてやるべきことを果たしました。同様に、ジニエルとデニスも力強い走りを見せてくれて、4位の位置を着実に守っています。そして最後に、シャミアとデニスも、ステージ2での苦戦にもかかわらず今日はクリーンな走りでした。彼らは多くの車両をかわしながらの走行でしたが見事ステージトップ20フィニッシュを果たしました。これで彼らもステージ4は好条件でスタートできるので、明日も間違いなく良い一日になるでしょう。
ナッサー・アル-アティヤ:
今日も良いステージで、(2位の)セバスチャン(ローブ:BRX)との差を広げることができました。40km地点で彼を見かけたとき、トラブルに見舞われていることが分かりました。それで戦略を若干変更し、今日はクリーンで着実に走り抜くことに集中しました。明日も好位置からのスタートなので良い一日になってくれると思いますが、今大会最長のステージなので、安心はできません。
ジニエル・ド・ヴィリエール:
今日はクリーンで良いステージでした。非常に速い場所や、とても素晴らしい砂丘越えも何度かありました。トリッキーな場所も何カ所かありましたが、総じて高速で楽しめるステージでした。今日のパフォーマンスには満足していますが、それ以上に素晴らしいパフォーマンスを見せたヘンクとブレットを祝福したいと思います。
ヘンク・ラテガン:
我々にとって今日は本当に素晴らしいステージでした。特に競技区間の序盤はスムーズで流れるような高速区間で最高でした。この最初の区間は快適で、自信を持って走ることができ、本当に楽しめました。さらにもうちょっと攻められたかも知れませんが、後半は非常にトリッキーな砂丘区間が現れたこともあり、少し抑えて走りました。経験豊富なベテランのように自信を持って攻めることはできませんでしたが、この判断で着実にステージを走り抜くことができましたし、明日も攻めていきます。我々は2番手からスタートしなくてはなりませんので、明日は非常に長く、トリッキーな一日になりそうです。
シャミア・ヴァリアワ:
昨日のトラブルのあと、我々は69か70番手あたりからのスタートとなってしまいました。とにかく総合よりもステージでの順位を上げることに集中し、全力を尽くしました。多くの車両をパスし、19位でフィニッシュできたことは嬉しいです。明日はまた速いライバル達と走ることになるので、もっと良い走りができるでしょう。
TOYOTA GAZOO Racingのダカールラリー2022活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。
