SUGO
SUPER GT 2021年 第5戦 SUGO
GT500 予選/決勝
SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」が9月11日(土)、12日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
全8戦で争われている2021年シーズンのSUPER GTも5戦目を迎え、後半戦に入りました。前半戦では、2年目を迎えたGR SUPRA勢が開幕戦でトップ4を占める速さを見せ、続く2戦でも表彰台に2台が上りましたが、前大会鈴鹿では、サクセスウェイトに苦戦する結果となりました。とはいえシリーズはまだ中盤戦。タイトル獲得へ向け、サクセスウェイトの重いチームも着実にポイント獲得を重ねて行くことが重要となります。
舞台となるスポーツランドSUGOは、昨シーズンは新型コロナウイルスの影響でSUPER GTは行われなかったため、2年ぶりの開催です。昨シーズンよりSUPER GTに参戦を開始したGR SUPRAにとっては初のSUGOでの戦いでもあります。「魔物が出る」と言われる難コースSUGOでのGR SUPRAの走りに期待がかかりました。
今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催。イベント広場には、「TGRブース」が開設され、GR 86とSUBARU BRZの合同展示の他、映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」の撮影で使用されたGR SUPRAなどが展示され、2年ぶりの東北開催に集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めていました。
11日(土)は曇り空。気温24度、路面温度27度という、予想よりもやや涼しいコンディションで午後2時半より、ノックアウト方式の予選が行われました。
10分間でのQ1が開始されると、GT500の予選セッションとしては通常よりもやや早めに各車コースへと向かい、充分にタイヤを暖めてアタック開始。ここでは39号車を駆る中山雄一が見事なアタックを決めトップタイムをマーク。石浦宏明のZENT CERUMO GR Supra 38号車が6番手タイムをマークし、GR SUPRA勢の中ではサクセスウェイトの軽い2台が、上位8台が進むQ2への進出を決めました。
先陣を切ってコースインし、早めにアタックした平川亮の37号車は、最後の最後にタイムを更新したライバルに押し出される形となり、0.063秒及ばず惜しくも9番手でQ2進出ならず。ランキング3位でサクセスウェイト70kgのENEOS X PRIME GR Supra 14号車は大嶋和也のアタックも届かず11番手、国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が13番手、坪井がアタックを担当した36号車はやはり64kgのサクセスウェイトに苦しみ14番手で予選を終えました。
Q2では立川祐路がアタックした38号車が7番手、コバライネンの39号車は8番手タイムで、4列目に並んで決勝レースをスタートすることとなりました。
12日(日)は好天に恵まれ、強い日差しの下、気温29度、路面温度は46度と、前日の予選時よりも路面温度が20度も高いコンディションで、午後1時半に決勝レースのスタートが切られました。
スタートの隊列が整わなかったため、フォーメーションラップが予定よりも1周延長され、83周となった決勝がスタート。9番手スタートの37号車阪口晴南がひとつ順位を落としたものの、大きな変動が無いまま序盤は周回が重ねられていきました。
GR SUPRA勢最上位の7番手からスタートを切った立川の38号車は、10周目に前車をパスして6位へポジションアップ。しかし、さらに前を攻めた38号車は、16周目の1コーナー進入でライバルに並びかけたものの、立ち上がりで接触を喫しコースオフ。11位まで大きく順位を落としてしまいました。
この38号車にかわってGR SUPRA勢を引っ張る形となったのはコバライネンの39号車と阪口晴南の37号車。20周目に揃って前車をパスすると、27周目にはさらに前の車両がオーバーランを喫したことで、5位、6位へとポジションアップを果たしました。
その後方では、14号車、19号車、38号車に36号車までが連なってのバトルとなりましたが、28周目、ストレートで14号車、19号車、36号車が3ワイドの横一線で1コーナーへと進入。この激戦を制した関口の36号車が一気に9位へと順位を上げました。
ドライバー交代の最低周回となる、首位が28周目に入るとすぐに38号車がピットインし、立川から石浦へとドライバーチェンジ。その後、続々と各車ピットへ向かう中、36号車がピットタイミングを遅らせ、35周終了でピットイン。
GT500の全車がピットを終えたところで、GR SUPRA最上位の5位を走行していた37号車の平川が、抜きつ抜かれつの激しい4位争いを繰り広げました。
前半は、大きな波乱のないレースが続いていましたが、中盤に入ると、上位を争っていた車両にトラブルが発生し、また、首位の車両がピット作業違反のペナルティ。これでGR SUPRA勢にチャンスが来たかと思われましたが、47周目、38号車と10位争いを繰り広げていた宮田莉朋の19号車から突然出火。宮田はコース脇に車両を停め、無事に脱出しましたが、19号車は戦線離脱。レースはセーフティカーが導入されることとなりました。
55周目、残り29周でレースが再開されると、4位の37号車に、39号車、36号車が続いて3台のGR SUPRAによる激しい4位争いが展開。
その後方には14号車が8位、38号車が9位で続いていましたが、57周目に38号車は突然ピットへと向かい、そのままガレージイン。そして14号車も63周目に突然ストレートでスローダウン。コース脇に車両を停め、こちらもレースを終えることとなってしまいました。
14号車が止まったことで出されたフルコースイエローからレースが再開されると、再び37号車、39号車、36号車の3台によるバトルとなり、残り9周となった75周目、1コーナー進入時に平川の37号車と、抜こうとしてインに入った中山雄一の39号車が接触。この接触で37号車はダメージを負い、ピットへ。GR SUPRA勢はまさかの4台がレースを最後まで走り切ることなく終えることとなってしまいました。
このバトルの隙を突いた坪井の36号車が39号車をかわして4位へと浮上。サクセスウェイトの重い36号車を、軽めの39号車が追う展開となりましたが、36号車坪井が逃げ切り、4位でチェッカー。39号車が5位で続き、波乱のサバイバル戦でGR SUPRAは2台がトップ5フィニッシュを果たしました。
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰 一貴/松下 信治 | 83 | 1:56'41.101 | 3 | 16 |
2 | 1 | STANLEY NSX-GT | 山本 尚貴/牧野 任祐 | 83 | 8.511 | 10 | 80 |
3 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越 広大/ベルトラン・バゲット | 83 | 11.145 | 4 | 60 |
4 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口 雄飛/坪井 翔 | 83 | 12.437 | 14 | 64 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 | 83 | 12.596 | 8 | 28 |
6 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星 明誠/佐々木 大樹 | 83 | 24.626 | 15 | 22 |
7 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 83 | 28.532 | 12 | 44 |
8 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢 拓也/大津 弘樹 | 83 | 30.822 | 6 | 4 |
9 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 笹原 右京/大湯 都史樹 | 83 | 42.921 | 2 | 20 |
10 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | 81 | 2 Laps | 1 | 26 |
11 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川 亮/阪口 晴南 | 75 | 8 Laps | 9 | 56 |
12 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也/山下 健太 | 62 | 21 Laps | 11 | 70 |
38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川 祐路/石浦 宏明 | 57 | 26 Laps | 7 | 22 | |
19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資/宮田 莉朋 | 45 | 38 Laps | 13 | 40 |