2022 Rd.3 SUZUKA

SUPER GT 2022年 第3戦 鈴鹿

    フェネストラズ/宮田組GRスープラが3位表彰台を獲得

    GT500 予選/決勝

    フェネストラズ/宮田組GRスープラが3位表彰台を獲得

     SUPER GT第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」が5月28日(土)、29日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
     ここまで2戦を終え、開幕戦では、大嶋和也/山下健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が勝利、第2戦では坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組 au TOM'S GR Supra 36号車が2位とGRスープラ勢は上位争いを繰り広げていますが、2戦共に表彰台の3台は3メーカーの車両が分け合う激戦となっています。
     今大会を終えると、次戦第4戦まで約2か月のインターバルとなります。ここまでの2戦で思い通りの戦いができなかったチームも巻き返しを図るべく、5月とは思えない暑い2日間となった今大会に挑みました。
     イベント広場ではTGRブースが開設され、先日発表されたばかりのMT仕様GR Supra等を展示。ドライバーとのリモートトークショーなどのさまざまなイベントで盛り上がりました。また、今年は鈴鹿サーキットが60周年を迎えた記念すべき年ということもあり、今大会では特別デモラン「群雄割拠JGTC~SGTの礎となった時代~」を実施。2002年にシリーズチャンピオンに輝いたESSOウルトラフロースープラを、同車両でチャンピオンを獲得し、現在は39号車のTGR TEAM SARD監督を務めている脇阪寿一氏がドライブ。ニッサンZ(2004年)とホンダNSX(2000年)と共に快音を響かせてファンの皆様に懐かしい勇姿を披露しました。

    ESSOウルトラフロースープラなどの往年の名車による特別デモランが行われ、観客を沸かせた
    ESSOウルトラフロースープラなどの往年の名車による特別デモランが行われ、観客を沸かせた

    予選

     28日(土)、午前中のセッションでの遅れにより、予定よりも10分遅れの午後2時55分より、ノックアウト方式の予選が行われました。予選開始時点で気温は28度、強い日差しにより路面温度は44度まで上昇、5月とは思えない暑さの中でのアタックとなりました。
     なお、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO GR Supra 38号車は、予選の前に行われたフリー走行中にトラブルに見舞われ、予選までに車両修復が間に合わず、予選への出走は取りやめることとなりました。
     Q1では、上位8台がQ2へと進出。関口がアタックを担当した39号車が、セッション開始1分ほどで先陣を切ってコースへ。その後、各車が出て行く中、最後まで残っていたのは山下の14号車。残り6分ほどで14号車がコースに入り、全車アタックを開始しました。
     まず関口の39号車が1分44秒821で2番手と好タイムをマーク。19号車の阪口晴南が1分44秒960でその時点での4番手につけると、すぐに坪井の36号車がこれを更新、フェネストラズの37号車も36号車を上回るタイムを叩き出し、3番手に。
     一方、開幕戦での勝利により最多の46kgというサクセスウェイトを積む山下の14号車は、1分45秒219と健闘を見せ、その時点での8番手に滑り込むも、平峯一貴のカルソニック IMPUL Z 12号車が7番手に飛びこみ、僅か0.02秒差でQ2進出を逃すこととなってしまいました。
     Q1から僅差の争いとなる中、39号車が2番手、37号車が3番手、36号車が5番手、19号車が6番手で4台のGRスープラがQ2へと進出を決めました。
     Q2では、やはり39号車の中山雄一が先陣を切ってコースイン。19号車の国本が最後にコースに向かいました。
     先にアタックを開始した39号車の中山雄一は1分44秒925をマーク。その後、各車がこのタイムを更新する形となっていきました。
     37号車の宮田はセクター3までベストタイムを更新するも、最終セクターで僅かにミスがあり、1分44秒500で3番手。
     国本の19号車はセクター1、セクター2でベストを更新する速さを見せ、これまでのコースレコードを更新する1分44秒112という素晴らしいタイムをマークし、トップに立ちました。
     一方、ライバルがタイムを更新し4番手となっていた37号車の宮田は、なおもアタックを続け、前周にタイムをロスした最終セクターで大きくタイムアップを果たし、これまでのコースレコードを上回る1分44秒269をマーク。国本には届かなかったものの、2番手としました。
     国本は、自身では初となるSUPER GTでのポールポジションを獲得。19号車は阪口晴南がアタックした前戦富士に続き、2戦連続のポールポジション。37号車が2番手で続き、GRスープラが最前列に並んでの決勝スタートとなりました。
     39号車は6番手、アレジがアタックした36号車は8番手グリッドを獲得しました。

    2戦連続のポールポジションを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)
    2戦連続のポールポジションを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)

    2番手グリッドを獲得したKeePer TOM'S GR Supra 37号車(サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋)
    2番手グリッドを獲得したKeePer TOM'S GR Supra 37号車(サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋)

    ポールポジションを獲得し喜ぶ国本 雄資、坂東 正敬監督、阪口 晴南
    ポールポジションを獲得し喜ぶ国本 雄資、坂東 正敬監督、阪口 晴南

    決勝

     29日(日)は雲一つ無い快晴となり、全国的に夏日が予想されていたとおり、5月としては非常に暑い陽気となりました。
     決勝前のウォームアップ走行で20号車がクラッシュを喫し、この影響でスタートは予定よりも10分間順延。20号車は修復が間に合わず、決勝は欠場となりました。
     午後2時40分、気温30度、路面温度50度というコンディションで、53周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
     ポールスタートの19号車は国本、最前列2番手の37号車はフェネストラズがスタートを担当。19号車はスタートではトップをキープ、37号車は1コーナー進入でインをつかれて3位へ後退。また、19号車も130RでZ 3号車にかわされると、続くシケインでは37号車が先行。 1周目を終えたところで37号車2位、19号車が3位。その後方では、6番手スタートの39号車関口はポジションをキープ、8,9番手スタートの36号車アレジ、14号車山下はひとつずつポジションを上げました。
     3周目にスローダウン車両の影響でフルコースイエロー(FCY)が出され、4周目に解除されると、その直前に4位へと順位を落としていた19号車が5位へとポジションダウン。また、7位へと順位を上げていた36号車は、スタート前のグリッドへ向かう周回中、黄旗を無視して追い越しをしたとしてドライブスルーペナルティを科され、この時点での最下位へと後退してしまいました。
     9周目、GT300の周回遅れに追いつき、車列をかいくぐりながらのバトルとなる中、14号車山下は39号車をパスし6位へ。
     11周目、GT300車両がシケインでクラッシュするのとほぼ同じタイミングで、最後尾スタートから苦戦を強いられていた38号車がトラブルによりストップ。セーフティカーが導入されました。
     14周を終えたところでセーフティカーが退去して15周目からレース再開。18周を終えると、ドライバー交代の最少周回数を過ぎたことで、各車戦略の下で3台がピットへと向かいました。
     翌19周終了時に、2位走行中の37号車がピットイン。宮田へとドライバーチェンジ。
     21周終了で首位のZ 3号車がピットイン。23周を終えたところで14号車、24周終了で19号車がピットへ向かい、残るは39号車のみ。
     最後までピットインを引っ張った39号車は、折り返しを過ぎた27周を終えたところでピットインし、2位でコースへと復帰。しかし、冷えたタイヤでのアウトラップで後続にかわされるかと思われたところで、GT300車両がタイヤバーストを喫してFCYとなりポジションキープ。FCYが解除されると、さすがにまだタイヤを暖めきれなかったか、39号車の中山雄一はポジションをキープできず、2台にかわされ、37号車が3位、39号車が4位、19号車が5位。14号車は8位へと後退しました。
     その後の戦いでは、各車の差がやや広まっていく中、37号車の宮田が前を行くNSX 17号車を追撃し続けました。
     39周目にはコースオフ車両によるFCYの直後に、クラッシュも発生しセーフティカーが導入。広がっていた各車のマージンは帳消しとなり、残り9周でのスプリント勝負となりました。
     3位の37号車宮田は最後まで2位の車両を追うも0.3秒及ばず3位でフィニッシュ。それでも今季初の表彰台を獲得。39号車が4位、19号車が5位、14号車は8位、36号車も10位に入り、GRスープラは5台がポイント獲得を果たしました。14号車は重いサクセスウェイトに苦しみながらもポイントを獲得し、ランキングでは首位と同点の2位につけています。
     今大会も表彰台は3メーカーの車種が分け合い、ここまでの3戦、全てのレースで異なるメーカーが勝利を飾るという結果となりました。

    3位表彰台を獲得したKeePer TOM'S GR Supra 37号車(サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋)
    3位表彰台を獲得したKeePer TOM'S GR Supra 37号車(サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋)

    4位フィニッシュを果たしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車(関口 雄飛/中山 雄一)
    4位フィニッシュを果たしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車(関口 雄飛/中山 雄一)

    5位フィニッシュしポイントを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)
    5位フィニッシュしポイントを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)

    KeePer TOM'S GR Supra 37号車 ドライバー サッシャ・フェネストラズ:

     今日の鈴鹿戦では3位フィニッシュでした。難しいレースでした。もうちょっと上の結果を目指していましたが、ベストは尽くせたと思いますし、今日の結果には満足しています。クルマの調子も良く、前半の私のスティントでは良いバトルもできました。それだけに次戦以降が楽しみですし、チャンピオン争いにも加われればと思っています。応援してくださった皆様に感謝しています。これからもさらに良い結果を目指してプッシュし続けます。

    KeePer TOM'S GR Supra 37号車 ドライバー 宮田莉朋:

     3位で終わりました。鈴鹿はちょっと厳しいレースになると予想して来たのですが、それでも予選で2番手が取れました。決勝ではピットストップなどで逆転されてしまったり、前との差が広がってしまった部分もありましたが、それでも3位表彰台を獲得できました。サクセスウェイトがゼロということもあり、今回は勝ちに行くという意識を皆で持ってきました。ただ、鈴鹿は前回の富士と比べて厳しい戦いでしたので、この3位という結果はすごく良い結果だと思いますし、この流れを維持してこれからもチームと共に頑張りたいと思います。シーズンはまだまだ先があるので、しっかりチームと共に努力し続けていきます。応援ありがとうございました。

    SUPER GT 2022年 第3戦 鈴鹿 決勝結果:GT500
    順位No.車名ドライバー周回所要時間/差グリッドSW
    13CRAFTSPORTS MOTUL Z千代 勝正/高星 明誠521:55'50.895312
    217Astemo NSX-GT塚越 広大/松下 信治524.54956
    337KeePer TOM'S GR Supraサッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋524.8322
    439DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口 雄飛/中山 雄一524.88066
    519WedsSport ADVAN GR Supra国本 雄資/阪口 晴南528.35717
    624リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木 大樹/平手 晃平5210.429103
    78ARTA NSX-GT野尻 智紀/福住 仁嶺5210.4721322
    814ENEOS X PRIME GR Supra大嶋 和也/山下 健太5213.278946
    9100STANLEY NSX-GT山本 尚貴/牧野 任祐5214.3041436
    1036au TOM'S GR Supra坪井 翔/ジュリアーノ・アレジ5215.362825
    38ZENT CERUMO GR Supra立川 祐路/石浦 宏明1042 Laps1516