2024 Rd.8 MOTEGI

SUPER GT 2024年 第8戦 もてぎ

    坪井/山下組 GRスープラが独走で今季2勝目!石浦/大湯組が3位表彰台獲得

    GT500 予選/決勝

    坪井/山下組 GRスープラが独走で今季2勝目!
    石浦/大湯組が3位表彰台獲得

     2024年シーズンSUPER GTの第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」が11月2日(土)、3日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。
     例年シーズン最終戦として戦われてきたもてぎラウンドですが、今季は第5戦鈴鹿が台風の影響で12月へ延期となったため、今大会は事実上の7戦目、2024年シーズンは今大会を含め残り2戦となります。このため、サクセスウェイトは通常のもてぎ戦のようにゼロではなく、半減で戦われます。
     ここまでの6戦で、坪井翔/山下健太組 au TOM'S GR Supra 36号車が開幕戦ポール・トゥ・ウィン。笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM'S GR Supra 37号車が第3戦と第6戦を制し、ランキング1-2位となっています。石浦宏明/大湯都史樹組 KeePer CERUMO GR Supra 38号車も第4戦で3位、第6戦で2位となり、首位と9ポイント差のランキング4位。関口雄飛/中山雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車はそして前戦オートポリスで今季初勝利を上げ、首位と14ポイント差のランキング7位。第3戦で2位表彰台などコンスタントにポイントを重ねて来た大嶋和也/福住仁嶺組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車も21ポイント差の9位と、最終戦でのチャンピオン争いに生き残るべく、大切な一戦に臨むこととなりました。
     2日(土)はあいにくの天候となったものの、3日(日)は好天に恵まれ、秋の過ごしやすい気候のもとで、多くのモータースポーツファンがサーキットを訪れました。
     決勝のオープニングセレモニーでは航空自衛隊松島基地のF-2B戦闘機による大迫力の歓迎フライトが行わるなど、多くのイベントで盛り上がりました。イベント広場にはTGRブースが開設され、晴天の下、久々に開催された人気のトークショーの他、LEXUS LBX MORIZO RR、GRヤリスを展示。GR Supra GT500の展示&搭乗体験などのコンテンツも人気を集めていました。

    晴天の下、久々に開催された監督トークショー
    晴天の下、久々に開催された監督トークショー

    予選

     2日(土)は朝から雨模様で、午前中の練習走行は一時的に強まった雨などにより6度も赤旗が出される状況に。しかし、予選の行われた午後には雨脚はやや弱まり、予定されていた午後2時より、気温17度、路面温度19度、ウェット宣言の出される中で予選が行われました。
     GT500クラスはQ1、Q2の合算タイムで決勝のスターティンググリッドを決定。
     Q1では14号車の福住が好タイムをマークし、僅差の2番手。大湯の38号車が4番手、関口の39号車が5番手、坪井の36号車が8番手、アレジの37号車が9番手。阪口晴南のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が15番手となりました。
     Q2では、各車終盤に次々タイムアップ。ここでは重いサクセスウェイトの36号車山下が見事なアタック。最後の一発にかけた山下はこのセッションでの2番手タイムをマークし、合算で36号車はTGR勢最上位の2列目3番手グリッドを獲得。石浦がアタックした38号車が4番手。大嶋アタックの14号車が5番手。39号車が7番手、37号車が8番手、19号車が15番手グリッドから決勝をスタートすることとなりました。

    4番手グリッドを獲得したKeePer CERUMO GR Supra 38号車(石浦 宏明/大湯 都史樹)
    4番手グリッドを獲得したKeePer CERUMO GR Supra 38号車(石浦 宏明/大湯 都史樹)

    5番手グリッドを獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)
    5番手グリッドを獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)

    決勝

     3日(日)天候は一転して朝から快晴に恵まれ、午後1時、気温21度、路面温度29度の下で、栃木県警の白バイ、パトカーによるパレードラップ、フォーメーションラップを経て63周で争われる決勝のスタートが切られました。
     スタート直後、2列目3番手グリッドの36号車坪井が前の車両に並びかけるも抜くには至らず。7番手スタートの39号車関口が5位へ、8番手スタートの37号車笹原が7位へ順位を上げる一方、5番手スタートの14号車大嶋は8位へとポジションダウン。
     6周目に停止車両がありフルコースイエロー(FCY)が出され、再開後まもなく9周目にも再度FCY。3位の36号車坪井は前を行くARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 号車をレース再開のタイミングを上手く使ってパス。2位へと順位を上げると、その勢いのまま11周目には首位を行くModulo CIVIC TYPE R-GT 64号車もかわし、首位に立ちました。
     一方で8位を走行していた笹原の37号車は、エンジン点火系トラブルに見舞われ緊急ピットイン。そのまま修復のためにガレージインを余儀なくされ、上位争いから無念の脱落となってしまいました。
     首位に立った36号車坪井はハイペースで周回を重ね、後続との差を広げていきました。
     4番手からスタートした石浦の37号車も上位争いを展開。16周目に3位に上がると、翌周64号車もかわして2位へ。GRスープラの1-2体制となりました。
     22周目、2位の38号車がまずピットイン。38号車は大湯へドライバーチェンジ。翌周には14号車、そして24周目には首位の36号車と39号車もピットへ向かいました。
     36号車は、坪井から山下へとドライバーチェンジ。余裕を持って首位のままコースに復帰しました。
     全車がピットを終えて、36号車が首位、38号車が2位。39号車の中山は、タイヤの温まっていないアウトラップで後続から猛追を受けるも5位をキープ。14号車も7位でさらに上位を伺いました。
     首位を逃げる36号車山下は、2位との差を18秒ほどまで広げ、そのマージンをキープしながらの周回。レースの中盤戦は各所で接近戦は繰り広げられるものの、順位の変動は無いまま周回が重ねられていきました。
     45周目、再三にわたって前を行くSTANLEY CIVIC TYPE R-GT 100号車を攻めていた14号車の福住がこれをパスして6位に浮上。福住は他車よりも速いペースで更なる追い上げを図りました。
     しかし、残り10周というところで14号車は突然のスローダウン。無念の戦線離脱を余儀なくされました。
     2位を走行していた38号車の大湯は後半ペースが厳しくなり、53周目に8号車にかわされ3位へと後退。さらに終盤はARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT 16号車からの猛追を受け、最後までこの2台による表彰台を賭けた攻防戦が繰り広げられました。
     首位を行く36号車は最後まで20秒ほどの差を保ったままトップチェッカー。開幕戦に続く今季2勝目を挙げました。
     38号車は苦しみながらも逃げ切って3位でチェッカー。今季3回目の表彰台を獲得。この結果、ドライバーズランキングでは首位の36号車と22ポイント差の3位へと浮上。今大会リタイアに終わるもランキング4位につける37号車と共に、最終戦での逆転タイトルの可能性を残すこととなりました。
     39号車も5位のポジションを守ってフィニッシュしました。

    1位表彰台を獲得したau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/山下 健太)
    1位表彰台を獲得したau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/山下 健太)

    3位フィニッシュとなったKeePer CERUMO GR Supra 38号車(石浦 宏明/大湯 都史樹)
    3位フィニッシュとなったKeePer CERUMO GR Supra 38号車(石浦 宏明/大湯 都史樹)

    au TOM'S GR Supra 36号車 ドライバー 坪井翔:

     3番手スタートでしたが、後半スティントが長くなるのはわかっていたので、少しでも楽な状態で山下選手にバトンタッチできるよう、自分のスティントでトップに立ちたいとは思っていましたが、あんなに上手く行くとは思っていませんでした。本当に車も良かったし、朝のフリーからこれはいけるんじゃないかという自信もありました。ワンリス(燃料リストリクター1段階)ダウンなので、やっぱりストレートでちょっと遅いのはしょうがないかなとは思ったのですが、FCYのタイミングとかうまく利用して抜くことができました。自分のスティントでトップに立ち、10秒ぐらい後続との差を開いて山下選手にバトンタッチをすることができたので、スティントとしては良かったと思います。その後また山下選手も10秒ぐらい後続を引き離してくれたので、こんなに上手く行っていいのかなというレースでしたが、本当に優勝できてよかったです。次戦鈴鹿は、まずはチャンピオンを取ることが一番ですが、やっぱりノーウェイトのガチンコ勝負で僕らが速いぞというのを示せるチャンスでもあると思いますし、開幕戦で勝てましたので、最終戦も勝ってチャンピオン決めるというところを目標に戦えば、ミスなくできると思うので、とにかく勝ちを目指して頑張ります。

    au TOM'S GR Supra 36号車 ドライバー 山下健太:

     自分は後半スティントを担当したのですが、坪井選手が10秒もの差を築いてトップで帰ってきてくれたので有難かったです。ピットストップも早かったし、タイヤのウォームアップも良かったので、結構余裕を持ってドライブすることができました。クルマも良かったので、20秒差をつけて優勝できたのですが、ワンリスが入ったもてぎで勝てるとは思ってなかったし、こんなに上手く行っていいのかっていうくらい完璧なレースでした。本当に優勝できて嬉しいですし、みんなに感謝です。最終戦鈴鹿には、18点差という結構なマージンを持って挑むことができますが、最後もしっかり3勝目を飾って今シーズンを終えられるように頑張ります。

    KeePer CERUMO GR Supra 38号車 ドライバー 石浦宏明:

     今日は前半を担当しました。サクセスウェイトを考えれば良いレースができたと、自分たちの中ではベストは尽くせたと思うのですが、36号車がもっと重いのにあれだけ速かったので、ちょっとそこは悔しいレースでした。

    KeePer CERUMO GR Supra 38号車 ドライバー 大湯都史樹:

     ファーストスティントで石浦選手が追い上げてくれてバトンを渡していただいたのですが、セカンドスティントはちょっとペースに苦しみながらの展開となってしまいました。かなり苦しかったのですが、なんとか粘って表彰台は取ることができました。その結果、鈴鹿に向けてまだ一応チャンスはあるということで、鈴鹿も全力で臨みます。まだ優勝ができてないので、そこを目指して頑張りたいと思います。

    SUPER GT 2024年 第8戦 もてぎ 決勝結果:GT500
    順位No.車名ドライバー周回所要時間/差グリッドSW
    1 36 au TOM'S GR Supra 坪井 翔/山下 健太 63 1:53'50.242 3 53
    2 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 野尻 智紀/松下 信治 63 20.513 2 26
    3 38 KeePer CERUMO GR Supra 石浦 宏明/大湯 都史樹 63 27.554 4 41
    4 16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 大津 弘樹/佐藤 蓮 63 27.69 6 21
    5 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛/中山 雄一 63 33.429 7 39
    6 100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 63 36.618 9 51
    7 3 Niterra MOTUL Z 高星 明誠/三宅 淳詞 63 44.71 11 46
    8 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生/名取 鉄平 63 45.31 14 5
    9 23 MOTUL AUTECH Z 千代 勝正/ロニー・クインタレッリ 63 46.199 13 40
    10 64 Modulo CIVIC TYPE R-GT 伊沢 拓也/大草 りき 63 59.079 1 7
    12 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資/阪口 晴南 58 5 Laps 15 6
    13 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也/福住 仁嶺 53 10 Laps 5 32
    37 Deloitte TOM'S GR Supra 笹原 右京/ジュリアーノ・アレジ 16 47 Laps 8 51