ABOUT WEC

WEC FIA 世界耐久選手権とは

自動車の限界で競う耐久レースの世界選手権
2021シーズンはル・マン、富士を含む全6戦を予定
※2021年1月末時点

FIA世界耐久選手権(FIA World Endurance Championship:略称はWEC)は、プロトタイプカーとGTカーが混走して争う耐久レースの世界選手権です。国際自動車連盟(FIA)が統括し、レギュレーションの制定等、運営にはル・マン24時間を開催するフランス西部自動車クラブ(ACO)も深くかかわっています。

レギュレーションで各レースの長さは6時間以上と規定されており、最長のル・マンは24時間。選手権ポイントもレースの長さで異なります。
選手権はプロトタイプ2クラス、GT2クラスの計4クラスで構成され、6つの世界チャンピオンタイトルと4つのトロフィーが設定されています。今年からスタートするトップカテゴリーの「Hypercar」クラスにはTOYOTA GAZOO Racingも参加します。
ドライバーは車両1台につき最大3名まで認められています。「FIAドライバー類別規定」により、各選手の戦績に従って「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の4つに分類され、可能となる組み合わせが参加クラスごとに決められています。

選手権は、2018年から2年間にまたがる「スーパーシーズン」形式で開催されて来ましたが、2021年は通常の単年シーズンで全6戦が予定されています。

現行WECがスタートしたのは2012年。今季は「シーズン9」となりますが、耐久レース世界選手権の歴史は長く、初開催は1953年。この年はセブリング12時間、ミッレミリア、スパ・フランコルシャン24時間、そしてル・マン24時間など全7戦が行われました。日本でも1982年から1988年まで富士スピードウェイで、1989年から1992年までは鈴鹿サーキットで開催されており、1991年にはオートポリスでも行われ、2012年からは富士で毎年開催されてきました(2020年は新型コロナウイルス禍で中止)。

CATEGORY

CLASS/クラス分け

WECは「Hypercar」「LMP2」「LMGTE Pro」「LMGTE Am」という全4クラスで構成されています。
「Hypercar」は、昨年までのLMP1に代わって今年からスタートする最上級クラスで、TOYOTA GAZOO Racingは早くから参加を表明し、新型車の「GR010 HYBRID」を投入します。2021年は昨年までの非ハイブリッドLMP1車両の参加も認められます。
「LMGTE Pro」はGTカーの耐久世界一を競うクラスです。また、「LMP2」と「LMGTE Am」クラスではプライベートチームが参加しやすいよう、様々な配慮がなされています。

Hypercar(Le Mans Hypercar/LMH)

Le Mans Hypercar/LMH

WECにおける最上級のクラスです。技術規則「Le Mans Hypercar」に適合する車両は、LMP1車両と比較してコクピット、ウインドスクリーンを拡大し、ハイパーカーと呼ばれるにふさわしい外観を有しています。自動車メーカーが技術を投じたプロトタイプカーと、実際に公道走行可能なハイパーカーのレース仕様車があります。

全長は5,000mm以下、全幅2,000mm以下、全高は1,150mm以下で、全面投影面積が1.6m²以上であること。最低車重は1030kg。排気量、気筒数等は自由で、ハイブリッドシステムを搭載する場合はフロントアクスルを駆動することが規定されています。タイヤはミシュランのワンメイクとなります。
性能調整(BoP)を導入することで、参加車両間の性能差を均衡化し、初年度から白熱した争いが期待されます。

ゼッケンベースはレッド。ドライバー編成は自由ですが、ブロンズドライバーの参加はできません。

Le Mans Hypercar/LMH

Le Mans Prototype 2(LMP2)

LMP2

プライベーター向けのプロトタイプカテゴリーです。バジェットキャップ制が導入されており、指定されたコンストラクター4社が製造する価格の上限が定められたシャシーを用い、エンジンはワンメイクで指定された4.2リッターのV8自然吸気エンジンを搭載します。
クローズドボディを備え、全長4,750mm以下、全幅1,800mm以上1,900mm以下、全高1,050mm以上で、最低車重は930kg。燃料タンク最大容量は75リッター。
ゼッケンベースはブルー。ドライバー編成にはシルバーまたはブロンズドライバー1名が含まれていなければなりません。2021年は選手権にチームとドライバーのLMP2 Pro/Amトロフィーが新たに設けられました。

LMP2

Le Mans Grand Touring Endurance Pro(LM GTE Pro)

LM GTE Pro

その名称が示す通り、プロフェッショナルチームのためのGT上級カテゴリーです。毎年、自動車メーカーのワークスチームが世界タイトルを巡る激しい争いを展開しています。BoPが適用され、最低重量は性能評価テストで定義すると規定されています。
燃料タンク容量、リアウイングの高さ、エアリストリクター、ターボブースト圧等もBoPの適用を受けます。4輪駆動は禁止。トラクションコントロールの装備は可能で、ブレーキディスクは鉄ベース合金製。エンジンは同一メーカーの量産車に搭載され、300台以上が生産された量産エンジンがベース。自然吸気エンジンは5.5リッター以下、過給機付きエンジンは4リッター以下と決められています。
ゼッケンベースはグリーン。ドライバー編成は自由です。

LM GTE Pro

Le Mans Grand Touring Endurance Am(LM GTE Am)

LM GTE Am

アマチュアドライバーを対象としたカテゴリーで、車両はLMGTE Proに準じます。ただし1シーズン前の車両か、前シーズン車両の仕様に完全に準拠した車両と定められています。WECでエントリー台数が最も多いのが「LMGTE Am」クラスです。
ゼッケンベースはオレンジ。ドライバー編成にはブロンズドライバー最低1名と、ブロンズかシルバーのドライバー1名を含めることが必要となっています。

LM GTE Am

RACE

  • ベルギーベルギー

    第1戦
    スパ・フランコルシャン6時間レース

  • ポルトガルポルトガル

    第2戦
    ポルティマオ8時間レース

  • イタリアイタリア

    第3戦
    モンツァ6時間レース

  • フランスフランス

    第4戦
    ル・マン24時間レース

  • バーレーンバーレーン

    第5戦
    バーレーン6時間レース

  • バーレーンバーレーン

    第6戦
    バーレーン8時間レース