8月20日(土)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「イープル・ラリー・ベルギー」の競技2日目デイ2が、ベルギー西部のイープルを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が総合2位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)が総合3位に順位を上げました。また、前日のデイリタイアを経て再出走したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合70位に、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元は総合6位につけています。
イープル・ラリー・ベルギーのデイ2は、イープル市街地のサービスパークを中心に、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は133.22kmと、3日間で最長の一日でした。デイ2もステージは舗装された農道が中心となり、路面コンディションは終日ドライ。爽やかな青空の下で競技が行なわれました。
デイ1で首位と13.7秒差の総合3位につけたエバンスは、3本目のSS11から3ステージ連続で2番手タイムを刻み、SS14ではベストタイムを記録。総合2位オィット・タナックとの差を3.2秒差に縮めました。さらに、SS15でも2番手タイムを記録し、そのステージで首位のティエリー・ヌービルがリタイアとなったため、総合2位にポジションアップ。最終のSS16を3番手タイムで走りきり、首位タナックと8.2秒差の総合2位でデイ2を終え、優勝の可能性を維持して最終日に駒を進めました。
デイ1で堅実な走りにより総合4位につけていたラッピは、デイ2でも安定した走りを続け、トリッキーなイープルのターマック・ステージを走破。総合4位のライバルに1分41秒以上の大差をつけ、総合3位で一日を終えました。また、チームによって修理されたクルマでデイ2に再出走したロバンペラは、オープニングのSS9でベストタイムを記録。その後も2番手タイムを2回刻むなど、前日のコースオフの影響が全くないことをタイムで証明しました。
デイ1でトランスミッションのトラブルにより大きく遅れ、総合18位となった勝田は、デイ2では素晴らしい走りを続け4番手タイムを2回記録。ポイント獲得圏内の総合6位まで順位を上げました。
なお、前日ユハ・カンクネンがステアリングを握ったGR Yaris H2を、今日はチームオーナーである豊田章男がドライブ。カンクネンをコ・ドライバーに迎え、午前中のSS11の開始直前にステージを走行しました。同じく水素を燃料とするGRカローラ H2で、「モリゾウ」というドライバー名でスーパー耐久に参戦している豊田は、GR Yaris Rally1 HYBRIDと同じくピレリ・タイヤを装着したGR Yaris H2でベルギーのターマック・ステージを駆け抜け、TOYOTA GAZOO Racingのカーボンニュートラルへの取り組みを、自身の走りで多くのラリーファンに伝えました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
このラリーの難しさを今日も実感しました。路面は乾いていたのでコンディションはそれほど悪くありませんでしたが、それでも土や砂利が多く道に出ていて、グリップレベルが変わり続けました。明日はそれほど長い距離が残っているわけではありませんが、勝負はまだ終わっていないのでプレッシャーをかけ続けます。2位と3位につけていることは、マニュファクチャラー選手権にとっても素晴らしいことなので、明日どのようにアプローチするべきか、慎重に考えなければなりません。また、チームの素晴らしい仕事によって修理されたクルマで、カッレがラリーに復帰したのも嬉しいことです。もちろん、彼は明日のパワーステージに狙いを定めています。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今朝は新しく作ったペースノートで走る場所が多く、特に高いスピードから一瞬で低速になるような道がたくさんあって、とても大変な一日でした。もっと速く走れたのではないかと思うところも多くあったので、完全には満足できませんでしたが、結果的にはうまく行きました。首位とのタイム差はそれほど大きくないので、明日が勝負の一日になるのは間違いありません。このような僅差のラリーでタイムを縮めるのは大変ですが、プレッシャーをかけ続け、どうなるか様子を見たいと思います。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
素晴らしい仕事でクルマを直してくれたチームに感謝します。おかげで再スタートすることができました。クルマはまるで新車のようでパーフェクトな一日になりました。最初のステージからフィーリングは良く、ベストタイムを出すことができました。もちろん、今日は戦う必要がなかったので、とにかく楽しんで走ることにしました。それでも、いいフィーリングを得るためには、少しプッシュすることも重要で、その結果いいタイムを出すことができました。明日のパワーステージでも今日と同じように走り、ポイントを獲得できることを期待しています。
<<エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車)>>
今日はとても安定した一日でした。さらに速く走れるポテンシャルはありましたが、前後の選手とタイム差が大きくついていたので、無理にプッシュする意味はありませんでした。実際、タイムについては全く気にせず、ただ良いリズムでミスなく走りきることだけを考えていました。その結果3位に順位を上げることができたので、うまく行ったと思います。マージンが十分にあったので、とにかくコースから外れないように堅実に走りました。明日も引き続き同じように走り、フィンランドの日曜日のようなことにはならないように、何事もなくフィニッシュできることを願っています。
<<イープル・ラリー・ベルギー デイ2の結果>>
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1h58m55.2s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +8.2s
3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m09.8s
4 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m51.6s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m05.9s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5m39.3s
7 ステファン・ルフェーブル/アンディ・マルフォイ (シトロエン C3 Rally2) +7m46.2s
8 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia Rally2 evo) +8m11.9s
9 ヨアン・ロッセル/バレンティン・サルード (シトロエン C3 Rally2) +8m50.9s
10 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ロカ (ヒョンデ i20 N Rally2) +9m12.1s
70 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1h09m55.4s
(現地時間8月20日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技最終日となる8月21日(日)のデイ3は、イープルの西側エリアと、南側エリアで2本のステージをサービスを挟んで各2回走行。そのうち、南側エリアのSS18/20「ケンメルベルク」は、自転車競技の難所としても、第一次世界大戦の激戦地としても知られている丘陵地帯が舞台となり、最終ステージとなるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は51.34km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は158.33kmとなります。
最新情報はこちら
TOYOTA GAZOO Racing WRTのSNSアカウント
∇Facebook: https://www.facebook.com/TOYOTAGAZOORacingWRC
∇Twitter: https://www.twitter.com/TGR_WRC (@TGR_WRC)
∇Instagram: https://www.instagram.com/tgr_wrc/ (@TGR_WRC)
∇YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCCtALHup92q5xIFb7n9UXVg