MIRAI(ラリー仕様) カスタマイズストーリー

2015.01.09 東京オートサロン2015

GAZOO Racingのエッセンスを注ぎ込んだFCVラリーカー、MIRAI 00カーが新城ラリーコースを疾走

GAZOO Racingのエッセンスを注ぎ込んだFCVラリーカー、MIRAI 00カーが新城ラリーコースを疾走
年11月に行われたJAF全日本ラリー選手権「新城ラリー2014」に突如現れたカーナンバー00カー。これは、トヨタの燃料電池車(FCV)であるMIRAIをラリー仕様に仕上げた車両だ。00カーとはラリー本戦を前にコースの安全確認をする車両で、ラリー参戦車両と同等の性能が求められるもの。MIRAIはロールケージを備え、足回りもラリー専用にチューニングされており、2日間の日程でラリー本戦と同じ約285㎞のコースを、音もなく軽快に疾走。実際に参戦しても不思議ではないほどのポテンシャルを見せつけた。

トヨタは1992年からFCVの開発をスタートさせ、さまざまな実験データを取得。これをベースに市販されているのがMIRAIである。その特徴は、まず4ドア4シーターのセダンタイプであること。関連部品が大きく、実験車両はいずれもSUVタイプだったが、技術進化とともにセダンタイプでの完成を見ることになった。そのMIRAIをGAZOO Racingはどう進化させたのだろうか。

素性の良さを活かし、GRMNが目指すドライバー

MIRAI 00カー
トロークを確保しながらも荒れた路面をしっかりと捉える専用のチューニングサスペンションで武装。安全性のためにロールゲージ、アンダーガード、マッドガード、専用シートなども装備。ラリーカーとしての仕上がりとなっているが、そのドライブフィールはマイルドだ。なおかつ切れ味が感じられるハンドリングなど、誰もが違和感なくスポーティな走りを楽しめるクルマに仕上がっている。それこそが開発を担当したGAZOO Racingマイスター、勝又義信の目指したところでもある。

り出しのスッとした動き、そしてアクセルを踏み込んだ際のトルクフルな走りといった電気自動車らしい走りの質がベースにあり、振動も少なく、室内は静かだがインバーター音や、より多く空気を取り込むためのコンプレッサーの作動音が、うまくサウンドチューニングされ、FCVに乗っていることを実感させてくれる。駆動のためのユニット類が床下を中心に配置された、重心車両がMIRAIだ。その素性の良さを活かしたコンフォートな乗り味を、ドライバーとの一体感のある乗り味へと変更し、しっかり走る、気持ちいいクルマとなっている。
MIRAI 00カー
  • クルマの味付け(チューニング)担当 GAZOO Racing推進室 勝又 義信
    MIRAI クルマの味付け
    (チューニング)担当
    GAZOO Racing推進室
    勝又 義信