パドック通信 - 2009 第6戦 モナコGP
モナコGP パドック通信
2009年5月25日
ガレージにセレブが登場
モナコGPはF1カレンダーの中で最も華やかなレース。だから、パドックやガレージにセレブが登場することがあります。パナソニック・トヨタ・レーシングは、今回、国際的なスターたちとひと時を過ごしました。
トヨタF1チームは日本との結びつきが強いだけに、ガレージの舞台裏に特別に招かれた人々の中に、日本のスターが含まれていたのも驚きではありません。
日本のプロ野球選手であった清原和博氏は、通算500本を超えるホームランを記録し、昨年現役を引退しました。金曜日、彼はヤルノ・トゥルーリとチームのトップマネージメントを訪れ、技術コーディネーション担当ディレクター、新居章年の案内でガレージを見学しました。
一方、土曜日には2人のセレブがチームを訪れました。1人目はイタリアの女優、マリア・グラツィア・クチノッタさんです。『国連世界食糧計画(WFP)』の飢餓撲滅大使でもある彼女は、その職務の一環としてパナソニック・トヨタ・レーシングを訪れました。
パナソニック・トヨタ・レーシングの公式パートナーであるALJグループは、TF109の自社用のブランドスペースを『国連世界食糧計画(WFP)』に寄付し、そのフロントウイングのブランドスペースには“Fill the Cup”(コップを満たそう)というロゴが貼られています。
映画007シリーズの『ワールド・イズ・ノット・イナッフ』にもシガー・ガールとして出演したクチノッタさんは、幾つものテレビインタビューにて“Fill the Cup”キャンペーンの広報活動を行う前に、ヤルノと一緒にガレージの前で写真撮影のためにポーズを取っていました。
それからしばらく後、オリンピックの水泳のメダリスト、アラン・ベルナール氏が、自分の水泳用具とヤルノ及びティモが使っている道具の違いを確認すべく、ガレージを訪れました。
フランス人の彼は、レクサスアンバサダーでもあり、現在レクサスRX400hを運転しています。2008年の北京オリンピックで合計3個のメダルを獲得した彼は、パナソニック・トヨタ・レーシング社長、ジョン・ハウエットの案内でガレージを見て回りました。
金曜日は休日……ではありません
モナコGPのスケジュールは通常の場合と異なり金曜日が休日となっています。もしかすると皆さんはF1界の人々も休日を楽しんでいると思われるかもしれませんが、実際には休日とならないことが多いものです。
モナコでは伝統的に金曜日にはF1のフリー走行がないので(ただしGP2のレースはある)、仕事に精を出すチームスタッフたちにとって幾分リラックスできる部分はあります。
通常の金曜日ならば、合計3時間のフリー走行の準備があるので、チームは夜明けと共にサーキットに到着しますが、モナコでの到着予定時刻は午前9時30分でした。これはグランプリの週末としてはかなり遅い方なのです!
しかし、最後のフリー走行と予選に向けたクルマの準備のために、やるべき仕事はたくさんあります。このため今回の金曜日も、チームの全員が忙しく仕事をすることとなりました。また、ドライバーも同じように仕事をしています。主な仕事は、予選に向けて完璧なセットアップを見つけるため、担当のエンジニアたちと話し合うことですが、忙しい最中に何本か広報活動のためのインタビューを行うことも彼らの仕事の1つです。
また、夕方にもある意味では仕事と呼べる任務がありました。ヤルノとティモはチームのトップマネージメントと一緒に、公式パートナーであるALJのヨットに足を運び、モナコでも有名な船上パーティーの1つに参加しました。ただしこのパーティーは、湾内の他のヨットで行われているような夜通しの大騒ぎではなく、落ち着いた上品なものでした。
サッカーのチャリティーマッチ
ヤルノ・トゥルーリの“アブルッツォ・ネル・クオーレ”(心の中にアブルッツォを)の活動は、ますます大きな広がりを見せています。そして今回のモナコでは更に大きな支援が発表されました。義援金を募るべく、セレブたちによるサッカーの試合が発表されたのです。
ヤルノは故郷のアブルッツォで先日発生した地震の被害者のために義援金を募るべく、支援活動を行っています。この地震では数百人の方々が命を落とし、数千もの人々が家を失いました。
義援金を募り、仲間であるF1ドライバーたちからチャリティーオークションのための品々を集めたヤルノは、モナコに移動する前に、地震の被災者の皆さんに会うため被災地を訪れました。こうした活動が、パオロ・リグレスティ氏をはじめ様々な起業家たちの関心を集めたのです。
リグレスティ氏のチャリティ財団の支援の下、チャリティのサッカーの試合が6月1日にミラノの伝統あるサンシーロ・スタジアムにて開催されます。この試合は、“アブルッツォ・ネル・クオーレ”の活動のために義援金を募るのが目的なのです。
もちろんヤルノにとって、チャリティのサッカーの試合はこれが初めての体験ではありません。彼はモナコGPの前の月曜日にも同様の試合に参加しています。この試合は、モナコにあるルイII世スタジアムで開催されました。ヤルノは現役のライバルたちと共にF1ドライバーチームのメンバーとして試合に臨み、セレブによるオールスターチームと対戦。結果はヤルノたちのチームの勝利でした。