LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.3米国WTSCと欧州GWCEで「LEXUS RC F GT3」が勝利
国内ではS耐富士24時間で2位表彰台獲得

2020.09.30(水)- 11:15配信

 新型コロナウイルスの影響で世界的に開幕が遅れた今季のモータースポーツですが、開幕後は、その遅れを取り返すかのように過密スケジュールでレースが開催されています。今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、米国WeatherTech SportsCar Championshipシリーズと欧州GT World Challenge Europe、国内SUPER GT(GT300クラス)、そしていよいよ24時間レースで開幕したスーパー耐久の模様をお送りします。

米国WTSCで「LEXUS RC F GT3」が勝利

WeatherTech SportsCar Championship第6戦ロードアトランタ
Grand Prix At Michelin Raceway Road Atlanta

 9月4日(金)から6日(日)にかけて、米国ジョージア州ブラセルトンに位置するミシュラン・レースウェイ・ロードアトランタ、2020年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第6戦が6時間の耐久レースとして行われました。
 今季の同シリーズには、エイム・バッサー・サリバンから2台のLEXUS RC F GT3がGTDクラスに参戦。6時間耐久の今大会には、12号車がタウンゼン・ベル/フランキー・モンテカルヴォ/アーロン・テリッツ、14号車がジャック・ホークスワース/マイケル・デ・ケサダ/ダニエル・モラドというドライバーラインナップで臨みました。
 予選では12号車が今季2度目となるポールポジションを獲得。14号車は9番手につけました。
 6時間の決勝レースはクラッシュなどが多発する荒れた展開となる中、ポールポジションからスタートした12号車は上位争いを続け、5位でチェッカー。今季5度目のトップ5フィニッシュを果たしました。
 一方、9番手スタートの14号車は着実な走りで順位を上げ、フルコースコーションのタイミングにも助けられて一時は4位まで浮上。残り2時間でホークスワースへとドライバー交代しましたが、その直後、3位争いのバトルの中で他車と接触。右フロントタイヤのパンクに見舞われ、パンクしたタイヤにより車体にもダメージが及んだことで、ガレージでの修復を余儀なくされてしまいました。クルーの迅速な作業で14号車はコースへと復帰し、10位でチェッカーを受けました。

リザルト(GTDクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
5位 1番手 12 タウンゼン・ベル
フランキー・モンテカルヴォ
アーロン・テリッツ
エイム・バッサー・サリバン 245 6.654
10位 9番手 14 ジャック・ホークスワース
マイケル・デ・ケサダ
ダニエル・モラド
エイム・バッサー・サリバン 204 41 Laps
エイム・バッサー・サリバン 12号車
エイム・バッサー・サリバン 14号車

WeatherTech SportsCar Championship第7戦ミッドオハイオ
Acura Sports Car Challenge at Mid-Ohio

 9月25日(金)から27日(日)にかけて、米国オハイオ州レキシントン近郊に位置するミッドオハイオ・スポーツカー・コースで、2020年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第7戦が2時間40分のスプリント戦として行われました。
 今季の同シリーズには、エイム・バッサー・サリバンから2台のLEXUS RC F GT3がGTDクラスに参戦。12号車がタウンゼン・ベル/フランキー・モンテカルヴォ、14号車がジャック・ホークスワース/アーロン・テリッツというドライバーラインナップで臨みました。
 土曜日に行われた予選では、14号車をドライブしたテリッツが自身2度目となるポールポジションを獲得。12号車は7番手からのスタートとなりました。
 決勝レースでは、ポールポジションからスタートした14号車のテリッツが序盤をリード。途中、ピットで若干タイムをロスし首位の座を譲りますが、後半担当のホークスワースに交代したタイミングで首位に立つと、そのまま逃げ切り、トップチェッカー。14号車としては今季3勝目、チームにとっては4勝目を挙げました。LEXUS RC F GT3はこれでミッドオハイオでは3年連続の勝利となりました。
 一方、7番手スタートの12号車はスタート直後に他者との接触があり車体にダメージを負ってしまいました。この修復のために何度かのピットインを強いられながらのレースとなりましたが、10位でフィニッシュ。今季6度目のトップ10フィニッシュを果たしました。
 今大会の結果、LEXUSはGTDクラスのメーカー選手権総合ポイントランキング及びスプリントカップランキングで首位につけています。

リザルト(GTDクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
1位 1番手 14 ジャック・ホークスワース
アーロン・テリッツ
エイム・バッサー・サリバン 108
10位 7番手 12 タウンゼン・ベル
フランキー・モンテカルヴォ
エイム・バッサー・サリバン 87 21 Laps
1位フィニッシュしたエイム・バッサー・サリバン14号車
表彰台で勝利を祝うエイム・バッサー・サリバン14号車のジャック・ホークスワースとアーロン・テリッツ

GT World Challenge Europe 第3戦ニュルブルクリンク

 9月3日(木)から6日(日)にかけて、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットで、GT World Challenge Europeの第3戦が行われました。同シリーズはGT3車両で競われ、昨年まではブランパンGTシリーズと呼ばれていましたが、今季より名称変更。世界中の様々なメーカーのGT3車両が参加する同シリーズには、Tech 1 Racingより1台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
 今大会はエンデュランスカップの今季2戦目として、6時間レースでの開催。トーマス・ノイバウアー、オーレリアン・パニス、ティモシー・ビュレの3名がLEXUS RC F GT3 15号車でシルバーカップクラスに出場しました。
 5日(土)に行われた予選では、15号車はシルバーカップ2番手(総合20番手)グリッドを獲得。
 6日(日)の決勝レースでは、スタートを担当したビュレが2位のポジションを守り、1時間後にバトンを受けとったパニスが猛攻を見せてクラス首位へと浮上しました。首位のポジションを守って周回を重ねていた15号車でしたが、中盤のピットイン時にエンジンスターターのトラブルに見舞われタイムロス。メカニックの懸命な修復でコースへと戻った15号車は、シルバークラス10位(総合39位)でレースを終えました。

リザルト(シルバーカップクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
10位 2番手 15 トーマス・ノイバウアー
オーレリアン・パニス
ティモシー・ビュレ
Tech 1 Racing 157 16 Laps
Tech 1 Racing 15号車
2番手でスタートしたTech 1 Racing 15号車

GT World Challenge Europe 第4戦マニクール

 9月10日(木)から13日(日)にかけて、フランスのマニクール・サーキットで、GT World Challenge Europeの第4戦が行われました。ニュルブルクリンクでの第3戦に続き2週連続での開催となった今大会は、スプリントカップの2レース制で行われました。
 今季、同シリーズにLEXUS RC F GT3で参戦しているTech 1 Racing、そしてドライバーのトーマス・ノイバウアー、オーレリアン・パニスにとっては母国であるフランスでの大会に、好成績が期待されました。
 12日(土)は気温40度もの暑さの中で予選が行われ、Tech 1 RacingのLEXUS RC F GT3 15号車はシルバーカップ3番手(総合7番手)につけました。レース1の決勝は、この日の夜10時、ナイトレースとして実施。15号車はパニスがスタートで2つポジションを上げましたが、接触によりコースオフ。なんとかレースへは復帰したものの、車両へのダメージが大きく、10周目で戦線離脱を余儀なくされてしまいました。
 13日(日)メカニックの懸命な作業により修復なった15号車は、レース2予選でシルバーカップ4番手(総合16番手)グリッドを確保。決勝では、ノイバウアーがスタートで好ダッシュを見せたものの、1コーナーで接触があり、タイヤのパンクに見舞われピットイン。大きく順位を落としましたが、コース復帰後は好ペースでの追い上げを見せ、シルバーカップ6位(総合18位)でチェッカーを受けました。

レース1 リザルト(シルバーカップクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
リタイア 3番手 15 トーマス・ノイバウアー
オーレリアン・パニス
Tech 1 Racing 9 27 Laps

レース2 リザルト(シルバーカップクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
6位 4番手 15 トーマス・ノイバウアー
オーレリアン・パニス
Tech 1 Racing 36 1:34.640
Tech 1 Racing 15号車
Tech 1 Racing 15号車

GT World Challenge Europe 第5戦ザントフールト

 9月24日(木)から27日(日)にかけて、オランダのザントフールト・サーキットで、GT World Challenge Europeの第5戦が行われました。
 今大会はスプリントカップ戦として2レース制で開催。トーマス・ノイバウアーとオーレリアン・パニスがLEXUS RC F GT3 15号車でシルバーカップクラスに出場しました。
 金曜日に行われた予選では、レース1,レース2共にクラス6番手グリッドにつけました。
 土曜日のレース1決勝は、スタート時に雨が降り始め、レースの経過と共に乾いていく展開の中、15号車は着実な走りで順位を上げていき、シルバーカップ4位(総合7位)でチェッカーを受けました。
 天候も回復した土曜日午後に行われたレース2では、スタートを担当したノイバウアーが2つポジションを上げてパニスへとドライバーチェンジ。パニスは素晴らしい速さでライバルをかわしていき、シルバーカップ1位(総合4位)でチェッカー。今季初勝利を飾りました。

レース1 リザルト(シルバーカップクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
4位 6番手 15 トーマス・ノイバウアー
オーレリアン・パニス
Tech 1 Racing 34 27.833

レース2 リザルト(シルバーカップクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
1位 6番手 15 トーマス・ノイバウアー
オーレリアン・パニス
Tech 1 Racing 37
1位でチェッカーを受けるTech 1 Racing 15号車
表彰台で勝利を喜ぶTech 1 Racing 15号車のトーマス・ノイバウアーとオーレリアン・パニス

SUPER GTシリーズ第4戦 ツインリンクもてぎ
FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE

 SUPER GT第4戦「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」が9月12日(土)、13日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで無観客戦として開催されました。
 予選が行われる12日(土)は朝から弱い雨が降ったりやんだりの不安定な天候。午後2時半の時点で気温は25度、路面温度29度。路面はやや乾いてきている、悩ましいコンディションでノックアウト方式の予選が開始されました。
 Q1を2グループに分けて実施。15台のうち8台がQ2へと進むA組では、吉本大樹がアタックしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車は、Q2進出ラインの8番手に僅か0.015秒及ばず9番手で惜しくもQ1敗退となりました。
 Q1のB組は、セッション開始直後に強まった雨に足を取られた車両がコースオフ。赤旗中断となり、残り8分で再開されると、ここでレインタイヤとスリックタイヤの選択が分かれました。ここではスリックタイヤでのアタックを選択したLEXUS RC F GT3勢が速さを見せ、阪口晴南のK-tunes RC F GT3 96号車がトップタイムをマーク。久保凜太郎のたかのこの湯 RC F GT3 244号車が2番手、今大会も助っ人日本人ドライバーである堤優威がQ1を担当したarto RC F GT3 35号車も4番手につけ、LEXUS RC F GT3は3台がトップ4入りでQ2進出を果たしました。
 Q2は、セッション終盤に目まぐるしくタイムが更新される展開となりましたが、新田守男の96号車が6番手、三宅淳詞の244号車が8番手、佐々木雅弘の35号車は11番手グリッドを獲得しました。
 13日(日)、午前中は青空も見えたもてぎでしたが、昼過ぎには曇り空となり、気温27度、路面温度34度という暑さの和らいだコンディションで午後1時に300kmで争われる決勝レース(63周)のスタートが切られました。
 6番手からスタートし、ベテラン新田から阪口晴南へとドライバーチェンジした96号車は、阪口が粘り強く上位での走行を続け、表彰台まであと一歩の4位でフィニッシュ。
 60号車が12位、35号車は19位。前半トップ10圏内を争った244号車は26位に終わりました。

リザルト(GT300クラス)

順位 グリッド No. ドライバー 車両名 周回 トップとの差
4位 6番手 96 新田 守男/阪口 晴南 K-tunes RC F GT3 59 8.957
12位 17番手 60 吉本 大樹/河野 駿佑 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 59 28.900
19位 11番手 35 佐々木 雅弘/堤 優威 arto RC F GT3 59 39.527
26位 8番手 244 久保 凜太郎/三宅 淳詞 たかのこの湯 RC F GT3 58 1 Lap
4位でフィニッシュしたK-tunes RC F GT3 96号車
予選17位から5つ順位をあげ12位でフィニッシュしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車
arto RC F GT3 35号車
たかのこの湯 RC F GT3 244号車

ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第1戦 富士スピードウェイ
NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース

 9月4日(金)から6日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイで、ピレリスーパー耐久シリーズ2020の開幕戦となる「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が開催されました。
 新型コロナウイルスの影響で5か月ほど遅れての開幕となったスーパー耐久。その開幕戦はいきなりの24時間レースで行われることとなりました。
 今季の同シリーズには、長年SUPER GTに参戦、スーパー耐久には2018年以来となるaprが、LEXUS RC F GT3で参戦。開幕戦は24時間レースということで、SUPER GTのレギュラードライバーを含む、6人体制で出場しました。
 同シリーズデビュー戦となるDENSO LEXUS RC F GT3 31号車は、総合優勝を争う最速のST-Xクラスでのエントリー。4日(金)に行われた予選では5番手につけました。
 5日(土)午後3時に決勝レースがスタート。スタート時はドライコンディションだったものの、まもなく降り始めた雨は徐々に強さを増していき、何度かセーフティカーも導入される中、3時間を過ぎたところでついにレースは赤旗中断に。4時間半ほどの中断の後にレースは再開されたものの、夜中にも再び赤旗が出されるなど、天候に翻弄された大荒れの展開となりました。
 ST-Xクラスでも強力なライバルがトラブルやアクシデントに見舞われる中、着実にノートラブルで走り抜いたDENSO LEXUS RC F GT3 31号車は2位でフィニッシュ。見事デビュー戦で表彰台獲得を果たしました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位 グリッド No. ドライバー チーム 周回 トップとの差
2位 5番手 31 永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗/
永井宏明/中山雄一/上村優太
apr 524 4 Laps
2位でフィニッシュしたDENSO LEXUS RC F GT3 31号車
見事デビュー戦で表彰台獲得したDENSO LEXUS RC F GT3 31号車

次号のマンスリーレポートは10月27日頃の発行を予定しています。