今月のマンスリーレポートは、伝統のストリート戦でLEXUS RC F GT3が見事勝利を収めた米国WTSCシリーズと、いよいよ開幕した国内SUPER GT、そして今季より、LEXUS RC F GT3が参戦するタイ・スーパーシリーズの模様を新たにお伝えします。

WeatherTech SportsCar Championship第3戦 ロングビーチ
Acura Grand Prix of Long Beach
4月14日(金)と15日(土)の両日、米国カリフォルニア州ロングビーチの市街地特設コースで2023年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第3戦がスプリントレースとして行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。100分のスプリントレースとして戦われる今大会には、GTPプロクラスの14号車はレギュラードライバーのジャック・ホークスワースとベン・バーニコート、GTDクラスの12号車は、フランキー・モンテカルボとアーロン・テリッツというドライバーラインナップで臨みました。
開幕からデイトナ24時間、セブリング12時間と伝統の長距離耐久戦が続きましたが、第3戦はこちらも長い歴史を誇る、ストリートコースでのスプリント、ロングビーチ・グランプリです。デイトナで3位、セブリングで2位と開幕からの2戦連続で表彰台を獲得、昨年から数えると6戦連続で表彰台フィニッシュを続け、勢いに乗る14号車にとって、このロングビーチは昨年シーズン初表彰台の2位フィニッシュを果たしている験の良いコースでもあります。
14日(金)に行われた予選では、14号車がGTDプロクラスのポールポジション。12号車もGTDクラスの2番手と好位置につけ、決勝に臨みました。
15日(土)、ポールポジションからスタートしたホークスワースの14号車は、スタート直後の他車のアクシデントによる混乱をかわし、フルコースコーションからの再スタートも決めて、28周にわたり首位を守ってバーニコートへとドライバー交代。ピットクルーの完璧な作業でコースへと復帰した14号車は、後半の45周をバーニコートが快走し、1度も首位の座を譲ることなく、トップでチェッカー。今季初勝利を挙げました。開幕から3戦連続での表彰台獲得となった14号車のホークスワースとバーニコートは、同シリーズのGTDプロクラスランキングでも首位に立ちました。
一方、GTDクラス2番手からスタートを切った12号車も、レースを通してトップ3県内での争いを続け、3位でフィニッシュ。今季初の表彰台を獲得し、LEXUS RC F GT3はダブル表彰台という結果を達成しました。12号車も開幕2戦を共にトップ5で終えており、今大会の結果、12号車のモンテカルボとテリッツも、ランキング2位に浮上しました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 1位 | 1番手 | 14 | ジャック・ホークスワース ベン・バーニコート | バッサー・サリバン | 73 | |
GTD | 3位 | 2番手 | 12 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 73 | 17.138 |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第1戦岡山
OKAYAMA GT 300km RACE
SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月15日(土)、16日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
日本で最高の人気を誇るレースシリーズであるSUPER GTが今年も岡山で開幕。2023年シーズンも全8戦で激戦が繰り広げられます。
今季の同シリーズには、GT300クラスにLEXUS RC F GT3が2台参戦。2018年から参戦を続けるK-tunes RC F GT3 96号車に、今季は新たにANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車が加わります。96号車は昨年同様、新田守男/高木真一のSUPER GTを代表するベテランコンビ。対して50号車はイゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河の20台前半コンビという、対照的な2台が激戦のSUPER GTを戦います。
15日(土)は朝からあいにくの雨。予選開始の午後2時になっても雨は止まず、ノックアウト方式で行われる予選の各セッションは予定の10分間から15分間へと延長されて実施されることとなりました。
台数が多いGT300クラスのQ1は2クラスに分けて実施。96号車、50号車共にA組に出走しました。Q1のA組は、雨脚がどんどん強まっていき、残り5分強を残して赤旗が振られ、そのまま終了となりましたが、早めにアタックした高木の96号車が2番手。古谷の50号車も同様に4番手の好タイムをマークし、2台共にQ2進出を決めました。
豪雨による赤旗で短縮終了したQ1A組のあと、天候の回復を待ち、予定よりも遅れたスケジュールでB組とGT500クラスのQ1を経てQ2が実施。その頃には逆に、雨が止んで路面コンディションが徐々に改善していく難しい状況となりましたが、フラガの50号車は7番手を獲得。新田の96号車は14番手で決勝レースをスタートすることとなりました。
16日(日)はやや天候が回復し、薄曇りの下、ドライコンディションで午後1時半より決勝レースがスタートしましたが、フォーメーションラップ中に雨が降り始め、レースが進むごとに強さを増していきました。
7番手グリッドの50号車は古谷がスタートを担当。14番手スタートの96号車は新田が1周目に一気に10位へとジャンプアップする速さを見せました。
しかし、雨脚が一気に強まって路面はヘビーウェットとなり、各車レインタイヤへ交換するためにピットイン。さらに、アクシデントの発生によりフルコースイエロー(FCY)からセーフティカーも導入されました。
レースが再開されると一転雨が止み、路面は乾いていく方向に。ドライバー交代と同時にスリックタイヤへ交換するタイミングを睨んでの戦いとなり、順位が目まぐるしく入れ替わる展開となりました。
96号車はやや早めの31周目にピットインし高木へ交代。50号車はeモータースポーツの世界チャンピオンでもあるフラガへと37周目にドライバーチェンジ。ほとんどの車両がスリックタイヤへと交換していましたが、コース脇に停まった車両によりFCYが出され、これが解除されるとほぼ同時に、別の車両が接触しコースアウト。これで今大会2度目のセーフティカーが導入。このセーフティカー走行中にまた雨が降り始めて強さを増し、落雷も認められたためレースは赤旗中断。その後一旦は走行が再開されたものの、満足にレースを行えないまま、規定時間の午後4時半を迎え、レースは終了。
悪天候に翻弄されることとなった開幕戦で、デビュー戦の50号車は12位フィニッシュ。地元岡山で苦戦を戦い抜いた96号車は14位でチェッカーを受けました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
12位 | 7番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ 古谷 悠河 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 58 | 1 Lap |
14位 | 14番手 | 96 | 新田 守男 高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 58 | 1 Lap |


B-Quik Thailand Super Series第1戦、第2戦ブリーラム
4月20日(木)から23日(日)にかけて、タイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットでタイ・スーパーシリーズの第1大会(第1戦、第2戦)が行われました。タイ国内の2つのサーキットを舞台に行われてきた同シリーズは、今季、新たにマレーシアのセパン・サーキットとシンガポールでの招待戦を含め、全6イベントでの開催が予定されています。
スーパーカーだけでなく、コンパクトカーからタイで人気のピックアップトラックまで、様々な車両カテゴリーによるレースが行われている同シリーズに、今季はTOYOTA GAZOO Racing ThailandからLEXUS RC F GT3 19号車が、マナット・クラッパラノンと、国内SUPER GTの参戦経験も持つナタポン・ホートンカムのコンビで最高峰のタイ・スーパーカーGT3クラスに参戦します。
22日(土)の朝から予選が行われ、19号車は第1戦で最前列2番手、第2戦は6番手グリッドを獲得。
予選の後、多くの他カテゴリーのレースを経て、午後4時10分より、60分で戦われる第1戦の決勝レースがスタートしました。最前列2番手の19号車は、クラッパラノンが好スタートで首位を奪い、そのポジションを守ったまま、19周目にピットイン。しかし、ピット作戦でライバルの先行を許し、3位へと後退。後半はこの日、GT4レースに続き2レース目となったホートンカムが健闘を見せるも、4位でチェッカーを受けました。
23日(日)午後12時20分に第2戦がスタート。6番手からスタートを切ったホートンカムは、一気に5台をパスするジャンプアップを見せ、トップへと浮上しました。その後は徐々に順位を落として行く展開となる中、6位を走行していた12周目にコース上で突然ストップ。しかし、すぐに再始動に成功すると、走行を再開しました。幸運にも、このタイミングでセーフティカーが導入されたため、タイムロスは最小限で済んだ19号車は、レースが半分ほどを残したところで再スタートが切られると、先陣を切ってピットイン。その後続々とライバル勢もピットへと向かい、クラッパラノンの19号車は、ピットアウトしてきたライバル勢の中に割って入り、上位争いを展開。残り2周で2位に浮上すると、テール・トゥ・ノーズでのバトルを制して2位でチェッカー。総合2位ながら、GT3プロクラスでは優勝を果たしました。
第1戦 リザルト
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
4位 | 2番手 | 19 | マナット・クラッパラノン ナタポン・ホートンカム | TOYOTA Gazoo Racing Team Thailand | 37 | 25.278 |
第2戦 リザルト
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
2位 | 6番手 | 19 | マナット・クラッパラノン ナタポン・ホートンカム | TOYOTA Gazoo Racing Team Thailand | 36 | 17.353 |


次号のマンスリーレポートは5月30日頃の発行を予定しています。