LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.8LEXUS RC F GT3がスーパー耐久で悲願の初勝利
米国WTSCでは連続表彰台で初の年間タイトルに王手

2023.09.26(火)- 10:33配信

 9月に入り、モータースポーツは本格シーズン。シリーズ争いも激化しています。今月のマンスリーレポートはLEXUS RC F GT3がタイトルに王手をかけた米国WTSCシリーズ、2台揃っての入賞を果たした国内SUPER GT、そして念願の初勝利を飾ったスーパー耐久の模様をお伝えします。

LEXUS RC F GT3がスーパー耐久で悲願の初勝利米国WTSCでは連続表彰台で初の年間タイトルに王手

WeatherTech SportsCar Championship第10戦 インディアナポリス
TireRack.com Battle on the Bricks

 9月15日(金)から17日(日)にかけて、米国インディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで2023年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第10戦が2時間40分のスプリント戦として行われました。
 今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
 今季GTクラスは全11戦で争われており、残すところ2戦となりました。GTDプロクラスにレギュラードライバーとして出場しているジャック・ホークスワースとベン・バーニコートはこれまでの9戦で2勝を含む8表彰台を獲得する活躍を見せ、ドライバーズ、及びマニュファクチャラーズの両カテゴリーでランキング首位を維持しています。
 今大会が行われたインディアナポリス・モーター・スピードウェイは「インディ500」が行われる米国モータースポーツの聖地のひとつ。広大なオーバルコースの一部を使用し、その内側に設けられたロードコースでの同シリーズ戦は9年ぶりの開催であり、LEXUS RC F GT3にとっては初の「インディ」での戦いとなります。
 予選では、GTDプロクラスのホークスワース/バーニコート組14号車がクラス3番手。GTDクラスに参戦しているフランキー・モンテカルボ/アーロン・テリッツ組の12号車がクラス7番手グリッドを獲得しました。
 17日(日)に行われた決勝では、3番手からスタートしたホークスワースの14号車が、50分を過ぎたところで首位に立ち、その直後に出されたフルコースイエロー下でピットイン。タイトルを争うコルベット9号車が少なめの給油ピットとしたことで、ピットアウト時には先行を許しますが、フルコースイエローからの再スタート直後にホークスワースが逆転。後半を担当したバーニコートも着実な走りで3位フィニッシュを果たし、表彰台を獲得しました。14号車は今季9度目の表彰台フィニッシュで、ランキング争いでの2位との差を188ポイントまで拡大。この結果、最終戦となる次戦プチ・ル・マンで決勝レースのスタートを切った瞬間にLEXUS RC F GT3にとって初となる同シリーズの年間チャンピオン獲得が決定します。
 7番手からスタートした12号車は、スタートから1時間ほどが経過したところで同クラスのライバルと接触を喫し、車両修復のためにピットイン。チームの懸命な修復によりコースへ復帰した12号車は14位でフィニッシュしました。

リザルト

クラス順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
GTDプロ3位3番手14ジャック・ホークスワース
ベン・バーニコート
バッサー・サリバン10417.432
GTD14位7番手12フランキー・モンテカルボ
アーロン・テリッツ
バッサー・サリバン1031 Lap
バッサー・サリバン 14号車は今季9度目の表彰台フィニッシュ
バッサー・サリバン 12号車は14位でフィニッシュ

AUTOBACS SUPER GTシリーズ第6戦 SUGO
SUGO GT 300km RACE

 AUTOBACS SUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」が9月16日(土)、17日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
 同シリーズには2台のLEXUS RC F GT3が参戦中。今大会は300kmレースということもあり、ANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車はイゴール・オオムラ・フラガ/古谷 悠河の2名、K-tunes RC F GT3 96号車は新田 守男/高木 真一のベテランコンビで出場しました。
 全8戦で競われている今季のSUPER GTも残すところ3戦となりました。次の第7戦はサクセスウェイト半減、そして最終戦はサクセスウェイト無しとなるため、今大会が最も重いサクセスウェイトで戦うレースとなります。
 16日(土)は前夜までの雨で、午前中の公式練習はウェットで開始され、徐々に乾いていく状況で行われました。公式練習中に路面は乾き、その後も雨は降りませんでしたが、午後2時40分からの予選が開始される少し前に雨が降り始め、気温26度/路面温度28度、ウェット宣言の中で始められました。
 2グループに分けて実施されたGT300クラスのQ1 A組は各車ウェットタイヤを装着してコースイン。しかし、すぐに雨は止み、徐々に乾いていく難しいコンディションとなり、ほとんどの車両がセッション序盤に出したタイムがベストとなりました。
 LEXUS RC F GT3は2台共にA組に出走。新田の96号車が4番手でQ2へと進出する一方で、古谷の50号車は10番手でQ1敗退。
 路面が完全にドライとなったQ2では、高木がアタックを担当した96号車が、2番手に0.7秒近い差をつける圧倒的なトップタイムをマークし、ポールポジションを獲得。ベテラン高木はGT300クラスでの通算ポールポジション獲得回数を最多タイの14へと伸ばすこととなりました。
 17日(日)空は雲がかかり、気温28度、路面温度33度のコンディション。午後1時半、グランドを埋め尽くす多くのお客様が見守る中、宮城県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、84周、300kmで争われる決勝レースのスタートが切られました。
 序盤はポールポジションの96号車新田が首位をキープするも、2番手スタートの車両からの猛追を受けることとなり、20周目に96号車は2位へと後退。
 レースは中盤に入り、各車ドライバー交代のためにピットイン。
 アクシデントによる赤旗中断を挟んで再開されると、高木の96号車が好ペースで、一時は実質2位までポジションを上げましたが、その後はタイヤの摩耗に苦しみペースダウン。一方で20番手スタートからじりじりと順位を上げていたフラガの50号車は、セーフティカー中のピットオープン直後に2度目のピットインを行う作戦に出て、一旦は14位まで落ちるもその後順位を取り戻して行きました。
 今季からLEXUS RC F GT3で参戦を開始した50号車は7位までポジションを上げ、自己最高位フィニッシュ。苦しみながらも粘り強く走り抜いた96号車は8位に入り、LEXUS RC F GT3は2台揃ってポイント獲得を果たしました。

リザルト(GT300クラス)

順位グリッドNo.ドライバー車両名周回トップとの差
7位20番手50イゴール・オオムラ・フラガ/古谷 悠河ANEST IWATA Racing RC F GT3781 Lap
8位1番手96新田 守男/高木 真一K-tunes RC F GT3781 Laps
自己最高位の7位でフィニッシュしたANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車
ポールポジションを獲得したK-tunes RC F GT3 96号車

ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race

 9月2日(土)と3日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEの第5戦「第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race」が開催されました。
 今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。今大会31号車は、永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで5時間レースに挑みました。
 2日(土)に行われた予選では、AドライバーとBドライバーの2人のタイム合算でグリッドが決定。Aドライバーの永井、Bドライバーの小高共に好タイムをマークし、第3戦以来今季2度目となるポールポジションを獲得しました。
 3日(日)も暑さが残り、30度を超える酷暑の中で午前11時過ぎに5時間レースがスタート。スタートを担当した永井は、プロドライバーがドライブするライバルチームからの追撃を受けながらも序盤は首位をキープ。交代までには3位に後退するも、大きく差を広げられることなく義務づけられた走行時間を走り抜き、小高へとドライバーチェンジ。小高はすぐに2位へとポジションアップを果たしました。
 さらに、レース折り返しを過ぎたところで嵯峨へとドライバー交代し、首位へ浮上。その後は後続との差を広げていき、大きなマージンを持ったまま最後の小高へ交代しました。
 小高は充分なマージンの元、着実に周回を重ね、最後は50秒近い大差をつけてトップチェッカー。チームがLEXUS RC F GT3でスーパー耐久に参戦して4年目にして悲願の初勝利を飾りました。チームはこの勝利でドライバーズランキングも首位と15ポイント差の3位に浮上。残り2戦でタイトル争いに挑みます。

リザルト(ST-Xクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
1位1番手31永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀apr147
悲願の初勝利を飾ったapr 31号車
永井宏明、嵯峨宏紀、小高一斗

次号のマンスリーレポートは10月31日頃の発行を予定しています。