風薫る5月、世界中の名サーキットを舞台にLEXUS RC F GT3が活躍を見せています。今月のLEXUS CUSTEMER RACINGマンスリーレポートは、米国WeatherTech SportsCar ChampionshipシリーズとFIA世界耐久選手権(WEC)、国内では富士で行われたSUPER GTとスーパー耐久24時間レースの模様をお送りします。


WeatherTech SportsCar Championship第4戦 ラグナ・セカ
Motul Course de Monterey powered by Hyundai N
5月10日(金)から12日(日)にかけて、米国カリフォルニア州モントレーのウェザーテックレースウェイ・ラグナ・セカで2024年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第4戦が2時間40分のスプリント戦として行われました。スプリント戦は今季2戦目となります。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
今大会、GTDプロクラスの14号車をジャック・ホークスワースとベン・バーニコート、GTDクラスの12号車はフランキー・モンテカルボとパーカー・トンプソンのラインナップで挑みました。
11日(土)に行われた予選では、14号車がクラス4番手、12号車がクラス5番手グリッドを獲得しました。
12日(日)好天の下で行われた2時間40分の決勝レースでは、14号車は4番手からスタートしたホークスワースが最初の2スティントを担当し着実な走行を続け、残り1時間ほどでバーニコートへと交代。ピットを終えた時点で5位につけていたバーニコートは、残り10分ほどで前車をオーバーテイクし、4位でフィニッシュ。この結果、14号車はGTDプロクラスのドライバーズランキングで2位へと順位を上げました。
12号車はモンテカルボがスタートを担当し、5番手スタートから、序盤は4位から7位を走行。トンプソンへ交代後も上位争いを繰り広げ、中盤には一時2位までポジションアップ。しかし、ピット戦略とイエローコーションのタイミングが合わない不運もあり、周回遅れとなった後は上位復帰のチャンスは訪れず、9位でチェッカーを受けました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 4位 | 4番手 | 14 | ジャック・ホークスワース ベン・バーニコート | バッサー・サリバン | 111 | 35.252 |
GTD | 9位 | 5番手 | 12 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 109 | 2 Laps |


世界耐久選手権(WEC)第3戦 スパ・フランコルシャン
スパ・フランコルシャン6時間
FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦「スパ・フランコルシャン6時間」が5月9日(木)から11日(土)にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されました。
今シーズンから同シリーズには、アコーディスASPチームで2台のLEXUS RC F GT3がフル参戦しています。
87号車はホセ・マリア・ロペス、エステバン・マッソン、木村武史のレギュラー3名がドライブ。一方の78号車は、レギュラーのケルビン・ファン・デル・リンデが同一週末に開催されるフォーミュラEに出場するため、WECチャレンジプログラムでELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)とFIA-F2に参戦している宮田莉朋がエントリー。宮田は今年初めのWeatherTech SportsCar Championship開幕戦デイトナ24時間レースでLEXUS RC F GT3をドライブしているほか、2018年から19年にかけては日本のSUPER GTでもLEXUS RC F GT3で戦った経験を持っています。
また、もう一人のレギュラードライバーであるティムール・ボグスラヴスキーはレース直前に体調不良に見舞われたため、急遽クレメンス・シュミットへと交代し、アーノルド・ロビンとの3名体制で出場しました。
WECデビュー3戦目となるLEXUS RC F GT3は、9日(木)の練習走行2回目で78号車のシュミットがベストタイム。87号車のマッソンが5番手につけるなど速さを見せ、注目を浴びました。
10日(金)に行われた予選では、ロビンが10番手タイムをマークし、LEXUS RC F GT3が初めてハイパーポールへの進出を果たしました。木村の87号車は17番手につけました(予選後1台タイム抹消のためグリッドは16番手)。
ハイパーポールでは、セッション開始から4分ほどを過ぎたところで大きなクラッシュが発生し、赤旗中断に。20分ほどの中断のあとにセッションは再開されましたが、78号車はここでトラブルに見舞われ再スタートならず。決勝レースは9番手グリッドからスタートすることとなりました。
11日(土)午後1時より6時間レースのスタートが切られました。変わりやすい「スパ・ウェザー」で知られる同サーキットですが、今年は好天の下で最後までレースが戦われました。
規定によりブロンズドライバーが予選に続きスタートも担当。78号車のロビンは9番手から2つポジションアップ。一方木村の87号車はスタート直後の混乱の中で他車と接触を喫し、車両前部にダメージを負うこととなってしまいました。
レース前半は2度のセーフティカーが導入されるなど、各チームのピット戦略が重要な展開となりました。ロビンから交代したシュミットの78号車は、トラックリミット違反で5秒のピットストップペナルティを受けることになりながらも、トップ10圏を争う位置でのバトルを続けました。
レースが残り2時間となったところで78号車は宮田へ。12番手からの追い上げを目指すことになりました。レースは残り1時間40分ほどの時点で大きなアクシデントが発生し、赤旗中断。長時間にわたって損傷したガードレールの修復を行い、2時間近く経た後に、レースは残り1時間44分で再開されました。
78号車の宮田と、87号車のマッソンが最後まで激しいバトルを展開し、78号車は10位、87号車は14位でチェッカー。LEXUS RC F GT3はWECデビュー3戦目にして初の入賞、ポイント獲得を果たしました。
リザルト(LMGT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
10位 | 9番手 | 78 | 宮田莉朋 クレメンス・シュミット アーノルド・ロビン | アコーディスASPチーム | 129 | 1 Laps |
14位 | 16番手 | 87 | ホセ・マリア・ロペス エステバン・マッソン 木村武史 | アコーディスASPチーム | 128 | 2 Laps |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第2戦 富士
FUJI GT 3Hours RACE
AUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 3Hours RACE」が5月3日(金)、4日(土)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。国内最高の人気を誇る同シリーズには、今季2台のLEXUS RC F GT3がシリーズ参戦しています。
今大会はSUPER GT史上初となる3時間レースとして開催。ゴールデンウィーク中に首都圏から近い富士で行われる第2戦は、毎年非常に多くのお客様で盛り上がります。今大会は2日とも好天に恵まれ、2日間で合計8万8400人ものモータースポーツファンの皆様が富士スピードウェイを訪れました。
3日(金)午前中の練習走行に続き、午後2時25分より予選が行われました。気持ちよく晴れ渡った空の下、気温は23度、路面温度は38度とこの時期としては暑さも感じるほどのコンディションで、上位グリッドを目指し熱い戦いが繰り広げられました。
今季より予選はQ1、Q2で別のドライバーがアタックし、2セッションの合算タイムでグリッドが決定されます。
GT300クラスは台数が多いため、2グループに分けてQ1,Q2を実施。合算タイムで、新田守男/高木真一組 K-tunes RC F GT3 96号車が7番手、イゴール・オオムラ・フラガ/古谷 悠河組 ANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車はグリップ確保に苦しみ、20番手グリッドとなりました。
4日(土)も快晴。強い日差しに照らされ、予選日よりもさらに路面温度は上昇。気温23度、路面温度41度というコンディションで、5万人を超える大観衆が見守る中、午後1時半、静岡県警の白バイとパトカーの先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、決勝レースのスタートが切られました。
7番手グリッドの96号車高木はスタートで6位へ上げるも、その後はペースが上がらずじりじりと順位を落とすことに。
一方50号車はフラガがスタートを担当し、20番手スタートから3周目には16位までポジションアップ。しかし、6周目にバトルの中で接触を喫し、ポジションダウン。加えてこの接触でペナルティを科され、24位まで大きく順位を落とすこととなってしまいました。
96号車は25周でピットインし、新田へと交代。予定よりも早めのピットインで、23位までポジションを落とすも、他の車両もピットインしていく中でじりじりとポジションを取り戻して行きました。
50号車は28周目にピットインし、左側2本のみタイヤを交換してフラガが走行を続行。
96号車は43周目に13位までポジションを上げましたが、翌周、左リアタイヤのバーストに見舞われ緊急ピットイン。事実上の最後尾へと順位を落とすこととなってしまいました。
50号車はじりじりと順位を上げていき、68周で2度目のピットイン。ここで4本タイヤを交換すると共に、ドライバーは古谷へ。古谷は新しいタイヤの優位性を活かしてライバルを交わしていき、14位でフィニッシュしました。
96号車は残り45分ほどでピットへ向かい、高木へと交代。こちらも新品タイヤで終盤見事なオーバーテイクを見せ、17位でチェッカーを受けました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
14位 | 20番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ/ 古谷 悠河 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 106 | 2 Laps |
17位 | 7番手 | 96 | 新田 守男/高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 105 | 3 Laps |


ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第2戦 富士
NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース
5月24日(金)から26日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE の第2戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が開催されました。同大会は現在国内で唯一の24時間レースであり、年々その人気は高まっており、今年は8クラス59台がエントリー。過去最高の5万4700人もの観客の皆様が熱い戦いを見守りました。
今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。
今大会は24時間レースということも有り、31号車は永井 宏明/小高 一斗/小山 美姫/嵯峨 宏紀/永井 秀貴/中山 雄一というドライバーラインナップで臨みました。
24日(金)に予選が行われ、今大会はAドライバーとBドライバーのタイム合算でグリッドが決定されます。31号車は永井と小高のタイムにより5番手グリッドとなりました。
25日(土)午後3時に、曇り空の下で24時間の長い戦いのスタートが切られました。31号車は序盤からポジションを上げていき、一時は首位を走行。その後もトップ3争いを繰り広げました。
ナイトセッションに入ると雨に見舞われるなど、難しいコンディションでの走行が続きましたが、31号車はミス無く着実に周回。最後までノーミス、ノートラブルでの走行を達成し、長い24時間レースを見事3位で完走。前戦に引き続き2戦連続での表彰台を獲得しました。
リザルト(ST-Xクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
3位 | 5番手 | 31 | 永井 宏明/小高 一斗/小山 美姫/ 嵯峨 宏紀/永井 秀貴/中山 雄一 | apr | 770 | 3 Laps |


次号のマンスリーレポートは7月2日頃の発行を予定しています。