ピレリスーパー耐久シリーズ2018 第3戦
富士SUPER TEC 24時間レース
ENTRANT
No. 244 Max Racing
50年ぶりに還ってきた
富士スピードウェイでの24時間レース
スーパー耐久(通称「S耐」)は、GT3規格の車両を含む市販車を改造したツーリングカーによって競われる、国内耐久レースシリーズだ。1991の初開催から28年、プロ・アマがともに参戦し、いまやアジア屈指の参加型耐久レースシリーズとして知られている。通常は一戦あたり3時間レース2本、あるいは5時間レース1本で競うのだが、2018年の第3戦は、シリーズでも抜きん出て長距離となる「富士SUPER TEC 24時間」として開催されることになった。24時間レースは日本国内では10年ぶり、富士スピードウェイでは実に50年ぶりの開催である。総数52台に及ぶ参戦車両は、改造範囲や排気量、駆動方式などにより8つのクラスに区分されるが、LEXUS RC F GT3を駆るMax Racing(ドライバー:GoMax/田中哲也/佐藤公哉/土屋武士)は、最上級クラスの「ST-X」にエントリーした。
24時間走破を確信させる、
確かな戦略と優れた性能
快晴に恵まれた土曜、午後3時。決勝レースのシグナルがグリーンに変わる。3番グリッドからスタートしたMax RacingのLEXUS RC F GT3は序盤、逸る気持ちを抑えて着実な走りに徹した。耐久レースの勝負は一時的な速さでは決まらない。24時間を安定したペースで速く走る、という頭脳戦。クルマとドライバー、そしてチーム全員が持てる力を24時間発揮しつづけながら、たすきを繋ぐようにスティントを重ねていくのが理想的な戦い方だ。3時間、4時間とレースが経過するにつれて、コース上ではマシン同士の接触やアクシデントが散発し始める。トラブルを抱えるチームも増えてきた。しかし、持ち前の耐久性と操縦性を発揮して、大きなトラブルもコントロールミスもなく周回を重ねてゆくLEXUS RC F GT3は、富士山のシルエットが闇に紛れる宵の口でも、スタート時と変わらないペースで悠然と走り続けた。
深夜のピット作業も確実にこなし、
上位入賞を獲得
深夜、サーキットは昼間以上の緊張感を帯びる。コースは闇に包まれ、クルマにも、ドライバーやピットクルーにも、蓄積した疲労が表出しはじめる。それでも戦いの手はゆるまないのだ。そんな厳しい条件の中で繰り返されるピット作業。耐久レースにおいてピット作業は勝敗の行方を大きく左右する要因だが、LEXUS RC F GT3の優れたメンテナンス性がここでいかんなく発揮され、ピットワークはスムーズに進行した。夜が明けると、上位を走っていた車両にも次々とトラブルが襲いかかり、ポジションダウン、あるいはリタイアが続出。そんななかでもLEXUS RC F GT3は乱れることなく走り続けた。スタートから24時間が経過した759周目にチェッカーが振られ、Max RacingのLEXUS RC F GT3は4位でゴール(744周、3,394.872km)。惜しくも表彰台は逃したが、24時間を無事完走し、LEXUS RC F GT3の耐久性が大いに発揮されたレースだった。