進化したGRカローラを世界初披露
TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、米国カリフォルニア州にて、
現地時間8月1日、モータースポーツ参戦からの学びを生かして進化したGRカローラを世界初披露しました。
北米以外の地域への導入は検討中です。
カローラは、トヨタのWRC初優勝※1を飾った「TE25カローラ」や、
その後1000湖ラリー※2を制した「TE27カローラ・レビン」など、モータースポーツ参戦を通じて鍛え、その走りを進化させてきたモデルです。
一方で、世界中のお客様の多様な使い方、時代とともに変化するご要望にお応えする中で、
セダンやワゴン、ハッチバック、クーペやSUVと様々な形へ進化し続けることで、多くのお客様にご愛顧いただいてきました。
GRカローラは、「カローラのスポーツカーとしてのDNAを呼び覚まし、
お客様を虜にするカローラを取り戻したい」とのモリゾウこと会長の豊田の強い想いのもと、生み出されたモデルです。
2022年の初代GRカローラ発表後も、モータースポーツ参戦を継続し、昨年にはその学びを生かした改良モデルをお届けしています。
今回の進化型GRカローラでは、スーパー耐久シリーズなどのモータースポーツに参戦する中で得た学びを生かし、
高速コーナーでの旋回性能、加速性能や冷却性能などを改良したほか、
進化型GRヤリスにも採用した新開発8速ATのGAZOO Racing Direct Automatic Transmission(以下、GR-DAT)を追加設定。
石浦宏明選手らプロドライバー、社内の評価ドライバー、そしてマスタ―ドライバーのモリゾウからのフィードバックをもとに、
限界領域および日常使いにおいてもずっと乗っていたくなる野性味を追求しました。
今後もGRカローラを用いたモータースポーツ参戦を通じて意のままの走り、ドライバーを魅了する野性味を追求していきます。
主な改良内容
1. 更なる野性味の追求
【旋回性能の進化】
前後ショックアブソーバーにリバウンド側で作動するスプリングを内蔵し、旋回時の車両姿勢と内輪の接地荷重特性を改善することで旋回中の車両安定性を向上しました。
リヤアクスルの回転中心であるトレーリングアーム取付点を上げることで加速時のリヤの沈み込みを低減。
アクセル操作に対する車両姿勢変化を抑えることで、駆動力の応答性を向上させるとともに安定した姿勢でのコーナーリングを実現します。
リヤのコイルスプリングとスタビライザーのばね特性を見直し、それぞれのロール剛性の分担率を最適化することで、旋回時のリヤタイヤの接地性を向上させ、車両コントロール性を高めました。
【加速性能の進化】
スポーツ走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速に重要な中速域でのエンジントルクを現行型に対して30N・m増加させ、最大トルクを400N・mまで高めました。
進化型GRヤリスにも採用した、世界トップレベルの変速スピードを目指した新開発8速ATのGR-DATを搭載。
従来は減速度や車両速度などの車両状態に基づき変速させていたところを、よりドライバーの意図を反映するために、ブレーキの踏み込み方・抜き方、アクセル操作まで細かくモニタリングすることで、運転状況を先読みし、プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギヤ選択を実現。
シフト操作に気を取られず、ステアリング、アクセル、ブレーキの運転操作に集中できることにより、スポーツ走行の楽しさが広がります。
【冷却性能と空力性能の進化】
GR-DAT搭載車にはエンジン始動時の暖気促進も兼ねる水冷式ATFウォーマー&クーラーに加え、空冷式ATFクーラーを標準装備。またスポーツ走行を考慮して、エンジン冷却を強化するためにサブラジエーターを設定※3しています。
空冷式ATFクーラー前のロアグリルに冷却用の開口を設定。フロントバンパー側面のサイドダクトに空気の排出用の開口を設けることで冷却用の空気をスムーズに排出できる構造を採用しました。
より安定した制動力を確保するブレーキダクトを採用。フロントブレーキローターに直接風を導いて冷却効果を向上することで、ブレーキ温度の上昇を抑制します。
バンパーコーナー部へ安定的に小さな乱気流を発生させる小さな段差を設定し、バンパーコーナー部からの空気の剥離を抑制。冷却性能強化のため必要な各機構を追加しつつ、操縦安定性を確保しました。
空気をスムーズに排出するサイドダクトを設定。
ATFクーラーから排出された空気がサイドの空気の流れを乱すことなく後方へ流れるよう計算された突起形状を採用しました。
【減速性能の進化】
限界領域でも安全安心で懐の深いクルマに近づけるためABSを改良。
上下Gセンサーにより、ABS作動輪の接地荷重をモニタリングすることでABS作動時の安定した制動力を実現しました。
【クルマとの一体感の進化】
ステアリングコラムとインストルメントパネルリインフォースメントの締結部に締結剛性の高い溝付ワッシャーボルトを採用。直進安定性とステアリング操作に対するダイレクト感を向上させました。
シャシー部品の締結ボルトの一部に締結剛性の高い特別なボルトを採用。
ロアアームとロアボールジョイントの締結部はステアリング操作に対する応答性を、リヤショックアブソーバーとボディの締結部はステアリング操作に対するリヤのグリップ感を向上させました。
クラッチシステムのトータルレバー比やクラッチカバー、ターンオーバースプリングの荷重特性を最適化することで、クラッチペダルの操作性を向上。
ピーク踏力を高めに設定し、踏みごたえのあるペダル操作フィーリングとしたほか、ピーク踏力以降は、ペダルストロークでの踏力を減少させることでペダルの踏み切り感を向上させています。
さらにスポーティーな操作感となるようにクラッチ特性を最適化し、戻し側の荷重増加による足への追従性、半クラッチストロークの短縮による操作性を向上しました。
進化型GRカローラ Premium Plus(米国仕様)主要諸元
全長 mm | 4,410 | |
---|---|---|
全幅 mm | 1,850 | |
全高 mm | 1,480 | |
ホイールベース mm | 2,640 | |
トレッド(フロント・リヤ) mm | 1,590/1,620 | |
乗車定員 | 5 | |
車両重量 kg | 1,500(GR-DAT搭載モデルは1,520) | |
エンジン | 直列3気筒インタークーラーターボ | |
型式 | G16E-GTS | |
内径×行程 mm | 87.5 X 89.7 | |
総排気量 L | 1.618 | |
最高出力kW(PS)/rpm | 224(304)/6,500 | |
最大トルクNm(kgf-m)/rpm | 400(40.8)/3,250~4,600 | |
トランスミッション | iMT(6速マニュアルトランスミッション) or GR-DAT(8速オートマチックトランスミッション) | |
駆動方式 | スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式) | |
差動装置 | フロント | トルセン®LSD※5 |
リヤ | トルセン®LSD※5 | |
サスペンション | フロント | マクファーソンストラット式 |
リヤ | ダブルウィッシュボーン式 | |
ブレーキ | フロント | ベンチレーテッドディスク(18インチアルミ対向4ポットキャリパー) |
リヤ | ベンチレーテッドディスク(16インチアルミ対向2ポットキャリパー) | |
ホイール | 18インチ マットブラック 15スポークキャストアルミホイール | |
タイヤ(フロント・リヤ) | 235/40R18 ミシュラン Pilot Sport 4 | |
燃料タンク容量 L | 50 |
- ※1 1973年に米国で開催されたプレス・オン・リガードレス・ラリーにて初優勝
- ※2 現ラリーフィンランド。1975年に初優勝
- ※3 米国仕様は[Core/Premium/ Premium Plus]の3グレード設定。Premium Plusに標準装備、Core ・Premiumにメーカーオプション
- ※4 画像はプロトタイプのため、最終仕様と異なる可能性があります
- ※5 トルセン®は株式会社ジェイテクトの登録商標
このリリースは以下のURLからもご覧いただけます
URL:https://toyotagazooracing.com/jp/pressrelease/
GRカローラWEBサイトはこちら
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