2022 Rd.3 久万高原ラリー

全日本ラリー選手権 第3戦 久万高原ラリー

    全日本ラリー 2022年 第3戦 久万高原ラリー

    様々な要素が複雑に絡み合うターマックラリー
    最終日は20km超のスペシャルステージを使用

    4月29日(木)〜5月1日(日)にかけて、愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点として全日本ラリー選手権第3戦「久万高原ラリー」が開催される。2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期され、最終戦として行われたターマック(舗装路)ラリーだ。勝田範彦選手/木村裕介選手がGRヤリスでチャンピオンを決めたラリーでもあり、開催時期こそ昨年とは異なるものの、チームはその時に得られたデータなどをフル活用して挑む。
    2022年大会も、前年同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響に鑑み、無観客での開催がアナウンスされている。コースは昨年のものを踏襲し、標高1000m前後の山岳地帯に設定された林道が舞台となる。スペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)は初日に6SS、2日目に2SSの計8SS。大会の総走行距離は110.10kmとされ、ポイント係数は1.2。初日は2SSを3回、最終日は23.28kmという全日本ラリー選手権でも屈指のロングコースを2度走行する構成だ。
    チームは2台の「GR YARIS GR4 Rally」でエントリー。クルーを務めるのは勝田選手/木村選手、眞貝知志選手/安藤裕一選手の4名だ。勝田選手/木村選手は昨年のこの大会で勝利を挙げているほか、眞貝選手/安藤選手も前戦のツール・ド・九州2022 in 唐津では5位入賞を果たしており、今大会での活躍に期待がかかる。

    昨年に続き無観客でのラリー開催
    主催者は感染拡大防止策を実施

    主催者は新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として、無観客での開催を決定しているほか、関係者全員に来場2週間前からの体温を記録した問診票を提出と、万が一の場合に追跡できるよう連絡先を登録することを定めている。
    なお、開催自治体である久万高原町からの要請があった場合には、ワクチン接種証明、PCR検査または抗原検査の陰性証明等の提出を求めることを告知している。

    GR YARIS GR4 Rallyの進化を確認できる機会
    勝田選手は性能調整として最低重量に合計20kgを加算

    チームにとって、季節や天候は異なるがまったく同じステージ構成で行われる今大会は、GR YARIS GR4 Rallyの進化を前年度と直接比較して確認できる貴重な機会と言える。ただし、2022年大会では使用可能なタイヤ本数が最大10本(昨年は6本に2本が追加された8本)とされているため、戦略の幅は昨年よりも広くなる。そうした面からも、シーズンの今後につながる有用なデータを取ることができるはずだ。
    ここまで2戦で3位を獲得している勝田選手は、「前戦の唐津ではタイヤ選択を失敗してしまったため、今度こそはタイヤマネージメントをしっかりします。距離が長く、タイヤの摩耗も激しいので、2日目が勝負になると考えています。クルマのセットアップは良い感触なのですが、よりフロントタイヤに負担を掛けないようなセットアップの方が、長いSSで効果を発揮するのではないかなと思っています。

    昨年2021シーズンは延期日程で10月最終戦の開催となり、勝田/木村組がJN1クラス優勝を決めた久万高原ラリー。本年2022シーズンは本来の開催時期に戻り、名実ともに初夏の高原ラリーとして開催される。
    昨年2021シーズンは延期日程で10月最終戦の開催となり、勝田/木村組がJN1クラス優勝を決めた久万高原ラリー。本年2022シーズンは本来の開催時期に戻り、名実ともに初夏の高原ラリーとして開催される。

    車内カメラの映像を活用して、様々な可能性を探っていきたいですね」と、ラリーへの展望を語っている。2022年から導入された規定によって、JN1クラスの車両はウェイトによる性能調整が図られるため、勝田選手は規定最低重量に20kgを加算しなければならない。“+10kg”で臨んだ第2戦から、さらに10kgが加算されることで走行にどういった影響があるのかは、今後の実戦を通じて様々な角度で検証していく必要があるだろう。
    一方の眞貝選手は、「昨年の久万高原ではドライバーに原因があってペースを上げることができませんでした。クルマのセッティングは決まってきているので、今年もポイントになるのはドライビングかと思っています。勝田選手のデータをお手本に、自分に足りていない部分についてアドバイスをいただいていますので、私自身もしっかり進化していきたいと思います」と、意気込みを語っている。

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    勝田範彦選手と挑んだGR YARIS の雪上ドライブムービー公開中!!

    大会基本情報

    開催地:
    愛媛県上浮穴郡久万高原町
    日程:
    4月29日(金) ~ 5月1日(日)
    サービスパーク:
    ハイランドパークみかわ(愛媛県上浮穴郡久万高原町日野浦4384番地)
    路面:
    舗装路(ターマック)
    SS:
    8(SSトータル距離:110.10km)
    総走行距離:
    341.60km

    ※最新情報は 大会公式サイト をご覧ください。

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    ※2022年4月22日時点の情報です。最新情報は当日HQでご覧ください。

    「ドライバーファースト」の考え方に基づき
    ラリーフィールドでクルマと人を鍛える

    チームが全日本ラリー選手権に参戦する目的は、単にラリーで勝てるクルマを作り上げるだけではない。ドライバーからのリクエストに臨機応変に対処する「ドライバーファースト」の考え方を実践し、クルマと人を鍛えるという目的もある。ラリーのサービス作業では、限られた時間の中でリクエストに応じた足まわりやブレーキなどの仕様変更・パーツ交換を行い、破損箇所の修復や不具合の原因究明など、大きな重圧のなかで冷静な対処が求められる。これらの経験をもとに得た気づきや学びが、将来の市販車開発へと活かされることが期待される。
    前戦のツール・ド・九州2022 in 唐津では、アンダーステアに悩まされた勝田選手/木村選手からのリクエストで、最終日の朝と昼のサービスを使って前後スプリングの交換など、クルマに仕様変更を施した。特にラリー終盤、最終セクションを残した段階でのリヤデファレンシャル交換などは、制限時間内に終わらないリスクを回避するため、トラブルでもない限りは実施を見送ることも多い。それでも、チームは交換を決断。作業に携わるメカニックたちは空き時間を利用し、デモカーを使って作業の確認を行うなど入念な準備をして本番に臨み、制限時間内に選手を送り出すことに成功した。こうした予定外の作業への対応や、そこから得た知見を糧として、チームは今後も「人を鍛え、クルマを鍛える」ための取り組みを推進していく。

    全日本ラリー 2022年 第3戦 久万高原ラリー
    ○サービスパーク
    ハイランドパークみかわ
    (愛媛県上浮穴郡久万高原町日野浦4384番地)

    2021 PHOTO GALLERY

    全日本ラリー選手権 2021 第4戦 久万高原ラリー 2021年10月29日(金)〜31日(日)
    全日本ラリー選手権 2021
    第4戦 久万高原ラリー
    2021年10月29日(金)〜31日(日)