スーパーフォーミュラとは

スーパーフォーミュラとは

アジア圏の最高峰に位置する
スーパーフォーミュラ

 全日本スーパーフォーミュラ選手権(以下、スーパーフォーミュラ)は、日本のみならずアジア圏での最高峰に位置するフォーミュラカーによるレースのシリーズ(選手権)です。
 フォーミュラカーとはレース専用の1人乗り車両で、外観の特徴としてはコックピット(運転席)とタイヤが覆われていません。そして、1人のドライバーが速く走るためだけに、細かく調整することが可能です。自動車レースを統括する国際自動車連盟(FIA)は、1950年代に「ドライバーズチャンピオンシップは純然たるレーシングカーであるフォーミュラカーによって競われる」と定義したことがあるほど、ドライバーの技量を問う競技車両です。

 フォーミュラカーによるシリーズでは、格付けの頂点にフォーミュラワン世界選手権(通称F1)があります。この次にアメリカを中心に行われるインディカーシリーズ、ヨーロッパ・中東中心のFIA F2選手権、そしてアジア圏を代表するスーパーフォーミュラが位置しています。その中、スーパーフォーミュラは欧州からも若いドライバーが参戦を希望するほど競技レベルが高く、アジアのみならず世界からも注目されています。

 スーパーフォーミュラでは、全チームが「SF19」というシャシー(車体)を使用し、タイヤは横浜ゴムのワンメイク(同一品を供給)になります。エンジンは2,000cc直列4気筒の直噴ターボで、トヨタ自動車/TRD製のエンジン「TOYOTA/TRD 01F」、もしくは本田技研工業/M-TEC製の「HONDA/M-TEC HR-417E」の2種から選んで使用します。どちらのエンジンもほぼ同等の出力(約550馬力)のため、車両自体の能力に大きな差がなく、ドライバーの実力とチームの戦略・技術力が勝敗に繋がるレースとなっています。

※ TRD(TOYOTA Racing Development)は、株式会社トヨタ・カスタマイジング&ディベロップメント内でモータースポーツ事業を担う部門でありブランド名。TOYOTA GAZOO Racingなどのレース車両やエンジン、モータースポーツ部品の開発と製造を行う。

2020年開催スケジュール

 2020年のスーパーフォーミュラは、新型コロナウイルス感染予防の観点から年初予定から日程が大きく変更されました。しかし、全7戦を国内6個所のサーキットを行うことは変わりありません(9/1現在)。
各戦の結果で選手権ポイントが与えられ、全7戦の内、1大会のポイント上位5戦の合計が最も多いドライバーおよびチームが年間チャンピオンとなります。

  • 日本 茂木町(栃木県)

    第1戦 
    ツインリンクもてぎ

  • 日本 美作市(岡山県)

    第2戦 
    岡山国際サーキット

  • 日本 村田町(宮城県)

    第3戦 
    スポーツランドSUGO

  • 日本 日田市(大分県)

    第4戦 
    オートポリス

  • 日本 鈴鹿市(三重県)

    第5戦 
    鈴鹿サーキット

  • 日本 鈴鹿市(三重県)

    第6戦 
    鈴鹿サーキット

  • 日本 小山町(静岡県)

    第7戦 
    富士スピードウェイ

日本トップフォーミュラとして
45年以上の歴史を紡ぐ


 ドライバーズレースとして、アジア圏の頂点に位置するスーパーフォーミュラ。そのルーツは、1973年から始まる日本最高峰のフォーミュラレースシリーズにあります。日本モータースポーツ黎明期の1960年代は、市販乗用車やその改造車・試作車によるレースがほとんど。その中、1964年の第2回日本グランプリで初めてフォーミュラカーによる公式レースが開催されます。この時は外国からの招待選手が大半でしたが、翌年の第3回日本グランプリでは日本人選手が中心となりました。

 そして、1973年5月に全日本F2000選手権(全4戦)が富士スピードウェイで開幕。ここから国内トップフォーミュラの歴史が始まります。以後は車両規定やシリーズ名称の変更に伴い、全日本F2選手権、全日本F3000選手権、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンと変遷。2013年にアジア最高峰のシリーズを明確にする意味を込め「全日本選手権スーパーフォーミュラ」となりました。

 トヨタは、フォーミュラ・ニッポンがワンメイクシャシーの「FN06」を導入した2006年にV型8気筒3000ccのエンジン「RV8J」を供給。その年にドライバーズチャンピオンであるブノワ・トレルイエ選手らの走りを支えました。以来、そのときどきの要求に適合したエンジンを供給し、2019年までに通算11回のドライバータイトルを獲得してきました。

2020年シーズンは
昨年王者のキャシディ選手らがタイトルを競う

 スーパーフォーミュラでは、2019年より新型シャシー「SF19」が導入されました。先代シャシーから継承した"クィック&ライト(素早く&軽量)"というコンセプトを、さらに高めたSF19はよりドライバーの力量が発揮できるレースを展開しました。

 SF19導入に併せてTOYOTA GAZOO Racingは"クィック&ライト"に最適化した直列4気筒2000ccの直噴ターボエンジン「TOYOTA/TRD 01F」をTRDより供給。そして、このエンジンを使うニック・キャシディ選手が昨年のドライバーズチャンピオンを獲得しました。2020年シーズンもTRDがエンジン開発とレースメンテナンスを担当していきます。

 そして迎える2020年シーズンは新たに5選手と2チームが新規参戦し、全11チームの20名(シリーズ参戦予定)が各戦の勝利とシリーズタイトルを競います。
 TOYOTA GAZOO Racingからは、6チーム11名が参戦。前年チャンピオンであるニック・キャシディ選手と世界耐久選手権(WEC)でタイトルを獲得した中嶋一貴選手の所属するVANTELIN TEAM TOM'S。2度のチャンピオン獲得を誇る石浦宏明選手と期待の新鋭である坪井翔選手のJMS P.MU/CERUMO・INGING。昨年初優勝を飾って勢いのある山下健太選手と有望ルーキーのサッシャ・フェネストラズという若手2人を擁するKONDO RACING。carrozzeria Team KCMGはF1でも活躍した小林可夢偉選手に、今季は新たに国本雄資選手が加わって2台体制となります。そして毎年タイトル争いに絡む関口雄飛選手と、昨年待望の初優勝を挙げ飛躍が期待される平川亮選手のITOCHU ENEX TEAM IMPUL。そして、今季から初参戦するROOKIE Racingからは大嶋和也選手が参戦します。

 TOYOTA GAZOO Racingは供給するエンジン「TOYOTA/TRD 01F」を通じて11名のドライバーを支援し、今シーズンのタイトルを目指します。毎戦、ライバルよりコンマ1秒でも速く走る努力を怠らない彼らへ、大きなご声援をよろしくお願いします。