
国本雄資が今季2度目の2位でランキング首位に浮上
ナレイン・カーティケヤンが3位で今季初表彰台
オートポリスの代替戦として岡山で行われたスーパーフォーミュラ第5戦は2レース制で実施。レース1ではポールポジションの中嶋一貴がスタート時にグリッドポジションを間違え後退したが、2番手グリッドの国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が今季2度目の2位表彰台を獲得し、ランキング首位に浮上。6番手グリッドからスタートを決めたナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)が3位で今季初の表彰台を獲得した。
10日(土)は朝から好天に恵まれ、午前9時からの1時間のフリー走行を経て、午前11時からレース1グリッドを決定する1セッション20分間の予選が開始された。
スターティンググリッドが特に重要なスプリントレースへ向け、セッション開始5分前からほとんどの車両がピットレーンに並んで待ち、定刻にコースイン。
午後2時10分、20分間のQ1が開始。セッションスタート前から多くの車両がピットロードに並んで待機し、全車ミディアムタイヤでコースイン。気温33度、路面温度38度、日差しの下でまずは関口がトップタイムをマークした。
セッション前半のアタックを終えると、ピットへ戻ってタイヤを交換。ほとんどの車両が今大会新たに採用されたソフトタイヤを装着し、残り7分を切ったあたりからコースイン。しかし、ここで関口とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の2台のみが新品のミディアムタイヤで後半アタックに入った。
フリー走行で2番手タイムと好調ぶりを見せていた小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)が開始6分ほどで痛恨のスピン。コース脇に車両を停め、セッションは赤旗中断。小林はここで予選を終え、最後尾スタートが決定してしまった。
9分ほどの中断で車両を回収し、14分弱を残してセッションは再開。タイミング的に2回アタック出来る残り時間だったため、ここでのタイヤ選択やコースに出るタイミングが明暗を分けた。
残り7分ほどから各車最後のアタックを開始。セッション終盤に目まぐるしく順位が入れ替わっていった。その中でトップタイムをマークしたのは中嶋一貴。今季初、約2年ぶりとなるポールポジションを獲得した。
フリー走行でトップタイムをマークしていた国本は中嶋一貴のタイムを上回るべくアタックを続けたが惜しくも届かず。それでも開幕以来今季2度目の2番手グリッドを獲得。トヨタエンジンがグリッド最前列を占めた。
この予選もポールポジションの中嶋一貴から、アタック出来なかった小林を除く18台が1秒位内に入る僅差の争いとなり、タイヤ選択やアタックタイミングでタイムを伸ばせなかったランキング上位勢がまさかの下位グリッドに。カーティケヤンが6番手、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)と石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は7,8番手につけたが、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は11番手、前戦初勝利を挙げ、ランキング首位の関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が13番手。ランキング2位のアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)はまさかの17番手で後方からの追い上げを強いられることとなった。
予選の後、まだまだ暑さの残る中、午後3時30分にフォーメーションラップ開始。1周して全車スターティンググリッドに着いたが、この時、ポールポジションの中嶋一貴がグリッドの位置を間違えてしまうというまさかのミス。これによりスタートは順延されることとなり、その原因を作ったとして中嶋一貴は最後尾スタートを余儀なくされてしまった。
午後3時54分、再度フォーメーションラップが開始され、気温32度、路面温度42度という残暑の中、決勝レースのスタートが切られた。
中嶋一貴の脱落により最上位スタートとなった国本だったが、若干出遅れ、ライバルの先行を許すことに。その後方では、予選6番手のカーティケヤンが好スタートで2つポジションを上げ、国本に続く3位へと浮上した。
2位の国本は序盤、首位と変わらないペースで追走したが、その後はじりじりと離されていき、中盤にはトップ3はそれぞれ離れた単独走に。
そのまま周回が重ねられていき、国本は2位でフィニッシュ。開幕戦に続く今季2度目の2位表彰台を獲得し、ドライバーズランキングで首位に躍り出た。3位にはカーティケヤンが入り、今季初の表彰台を獲得した。
石浦が7位、11番手スタートのオリベイラがスタートで一気にジャンプアップし8位でフィニッシュ。僅差のタイトル争いの中で貴重なポイント獲得を果たした。
国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
非常に残念だ。ああいう形ではあったが、先頭でスタートを切ることになり、チャンスだと思ったのだが、クラッチのかみ合うポイントを上手く見出すことが出来ず、動き出しが遅れてストフェル(バンドーン)選手に前に行かれてしまった。その後のペースは悪くなかったが、ストフェル選手はとても速く、徐々に離されていくこととなってしまった。しかし、その原因は分かっているので、明日のレース2では対策出来ると思う。ただ、スタートミスについては、原因をしっかり探る必要がある。明日は予選でポールポジションを獲得して、同じようなミスをせずに優勝出来るようしっかり準備したい。
ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)
良いスタートを切れたが、その時点でのペースでは更に上を狙うより、ポジションを守ることが重要だった。レース後半にはクルマの調子が良くなっていったので、プッシュして前を狙おうと思ったが、既に国本選手との差は開きすぎていた。今年前半は苦労したが、それを乗り越えて、このようにポイントを獲得出来たことは本当に良かった。この素晴らしいチームと共に、勢いをキープし、更に上位を狙えるチャンスを獲得するべく頑張りたい。
RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第5戦 岡山 レース1 決勝結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 41 | ストフェル・バンドーン | DOCOMO DANDELION M41S SF14 Honda HR-414E | 28 | 36'28.567 | 170.551km/h | 1'17.564 |
2 | 2 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 36'33.362 | 4.795 | 1'17.572 |
3 | 7 | ナレイン・カーティケヤン | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 36'38.422 | 9.855 | 1'17.764 |
4 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40Y SF14 Honda HR-414E | 28 | 36'43.348 | 14.781 | 1'17.737 |
5 | 10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | 28 | 36'46.098 | 17.531 | 1'17.410 |
6 | 64 | 中嶋 大祐 | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 28 | 36'47.069 | 18.502 | 1'17.965 |
7 | 1 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 36'48.349 | 19.782 | 1'17.966 |
8 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 36'50.580 | 22.013 | 1'18.163 |
9 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 36'51.560 | 22.993 | 1'18.067 |
10 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 28 | 36'53.599 | 25.032 | 1'18.152 |
11 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 28 | 36'54.868 | 26.301 | 1'18.263 |
12 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 36'56.528 | 27.961 | 1'18.170 |
13 | 20 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 37'00.683 | 32.116 | 1'18.389 |
14 | 65 | ベルトラン・バゲット | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 28 | 37'02.056 | 33.489 | 1'18.434 |
15 | 4 | ウィリアム・ブラー | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 37'09.221 | 40.654 | 1'18.575 |
16 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 28 | 37'09.759 | 41.192 | 1'18.267 |
17 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 37'13.943 | 45.376 | 1'18.680 |
18 | 8 | 小林 可夢偉 | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 28 | 37'21.358 | 52.791 | 1'17.856 |
37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 22 | 37'23.272 | 6 Laps | 1'17.353 |
RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第5戦 岡山 レース1 予選結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | ベストラップ | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.038 | 180.053km/h |
2 | 2 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.150 | 0.112 |
3 | 41 | ストフェル・バンドーン | DOCOMO DANDELION M41S SF14 Honda HR-414E | 1'14.157 | 0.119 |
4 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40Y SF14 Honda HR-414E | 1'14.325 | 0.287 |
5 | 10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | 1'14.349 | 0.311 |
6 | 7 | ナレイン・カーティケヤン | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.464 | 0.426 |
7 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.484 | 0.446 |
8 | 1 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.500 | 0.462 |
9 | 64 | 中嶋 大祐 | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 1'14.548 | 0.51 |
10 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 1'14.672 | 0.634 |
11 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.675 | 0.637 |
12 | 4 | ウィリアム・ブラー | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.715 | 0.677 |
13 | 20 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.721 | 0.683 |
14 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 1'14.728 | 0.69 |
15 | 65 | ベルトラン・バゲット | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 1'14.771 | 0.733 |
16 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.830 | 0.792 |
17 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 1'14.844 | 0.806 |
18 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 1'15.033 | 0.995 |
19 | 8 | 小林 可夢偉 | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 1'24.127 | 10.089 |