Kamui's Race Diary 2016

スーパーフォーミュラ 第6戦 SUGO

Kamui's Race Diary 2016 スーパーフォーミュラ 第6戦 SUGO

「いろいろと収穫がある週末になり、"戦える"という手応えを感じています」

みなさんこんにちは。第6戦菅生が終わりました。
いろいろと収穫がある週末になり、ポイントは獲得できませんでしたが、「戦える」という手応えを感じています。

現状、特定チームの速さが際立っていますが、彼らは僕たちがまだ見つけていない"何か"を見つけたからこそあの速さを引き出せています。僕たちも彼らと同じ車体、エンジン、タイヤを使っているので、その"何か"をみつけることができれば僕たちも負けない速さで走ることができます。
F1のように各チームそれぞれが独自に車体やパワーユニットを開発しているカテゴリーでは、あれだけ独走を許してしまうともうお手上げですが、スーパーフォーミュラではみんなに平等にチャンスが与えられています。

菅生でも、金曜日の専有走行からその「何か」を捜すためいろいろとトライをしていました。さらに車体のエンジニアリングだけでなく、チームがよりスムーズに現場で機能することを目標に、SUPER GTでLEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sの監督を務めている大先輩の脇阪寿一さんが、今回特別にヘッドコーチとして現場で力を貸してくれました。
寿一さんのドライバー目線のアドバイスで僕もすごく助かったし、チームとしても決断力が増して、チーム運営という意味でも今シーズン一番スムーズにレースを戦うことができたと思います。
クルマの速さも、金曜日の走り始めの状態はそれこそいいとは言えませんでしたが、金曜、土曜朝のフリー走行とだいぶよくなり、予選ではQ3進出も見えていました。

ただ、Q1の最初のアタックに向けてピットロードを走っている時に他車が目の前に割り込んできて接触、さらに2回目のアタックでも他のクルマに接触されてしまい、フロントウイングのメインプレーンが傾き、左側のフラップも壊れた状態でアタックするしかありませんでした。
当然走っていても車速は伸びないし、アンダーステアもひどいし、コンマ3秒以上はロスをしていました。そんな手負いの状態でもあと0.02秒速ければQ2進出していたことを思うと残念なアクシデントでした。ピットロードでの接触自体珍しいのに、それがまさかQ1で2回も起きるなんて、もうこれ以上の不運はないと思います 苦笑。

決勝レースではとにかくスタートを意識していました。これまでなかなかクラッチのバイトポイントが安定しませんでしたが、おかげさまで今シーズン初めてまともにスタートができ、14番グリッドから4つポジションを上げることができました。スタート後、前のクルマをイン側から抜いてそのまま1、2コーナーはイン側のラインを通った分、3、4コーナーとアウト側を走ることになり、ポジション取りが厳しかったんですが、なんとか前に出て10番手で序盤を走行していました。
たぶん「ポジションを上げることができた」って今年初めて書いたんじゃないでしょうか。
レース序盤、チームから的確な指示がありセーフティーカー導入のタイミングでピットに入って給油を行い7番手でコースに戻りました。ただ、セーフティーカーラン明けの再スタートの1コーナーで勝負に出ましたが失敗してポジションを落としてしまいました。

タイヤにフラットスポットは出来ていませんでしたが、ブレーキングでフロントがロックするようになったので、最終戦へのデータ取りの意味を含めてタイヤを4輪とも交換。そこからのペースではまずまずだったし、タイヤに関しても興味深いデータを集めることができました。

いよいよ残すところは最終戦です。まだライバルチームのような「何か」を見つけたわけではありませんし、レースペースがひとつの課題ですが、いい兆しは見えてきています。
それに今回、課題だったスタートをうまく切れました。鈴鹿までには時間があるので、クルマをさらに進化させて鈴鹿での2レースを戦います。そろそろだろうと思っています。引き続き応援よろしくお願いいたします。

  • 小林可夢偉
  • SUPER GTで活躍する脇阪寿一監督が特別にヘッドコーチとしてチームに加わった
  • SUPER GTで活躍する脇阪寿一監督が特別にヘッドコーチとしてチームに加わった
  • 予選Q1後、接触したフロントウィングを確認する小林可夢偉
  • SUNOCO TEAM LEMANS SF14 8号車
  • モニターを見つめる小林可夢偉
  • 決勝レースを戦うSUNOCO TEAM LEMANS SF14 8号車