LEXUS GAZOO Racing

SUPER GT 2018年 第3戦 鈴鹿

GT500 予選/決勝

LEXUS勢最上位となる3位表彰台を獲得したKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)

平川/キャシディ組LEXUS LC500が3位表彰台

 例年より早い時期に、300kmという距離で戦われたSUPER GT鈴鹿ラウンドで、平川亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM'S LC500 1号車が3位表彰台を獲得。中嶋一貴/関口雄飛組 au TOM'S LC500 36号車が終盤関口の猛追で5位フィニッシュを果たしました。

予選

 19日(土)には好天に恵まれましたが、鈴鹿名物の観覧車が稼働停止となるほどの強風が吹き荒れ、やや肌寒い一日となりました。午後2時35分、気温20度、路面温度36度というコンディションの下で、ノックアウト方式の予選が行われました。

 先に行われたGT300クラスのQ1で赤旗が出された影響により、GT500クラスのQ1(15分)は予定より10分遅れの午後3時5分に開始。セッションが5分ほどを過ぎたあたりから各車コースに向かい始めました。

 最終コーナー側から1コーナーへ向けて吹く強風に乗り、各車メインストレートでの最高速が伸び、また、1コーナーを折り返してからのS字コーナーは向かい風となることでダウンフォースが増し、こちらもタイムアップの要因に。また、低い気温、軽いウェイトハンデも奏功し、アタックした15台全車が昨年までのコースレコードを更新するという、ハイレベルなQ1となりました。

 僅差のタイム合戦で鈴鹿をホームコースとするNSX勢が速さを見せる中、キャシディがQ1を担当した1号車がこの中に割って入る5番手。36号車を駆る中嶋一貴が7番手となり、トムスの2台のみがQ2へと進出することとなりました。

 Q2への進出は、当落ラインとなる8番手から12番手まで、5台がコンマ2秒の中に入るという僅差の争いとなり、WedsSport ADVAN LC500 19号車、ZENT CERUMO LC500 38号車はコンマ1秒ほどの差で9,10番手となり、惜しくもQ2進出を逃すことに。DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が13番手、今大会、フォーミュラE参戦のために欠場するフェリックス・ローゼンクヴィストに代わって出場するジェームス・ロシターがアタックしたWAKO'S 4CR LC500 6号車は14番手でグリッドが確定しました。

 Q2では1号車の平川が4番手のタイムをマークし2列目グリッドを確保。36号車は途中でアタックを諦め、8番手グリッドからスタートを切ることとなりました。

LEXUS勢予選最上位を獲得したKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ) LEXUS勢予選最上位を獲得したKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)

au TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛) au TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛)

決勝

  20日(日)は朝から好天。前日の強風も止み、日差しには暑さを感じるほどの気候となりました。計時システム調整のため40分程予定より遅れた午後3時20分、気温21度、路面温度34度というコンディションの下、三重県警の白バイとパトカーの先導による交通安全啓発パレードラップとフォーメーションラップを経て、52周の決勝レースがスタートしました。   

 4番手スタートの1号車キャシディは、2位の車両がやや遅れて詰まった隙を突き、3位へ浮上。更に前を行く2台のNSXに離されることなく、追走を続けました。

 13周目、最後尾の15位まで順位を落としていたヘイキ・コバライネンの39号車がデグナーカーブ出口でスピンし、クラッシュ。戦線離脱を余儀なくされ、レースはセーフティカーが導入されることとなりました。車両排除の後、隊列を整えて19周目にレースは再開。再スタート直後のストレートから1コーナーの進入で1号車のキャシディは前を行くNSXをパス。2位へと浮上しました。

 8位を走行していた中嶋一貴の36号車は、他車との接触がありコースオフ。すぐに復帰したもののの大きくポジションを落としてしまいました。

 24周終了時に、首位を行くNSXと同タイミングで1号車もピットインし、キャシディから平川へとドライバーを交代。そのままの順位でコースに復帰しましたが、平川の1号車はアウトラップでタイヤを暖めるのに苦戦し、先にピットインしていたNSXの先行を許し、3位へとポジションを落としました。

 中盤、各車が次々にピットへと向かう中、最後までピットインを遅らせた36号車は、29周終了でピットイン。関口へと交代。一旦は13位まで大きく順位を落としましたが、関口は他車よりも圧倒的に速いペースで猛追を開始。次々に前車をパスし、ポジションを取り戻して行きました。

 40周目に6位までポジションを上げた36号車関口は、14秒以上あった前車との差をみるみるうちに詰め、49周目にはテール・トゥ・ノーズに。スプーンコーナーからバックストレートで並ぶと、高速コーナー130Rでパス。5位へと浮上しました。    

 勢いに乗る36号車関口は、更に4位を追い、ファイナルラップのシケイン進入で並びかけましたがコースオフ。惜しくも逆転はならず。それでもファイティングスピリット溢れる走りで最後まで観客を沸かせました。    

 1号車の平川は前の2台には届かなかったものの、4位以下には大差をつけて3位でチェッカー。開幕戦に続く今季2度目の表彰台を獲得しました。観客を沸かせた関口の36号車は5位でフィニッシュ。38号車が8位でポイント獲得を果たしました。

スタートシーン スタートシーン

ピットインでドライバーを交代するKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ) ピットインでドライバーを交代するKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)

圧倒的に速いペースで猛追を開始し、6位までポジションを上げたau TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛) 圧倒的に速いペースで猛追を開始し、6位までポジションを上げたau TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛)

KeePer TOM'S LC500 1号車 平川 亮

ペースだけを考えると前の2台には叶わなかった部分もあったと思いますが、スタートを担当したニックが、スタートやセーフティカー明けで上手く抜いてきてくれて、ピットに戻ってきたときは実質の2番手で、首位の車両とも僅差でした。しかし、ピットアウト後のタイヤの暖めに時間がかかり、後続にかわされてしまいました。その後は安定したペースで走ることは出来ましたが、ライバルには及びませんでした。 表彰台は嬉しいですが、僕自身はあまり満足いく結果ではありません。ただ、2台のNSX以外の車両は引き離して、ギャップをマネージメント出来たのは良かったと思います。次戦タイはウェイトハンデの面で燃料リストリクター領域に入ってしまうこともあって厳しいですが、我々にとっては得意というか相性が良いコースなので、表彰台は厳しいかも知れませんが、ランキングで我々の上に居る2台よりは前でゴールして、日本に戻ってきてからの中盤戦での良い流れに繋げられるようにしたいです。良いレースが出来ると思います。

平川 亮(KeePer TOM'S LC500 1号車)

KeePer TOM'S LC500 1号車 ニック・キャシディ

今回のレースには満足しています。この週末、ライバル勢のパフォーマンスが高い中、我々2人共に予選から良い走りが出来、今日はタフなレースでしたが、アタックを続け、結果に繋げられました。スタートの1コーナー、そしてセーフティカーからの再スタートでパスするのはリスキーでしたが、接触することもなく、お互いスペースを空けてのフェアなバトルで狙い通りポジションを上げることが出来ました。その後は前のライバルに離されることなく、後続との差を広げられましたし、自分のスティントの終盤には逆転のチャンスもあると思ったのですが、残念ながら逆転は叶いませんでした。 亮は素晴らしい仕事をしてくれました。3位という結果は、今週末のライバルとのパフォーマンスを考えれば、とても満足行く結果だったと思います。今季は3メーカーが非常に拮抗しています。亮、僕自身、チームはよくやっていると思いますし、昨年からずっと競争力の高さは感じています。ライバルの追い上げも激しく、なかなか勝利には繋がりませんが、今年中に必ず勝利を目指します。

RESULT
SUPER GT 2018年 第3戦 鈴鹿 決勝結果:GT500

順位No.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤウエイト
18ARTA NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
野尻 智紀
伊沢 拓也
521'48.2611'46'39.770BS6
2100RAYBRIG NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
山本 尚貴
ジェンソン・バトン
521'49.4262.793 BS34
31KeePer TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
平川 亮
ニック・キャシディ
521'49.85311.387 BS30
412カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
佐々木 大樹
ヤン・マーデンボロー
521'50.35338.088 BS10
536au TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
中嶋 一貴
関口 雄飛
521'50.49938.704 BS16
623MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
521'51.24440.753 MI52
73CRAFTSPORTS MOTUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
本山 哲
千代 勝正
521'50.7641'04.810MI10
838ZENT CERUMO LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
521'51.0381'05.387BS30
924フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
高星 明誠
521'51.5211'05.558YH10
1064Epson Modulo NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
ベルトラン・バゲット
松浦 孝亮
521'49.7631'06.095DL
1117KEIHIN NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
塚越 広大
小暮 卓史
521'50.1211'17.487BS42
126WAKO'S 4CR LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
大嶋 和也
ジェームス・ロシター
521'51.3871'18.066BS28
1319WedsSport ADVAN LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
国本 雄資
山下 健太
521'50.8391'32.827YH4
16MOTUL MUGEN NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
武藤 英紀
中嶋 大祐
231'50.87129 LapsYH2
39DENSO KOBELCO SARD LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
ヘイキ・コバライネン
小林 可夢偉
121'51.37340 LapsBS30