// 2019 season

SUPER GTxDTM
特別交流戦

11月22日(金)から24日(日)にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催された「AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT x DTM 特別交流戦」

GT500 予選/決勝

ついに日本でSUPER GTとDTMの交流戦が実現
レース1をLEXUS LC500のニック・キャシディが制す

 富士スピードウェイでSUPER GTとDTM(ドイツツーリングカー選手権)の特別交流戦「Dream Race」がついに実現。日本と欧州のマニュファクチャラー、トップドライバーによる共演が日本で初めて行われました。
 23日(土)のレース1はKeePer TOM'S LC500 37号車を駆るニック・キャシディがポール・トゥ・ウィンでこの歴史的な初レースを制しました。24日(日)のレース2はセーフティカーが3度も入る大荒れのレースとなり、37号車の平川亮がLEXUS勢最上位8位に終わりました。

レース1(土曜日)

 23日(土)はレース1の予選と決勝を実施。午前9時25分より、20分間で行われた予選は、まだ軽い雨が残る中、ウェット路面で行われました。慣れないタイヤ、しかもウェットという難コンディションでしたが37号車のキャシディが速さを見せポールポジションを獲得。WedsSport ADVAN LC500 19号車の坪井翔が9番手、au TOM'S LC500 36号車の関口雄飛が10番手、チャンピオンカーであるWAKO'S 4CR LC500 6号車の山下健太が11番手。富士マイスター立川祐路のZENT CERUMO LC500 38号車は15番手、DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車の中山雄一は17番手グリッドから決勝に臨むこととなりました。

 午後2時半、レース1決勝は、濡れた路面が乾きかけているというタイヤ選択の難しいコンディションでしたが、後方の2台を除いてほとんどがスリックタイヤで臨みました。

 ローリングスタートながら、通常とは異なる、車間をぴったりと詰めた「インディ方式」でスタートが切られ、世界最高峰のモンスターGT車両が密集したまま4ワイド、5ワイドでTGRコーナー(1コーナー)へと進入。大迫力のスタートながらトップドライバーのテクニックによりアクシデントはなく、ポールポジションのキャシディは首位をキープ。序盤から後方を引き離して行きました。

 その後方では坪井、山下、関口の3台のLEXUS LC500によるサイド・バイ・サイドの4位争いとなり、各所で迫力の接近戦が繰り広げられました。 中盤、義務づけられたピット作業では、関口が隣のピットに同じタイミングで入ってきた車両により行き場を失いタイムロス。大きく順位を落としてしまいました。

 キャシディの首位独走は続き、終盤には2位との差を8秒まで広げましたが、残り8分となったところでピット出口に停まってしまった車両排除のためにセーフティカーが導入。各車のマージンは帳消しとなり、再び密集した「インディスタート」で残り2分を切っての再スタート。
 首位のキャシディは後続からの猛追を受けるも逃げ切り、トップでチェッカー。歴史的な一戦での最初のウィナーに輝きました。
 再スタートでジャンプアップを果たした関口と、坪井、山下が再び三つ巴のバトルを繰り広げ、山下が4位、坪井が5位フィニッシュ。関口は7位、立川が9位、中山雄一が16位でチェッカーを受けました。

レース1スタートシーン
レース1スタートシーン

後続からの猛追を受けるもトップでチェッカーを受けたKeePer TOM'S LC500 37号車(ニック・キャシディ)
後続からの猛追を受けるもトップでチェッカーを受けたKeePer TOM'S LC500 37号車

レース1で優勝したKeePer TOM'S LC500 37号車(ニック・キャシディ)
レース1で優勝したKeePer TOM'S LC500 37号車(ニック・キャシディ)

レース2(日曜日)

 24日(日)は朝方まで降った雨により、午前9時からの予選はウェットコンディションで行われました。各車一旦タイムを出してピットインし、タイヤを交換して再アタック。しかし、LEXUS勢はタイムをのばすことができず、37号車の平川が9番手、38号車石浦が10番手、36号車中嶋一貴が11番手。19号車の国本が14番手、39号車コバライネンが16番手、6号車大嶋は20番手と後方グリッドから追い上げを図ることとなりました。

 その後天候は急激に回復。昼には強い日差しで気温も20度を超え、暖かさを感じるほどとなり、路面はほぼドライコンディションとなりました。決勝レーススタート時には雲がかかり始め、風も強まってやや涼しくなったものの、気温21度、路面温度21度という11月末としては暖かな中で、午後2時30分にレース2のスタートが切られました。

 再び超接近「インディスタート」から3台、4台が並んだままTGRコーナーへと進入する激しいバトルの中、LEXUS勢は最上位の平川が8位へとひとつポジションをアップしました。

 この日はタイヤバースト車両により9周目にセーフティカーが導入。中盤にもタイヤバーストが発生し2度目のセーフティカーが導入されました。この2度目のセーフティカーからの再スタート直後には、コカコーラコーナー、そして13コーナーで接触によるアクシデントが発生。この多重クラッシュには、中団グループを形成していた5台のLEXUS LC500が巻き込まれ、38号車と36号車はダメージが大きくそのままレースを終えることとなってしまいました。

 このアクシデントで3度目のセーフティカーが導入。レースは55分を経過し、最後の1周という超スプリントでの再スタートが、インディ方式ではなく通常の形で切られました。LEXUS勢では唯一無傷で生き残った37号車の平川が8位でフィニッシュ。大荒れとなったレース2で無事シングルフィニッシュを果たしました。

レース2でLEXUS勢最上位となったKeePer TOM'S LC500 37号車(平川 亮)
レース2でLEXUS勢最上位となったKeePer TOM'S LC500 37号車(平川 亮)

DENSO KOBELCO SARD LC500
DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車

WAKO'S 4CR LC500
WAKO'S 4CR LC500 6号車

KeePer TOM'S LC500 37号車 ドライバー ニック・キャシディ

歴史的な交流戦の最初のレースで勝つことができ大変嬉しいです。2つのカテゴリーの交流戦という、夢の実現は我々にとっても素晴らしいことですし、将来はもっとこのような機会が増えることを願っています。回数を重ねていけば、もっと激しいバトルができると思います。レースフォーマットもいつもとは全く違いましたが、楽しめました。DTMはヨーロッパでF3を走っていた頃からよく見ていましたし、目標でもありました。素晴らしいドライバーやマニュファクチャラーによる選手権ですし、そのDTMとの交流戦で勝てて最高の気分です。

ニック・キャシディ
SUPER GT x DTM 特別交流戦 Race1決勝結果(土曜日):GT500
順位カテゴリーNo.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤ
1SGT37KeePer TOM'S LC500ニック・キャシディ351'31.34657'45.326HK
2SGT17KEIHIN NSX-GT塚越 広大351'31.6100.433HK
3SGT1RAYBRIG NSX-GT山本 尚貴351'31.6365.862HK
4SGT6WAKO'S 4CR LC500山下 健太351'32.2596.974HK
5SGT19WedsSport ADVAN LC500坪井 翔351'31.2269.966HK
6DTM21Audi Sport Japan RS5 DTMブノワ・トレルイエ351'32.78111.242HK
7SGT36au TOM'S LC500関口 雄飛351'32.74011.369HK
8DTM33Audi Sport RS 5 DTMレネ・ラスト351'33.40811.540HK
9SGT38ZENT CERUMO LC500立川 祐路351'32.41213.421HK
10SGT16MOTUL MUGEN NSX-GT武藤 英紀351'32.32113.426HK
11SGT3CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rフレデリック・マコヴィッキ351'33.71015.648HK
12SGT23MOTUL AUTECH GT-Rロニー・クインタレッリ351'33.47515.764HK
13DTM99Akrapovič Audi RS 5 DTMマイク・ロッケンフェラー351'33.38118.790HK
14DTM00BMW M4 DTM小林 可夢偉351'33.30018.929HK
15SGT8ARTA NSX-GT伊沢 拓也351'31.95419.832HK
16SGT39DENSO KOBELCO SARD LC500中山 雄一351'31.79420.524HK
17SGT24リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rヤン・マーデンボロー351'32.43722.480HK
18DTM11BMW M4 DTMマルコ・ヴィットマン341'31.5491 LapHK
19SGT12カルソニック IMPUL GT-R佐々木 大樹281'33.6647 LapsHK
SGT64Modulo Epson NSX-GT牧野 任祐251'31.18610 LapsHK
DTM4BMW M4 DTMアレッサンドロ・ザナルディ171'34.60718 LapsHK
DTM28BMC Airfilter Audi RS 5 DTMロイック・デュバルDNFHK
SUPER GT x DTM 特別交流戦 Race2決勝結果(日曜日):GT500
順位カテゴリーNo.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤ
1SGT64Modulo Epson NSX-GTナレイン・カーティケヤン311'31.57257'38.362HK
2DTM11BMW M4 DTMマルコ・ヴィットマン311'32.6040.935HK
3DTM28BMC Airfilter Audi RS 5 DTMロイック・デュバル311'32.8861.825HK
4SGT1RAYBRIG NSX-GT山本 尚貴311'31.8643.412HK
5DTM00BMW M4 DTM小林 可夢偉311'33.2193.743HK
6SGT16MOTUL MUGEN NSX-GT中嶋 大祐311'32.2774.356HK
7DTM99Akrapovič Audi RS 5 DTMマイク・ロッケンフェラー311'33.2914.536HK
8SGT37KeePer TOM'S LC500平川 亮311'32.0824.681HK
9DTM33Audi Sport RS 5 DTMレネ・ラスト311'32.7645.624HK
10DTM21Audi Sport Japan RS5 DTMブノワ・トレルイエ311'32.9767.226HK
11SGT23MOTUL AUTECH GT-R松田 次生311'32.9257.542HK
12SGT24リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星 明誠311'33.1367.635HK
13DTM4BMW M4 DTMアレッサンドロ・ザナルディ311'34.0627.680HK
14SGT39DENSO KOBELCO SARD LC500ヘイキ・コバライネン311'33.4758.950HK
15SGT6WAKO'S 4CR LC500大嶋 和也311'32.1309.311HK
16SGT19WedsSport ADVAN LC500国本 雄資311'33.48349.310HK
17SGT12カルソニック IMPUL GT-Rジェームス・ロシター261'34.3575 LapsHK
18SGT3CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手 晃平261'33.0945 LapsHK
19SGT36au TOM'S LC500中嶋 一貴261'33.2485 LapsHK
20SGT38ZENT CERUMO LC500石浦 宏明261'32.0845 LapsHK
21SGT17KEIHIN NSX-GT塚越 広大251'32.1206 LapsHK
22SGT8ARTA NSX-GT野尻 智紀251'32.8316 LapsHK

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