MOTEGI
SUPER GT 2021年 第7戦 もてぎ
GT500 予選/決勝
SUPER GT第7戦「MOTEGI GT 300km RACE」が11月6日(土)、7日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。
全8戦で争われている2021年シーズンのSUPER GTも残すところ2戦となりました。
開幕戦でトップ4独占の速さを見せたGR SUPRA勢ですが、その後はサクセスウェイトとライバルの反撃に苦しみ未勝利と苦戦。しかし、今大会の舞台となるもてぎでは、7月に第4戦が行われており、19号車が2位、36号車が3位フィニッシュを果たしています。タイトル争いでは、TOYOTA GAZOO RacingのGR SUPRA 6台全車がまだチャンピオン獲得の可能性を残しており、サクセスウェイトが半減となる今大会での、GR SUPRA勢の反撃に期待がかかりました。
今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催されました。イベント広場には、「TGRブース」が開設され、レゴ®、レゴランド®・ジャパンとTOYOTA GAZOO Racingのコラボレーションにより、レゴ®ブロックで再現された実物大サイズのレゴ®トヨタGRスープラなどを展示。その他GR 86の展示など、秋晴れのもてぎに集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めていました。
6日(土)気温18度、路面温度29度と暖かな秋晴れの空の下で午後2時20分よりノックアウト方式の予選が行われました。
上位8台がQ2へと進むQ1セッションでは、国本のアタックした19号車が6番手タイム。しかし、他のトヨタ勢はタイムが伸び悩み、終盤、14号車の山下が8番手に飛びこみQ2進出かと思われましたが、中山雄一のDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が最後の最後にこの14号車をかわし8番手となり、19号車と39号車の2台がQ2へ進出。14号車は僅か0.043秒及ばず9番手、サッシャ・フェネストラズがアタックしたKeePer TOM'S GR Supra 37号車が12番手、坪井の36号車が14番手、前戦2位フィニッシュで復活の狼煙を上げたZENT CERUMO GR Supra 38号車も石浦宏明のアタック及ばず、15番手でQ1敗退となりました。
Q2では、19号車をドライブする宮田が素晴らしい走りを見せトップタイムをマーク。宮田はさらに翌周もセクタータイムを更新していきましたが、最終セクターで僅かにタイムをロスし、先のトップタイムには1000分の1秒届かず。それでも宮田の19号車は、ただ一人1分35秒台に入れる快走で、見事今季2度目のポールポジションを獲得しました。39号車はヘイキ・コバライネンがアタックし、3列目6番手グリッドとなりました。
7日(日)も秋晴れの好天に恵まれ、日差しの下では、やや暑さを感じるほどの気候となりました。午後1時、気温19度、路面温度30度と、この週末最も路面温度の高いコンディションの下、63周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
ポールポジションの19号車国本はトップをキープ。6番手グリッドの39号車コバライネンもポジションを守る一方、11番手スタートの37号車フェネストラズが8位へと躍進。その後は追い抜きの難しいもてぎで、大きな順位変動は無く進んでいきましたが、GT300クラスの周回遅れに追いついた10周目、37号車は39号車をパスし7位へポジションを上げました。
レースは序盤から接触やトラブルなどで2度にわたるフルコースイエローが出される荒れた展開となり、首位で後続との差を広げようとしていた19号車はマージンを失い、タイヤが冷えたことで苦戦。21周目にライバルの先行を許し2位へと後退。
また、7位を走行していた37号車も、周回遅れのGT300車両をかわそうとした際に接触し、ドライブスルーペナルティを科されて最後尾へと順位を落としてしまいました。
ドライバー交代が可能となる23周目を過ぎてすぐに、19号車と首位を争うライバルの2台がピットイン。19号車は翌周ピットへ向かい、先に入った2台の間でコースに復帰しましたが、交換して暖まっていないタイヤでは、1周早くタイヤを暖めていたライバルを抑えきれず、実質的な3位へとポジションを落とすこととなりました。
9番手でスタートを切った14号車の山下は、スタート直後に37号車の先行を許したものの、その後着実に順位を取り戻して行き、25周目にピットインし大嶋へと交代。素早い作業にも助けられ、全車がピットを終えた時点で、TGR勢2番手となる5位へと躍進を果たしました。
後半、14号車の大嶋が激しいバトルを展開。6位にポジションを落とすも諦めず、サイド・バイ・サイドのバトルで観客を沸かせました。
終盤、前後と大きく間隔が開いた3位を走行していた宮田の19号車でしたが、ファイナルラップに、2位走行中の車両がガス欠症状に見舞われスローダウン。このチャンスに猛プッシュを見せた宮田は、20秒あった前車との差をみるみる詰め、チェッカーの目前でパス。最後の大逆転で、第4戦以来今季2度目となる2位表彰台を獲得しました。
4位を争う2台に追いつき、最後まで逆転を狙いバトルを続けた大嶋の14号車は惜しくも逆転ならず6位フィニッシュ。13番手スタートの36号車、14番手スタートから前半接触でスピンを喫した38号車、ペナルティで最後尾に落ちた37号車の3台が見事な追い上げを見せ、それぞれ8位、9位、10位でポイントを獲得しました。
この結果、36号車が首位と16点差、14号車が20点差で、なんとか逆転タイトルの可能性を残して最終戦に挑むこととなりました。
僕が担当したファーストスティントはタイヤのウォームアップなどで心配はありましたが、とりあえず1周目は抑えて首位を守り、そこから序盤はクリーンエアの中、自分のペースで走ることができました。その時点では少しずつでも後続を離して行けると思ったんですが、途中2回FCYが入ってしまったことで自分のペースが悪くなり、後続に追いつかれて、スティント後半、12号車に前に行かれてしまいました。厳しいファーストスティントになってしまいましたが、なんとか僅差の2番手でバトンタッチができたので、後半スティントで宮田選手が頑張ってくれました。後半、3位から最後に12号車のガス欠で2位に上がることができ、なんとか表彰台がゲットできて良かったです。
第2スティント担当で、結構バトンを受けとった直後から厳しい状況でしたが、後続をなんとか押さえることができ、3位を走行していた最終周、ガス欠になった前の車に懸命のプッシュで追いついてパスし、2位になることができました。7月のもてぎ戦以降苦しいレースが続いていたんですが、今回ポールポジションから2位を獲得することができて、ベストを尽くせたと思いますし、TGR、チームやタイヤメーカーの皆さんと一緒に頑張った甲斐があったと思います。最終戦まだ富士が残っているので、再びポールポジションを狙い、今度こそ優勝できるように頑張ります。
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | 63 | 1:50'50.741 | 3 | 35 |
2 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資/宮田 莉朋 | 63 | 18.807 | 1 | 20 |
3 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰 一貴/松下 信治 | 63 | 19.905 | 4 | 32 |
4 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越 広大/ベルトラン・バゲット | 63 | 25.939 | 8 | 44 |
5 | 16 | pink Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 笹原 右京/大湯 都史樹 | 63 | 35.998 | 5 | 13 |
6 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也/山下 健太 | 63 | 36.883 | 9 | 35 |
7 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星 明誠/佐々木 大樹 | 63 | 39.543 | 2 | 16 |
8 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口 雄飛/坪井 翔 | 63 | 40.793 | 14 | 41 |
9 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川 祐路/石浦 宏明 | 63 | 45.631 | 15 | 26 |
10 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川 亮/サッシャ・フェネストラズ | 63 | 46.082 | 12 | 30 |
11 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 | 63 | 53.099 | 6 | 26 |