LONE STAR LE MANS
WEC 2019-2020 第5戦 ローン・スター・ル・マン
プレビュー
今週末のレースは、WEC2019-2020年シーズン全8戦中の5戦目。TOYOTA GAZOO Racingは、ライバルのレベリオン・レーシングにチーム選手権で41点差をつけてシーズン後半戦を迎えます。
マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの駆るTS050 HYBRID 7号車はドライバーズ選手権のポイントリーダーとして、チームメイトの8号車、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーの3名に8点差をつけています。この結果、7号車は最大のサクセス・ハンディキャップを課されてオースティンに挑むこととなります。また、8号車はこのポイント差の分、7号車よりも1周あたり0.56秒分少ないハンディキャップで戦います。
2017年のCOTA戦のあと、TOYOTA GAZOO RacingはTS050 HYBRIDと共に2度のル・マン24時間レース制覇と、チーム及びドライバーズ選手権でのダブルタイトル獲得という輝かしい成果を成し遂げてきました。しかし、このCOTAは、メキシコシティ、ニュルブルクリンクと共に、現行WECでトヨタが勝利を挙げていないサーキットのひとつで、これまでの最上位フィニッシュは2013年の2位です。
これまで、WECのCOTA戦は9月に行われてきており、高い気温と湿度、そして頻繁に発生する雷雨が特徴的でしたが、今週末はこれまでと比べると涼しいコンディションでの戦いとなることが予想されます。この2月のコンディションにおいては練習走行セッションを有効に使い、特にタイヤのパフォーマンスと摩耗についてのデータを的確に解析することが、いつも以上に重要となります。
加えて、今大会は通常のWEC戦よりも短縮されたスケジュールで行われ、全走行セッションが2日間で実施されます。チームは限られた時間内に車両セットアップを進めなければなりません。22日(土)には、合計4時間の練習走行と予選が行われ、23日(日)の正午に6時間に渡る決勝レースのスタートが切られます。
2017年以来のオースティンでのレースが楽しみです。情熱的なアメリカの耐久レースファンの皆様は我々をいつも暖かく迎えてくれます。実はオースティンでは今まで勝利したことがありません。ですので、目標の"初勝利"に向けてチームの士気は高まっています。また昨年12月のバーレーンでの勝利から10週間たちましたが、チームの全員が、ル・マンを含む今シーズン残りのレース向けの準備と並行して、来シーズン"ハイパーカー"新車開発に大変忙しい日々を送っています。2020年はTOYOTA GAZOO Racingにとって節目となる非常に重要な年です。アメリカ・テキサスにて幸先良いスタートを切りたいと思います。
COTAは流れるようなレイアウトの高速コースで、お気に入りのサーキットのひとつです。セクター1は楽しいポイントがたくさんあり、残りのセクターもとてもチャレンジングです。2017年以来ドライブしていませんが、サーキット路面は当時よりも少し荒れているらしいです。現地に着いたら見てみましょう!オースティンは街も素晴らしいので、もう一度ここでレースを戦うのがとても楽しみです。
我々のTS050 HYBRID 7号車はドライバーズタイトル争いで首位に立ってオースティンに臨むこととなるので、非常に重いサクセス・ハンディキャップが課されます。そのため、我々はこのタイムロスをできる限り少なくする必要があり、レースウィークへ向けたアプローチはバーレーンとは少し異なるものとなるでしょう。パドックに居るチームの誰もがオースティンを訪れることを楽しみにしていると思いますが、私にとっては地元の南米から近いこともあって、さらに特別なものになります。
WECがサンパウロの代替戦としてオースティンを選択したのは嬉しいです。オースティンはお気に入りのコースのひとつで、街も大好きです。2日間のイベントということで、通常の3日間開催とは異なるチャレンジになるでしょう。土曜日は練習走行と予選が同じ日に行われるために大変な一日になると思います。とはいえ、私自身はTMGのシミュレーターで可能な限りの準備をしてきましたし、この挑戦を楽しみにしています。
このコースは大好きです。コーナーの組み合わせが素晴らしく、上り坂のストレートを駆け上がった後の1コーナーへの進入は格別です。多くの高速コーナーが続いた後、終盤に幾つかのスローコーナーが出てくるので、そこが追い越しポイントになります。様々な特徴が上手く兼ね備えられたコースだと思います。最後にオースティンでレースをしたときには、非常に路面が荒れていた印象がありますが、その後再舗装されたので、どれだけ変わったかも楽しみです。