9月10日(土)、2022年FIA世界ラリー選手権 (WRC) 第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」の競技3日目デイ3が、ギリシャのラミアを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車) が総合4位に順位を上げました。一方、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車) はアクシデントで総合19位に後退、総合2位につけていたエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組 (4号車) はトラブルでデイリタイアに。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元は、総合7位に順位を上げました。
アクロポリス・ラリー・ギリシャのデイ3は、ラミアのサービスパークを中心に3本のステージを各2回走行。6本のステージの合計距離は147.98kmと4日間で最長の一日でした。天気は前日に続き晴れ、気温は日中40度近くまで上昇し、路面は終日ドライコンディションが保たれました。デイ3はグリップが低く滑りやすいステージが多くあり、アクシデントやトラブルで大きく遅れたり、リタイアをする選手が続出。サバイバルラリーの様相を呈しました。
デイ2で総合8位につけていたエバンスは、徐々にペースを上げて行き、再走ステージのSS11で2番手タイムを、SS12とSS13で3番手タイムを記録。上位の選手の後退やデイリタイアもあり、総合4位でデイ3を走破。総合3位のダニ・ソルドとは7.1秒差と、表彰台を狙える位置につけています。一方、SS10で総合2位に順位を上げたラッピは、午後のSS12で燃料供給系にトラブルが発生。速度を落としてステージを走りきった後、リエゾン(移動区間)でデイリタイアとなりました。チームはクルマをサービスに運び、修理を行なった上でデイ4に再出走する予定です。なお、総合9位につけていたロバンペラは、SS9でコースを外れてクルマのリヤにダメージを負い、その状態で午前中のステージを走ることになり首位から15分近い遅れをとりました。その後、サービスでクルマを修理して午後のステージを走りきり、総合19位で一日を終えました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
我々にとって困難な一日でした。アクロポリス・ラリーはいつの時代もタフなラリーとして知られていますが、残念ながら今日は我々がその難しさを経験することになりました。エサペッカは良い仕事をしていたのですが、残念ながらエンジンへの燃料供給に問題が発生し、最後のステージを前にクルマを止めなくてはなりませんでした。ですので、何が起こったのかを調査する必要があります。カッレも今朝はクルマにダメージを負って大きくタイムを失いましたが、サービスで修理をすることができました。ポジティブなことは、エルフィンのペースが午後大きく向上し、最後のステージで総合3位とのタイム差を縮めることができたことです。明日の最終日に向けて、エルフィンは表彰台を狙える位置につけています。今回のラリーで我々が苦戦しているのは一体なぜなのかを分析し、今後に向けて何を学ぶことができるのか考える必要がありますが、今はまず、明日できることに集中して取り組みます。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今日はクルマの中で過ごすのが大変で、午後の一番長いステージは暑くて特に大変でした。それでも、午前中よりも午後の方が良いパフォーマンスを発揮することができました。クルマのフィーリングが良くなりましたし、路面のコンディションも午前中から大きく変わり、私たちには合っていたようです。上位の選手に近いタイムが出るようになり、表彰台を狙うことができる位置につけることができたのは良かったです。明日に向けて、戦うためのモチベーションが上がりました。ライバルにプレッシャーをかけ続けるために、明日もベストを尽くします。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
今朝も、昨日に続き非常に困難な状況でした。最初のステージは昨日よりもプッシュしたつもりでしたが、それがタイムには表れませんでした。次のステージでは、予想よりも滑りやすくなっていたコーナーで少しミスをしてコーナリングラインが膨らみ、アウト側の何かに当たりクルマのリヤを破損してしまいました。あのミスさえなければ今頃ポイント圏内に入っていたはずなので、悔やまれます。明日は何ができるかわかりませんが、もちろん自分ができる限りのことをやるつもりです。
<<エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車)>>
午前中のステージは本当にトリッキーでした。昨日と比べると路面コンディションが少し違い、砂状でクルマに合っていないように感じました。もっと目が粗くてラフな路面の方が、自分達には合っていました。それでも総合2位といい順位につけていましたし、再走ステージではクルマのフィーリングも良くなりました。しかし、午後の2本目のステージで燃料システムに問題が発生し、スロットル操作に対するレスポンスが得られなくなってしまいました。とても残念ですが、このラリーではポジティブに思えることもあります。いくつか課題がありながらも、何とか戦えることができていたことにはとても満足しています。
<<アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ3の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 3h06m34.4s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +27.9s
3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +52.9s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m00.0s
5 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m40.1s
6 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m47.2s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4m41.2s
8 エミール・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ ファビア Rally2 evo) +5m58.4s
9 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia Rally2 evo) +6m43.0s
10 ヨアン・ロッセル/バレンティン・サルード (シトロエン C3 Rally2) +7m27.8s
19 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +16m04.1s
TBC エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)
(現地時間9月10日19時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技最終日となる9月11日(日)のデイ4は、ラミアのサービスパークを中心に、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで走行します。そのうち、SS14の再走で今大会の最終ステージとなるSS16「エレフテロホリ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3本のステージの合計距離は45.06km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は208.88kmとなります。
最新情報はこちら
TOYOTA GAZOO Racing WRTのSNSアカウント
∇Facebook: https://www.facebook.com/TOYOTAGAZOORacingWRC
∇Twitter: https://www.twitter.com/TGR_WRC (@TGR_WRC)
∇Instagram: https://www.instagram.com/tgr_wrc/ (@TGR_WRC)
∇YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCCtALHup92q5xIFb7n9UXVg