中嶋一貴が完璧なポール・トゥ・ウィンで開幕戦勝利
ディフェンディングチャンピオン国本が3位表彰台
スーパーフォーミュラの開幕戦が鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が、一度も首位の座を譲ることのない横綱相撲でポール・トゥ・ウィン。完璧なレースで開幕戦を制した。ディフェンディングチャンピオンの国本 雄資(P.MU / CERUMO・INGING)が3位表彰台を獲得した。
4月23日(日)の鈴鹿サーキットは、雲一つ無い好天に恵まれ、気温23度、路面温度37度というコンディションで、午後1時40分から35周(203km)で競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションの中嶋一貴は若干スタートで遅れたように見えたが、トヨタエンジンのパワーを活かし、首位の座をキープして1コーナーへ。一方で、最前列2番手に並んでいた国本は、3位へとひとつポジションを落としてしまった。
後方勢は、得意のダッシュで7番手グリッドから5位へとジャンプアップしたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)を先頭に、1周目終了時点から次々にピットイン。関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、ニック・キャシディ(KONDO RACING)らもこれに続いた。
2周目終了時点で4位の石浦宏明(P.MU / CERUMO・INGING)、3周目終了時点では3位の国本もピットへ。給油と、タイヤ一本交換でコースに復帰した。
これで、ピットインしていないのは首位の中嶋一貴とそれを追う山本 尚貴(TEAM MUGEN)を含めた6台に。18番手からジャンプアップした小林可夢偉(KCMG)と、13番手スタートの大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)もピットに入らず、それぞれ5位、6位へと順位を上げ前を追った。
首位を行く中嶋一貴は2位の山本をじりじりと引き離して行き、9周目にはその差は3秒以上と独走態勢に入った。
後方では、12周終了時に小林がピットへ向かい、11位でコースへ復帰。昨年のGP2チャンピオンとして注目を集めるピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)との激しい10位争いの末に、19周目のシケインでこれをパス。10位へ浮上した。
21周目、ピットを引っ張り、3位までポジションを上げていた大嶋がスプーンコーナーでスピン。そのままコース上に車両を停めたためにセーフティカーが導入された。
この時点でピットインしていなかった上位2台は、このタイミングでピットへ。中嶋一貴もライバル同様タイヤ一本交換作戦を採り、首位のままコースへと復帰した。
27周目にセーフティカーが退きレース再開。首位の中嶋一貴はここでも好ダッシュを決め、1周1秒のペースで後続を引き離していった。
上位4台がそれぞれ間隔を置いて周回を重ねる中、その後方では、5位のロッテラーに、タイヤを4本交換したばかりのライバルが迫り、また、9位へと順位を上げた小林が、ポイント獲得をかけて激しく前車を攻めるなど、各所でテール・トゥ・ノーズの接近戦が最後まで続き、観客を沸かせた。
中嶋一貴は、最終的に2位に5秒以上もの大差をつけ、独走でトップチェッカー。金曜日の練習走行から、ほとんどのセッションでトップタイムをマークするなど、圧倒的な速さで週末を支配し、自身スーパーフォーミュラでは2015年第5戦オートポリス以来、通算9勝目をポール・トゥ・ウィンで飾った。中嶋一貴にとっては、前週のWEC第1戦シルバーストーン6時間レースに続き、2週連続の勝利となった。
国本は一時石浦に迫られるなど厳しいレースとなったが、3位を守り切って表彰台フィニッシュを果たした。石浦が4位、ロッテラーが5位。小林は最後まで前車を攻めたが惜しくも逆転ならず、9位でチェッカーを受けた。
中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)
ほっとしたというのが一言目だ。去年も勝てるチャンスはあったが、自分のミスなどで逃して少し優勝から離れていたので、実際に勝つまでは安心出来なかった。贅沢な悩みではあるが、クルマの調子が本当に良かったので、それが逆にプレッシャーになった部分もある。レースの内容としては、スタートでちょっとストールしかけて危なかったが、トヨタエンジンのパワーのおかげで何とか首位をキープすることが出来た。その後は後続の追い上げもあり、決して楽はさせてもらえなかったが、しっかりと良いペースで走れて、タイヤ交換のタイミングも交換後のバランスも良かった。最後まで気持ちよく走ることが出来たので、内容としては100点のレースが出来たかなと思う。
国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
RESULT
スーパーフォーミュラ 2017年 第1戦(開幕戦)鈴鹿 決勝結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'18.440 | 192.63km/h | 1'40.713 |
2 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'23.526 | 5.086 | 1'40.796 |
3 | 1 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'27.263 | 8.823 | 1'41.407 |
4 | 2 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'27.848 | 9.408 | 1'41.408 |
5 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'29.240 | 10.800 | 1'41.637 |
6 | 10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'29.706 | 11.266 | 1'40.404 |
7 | 64 | 中嶋 大祐 | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'35.347 | 16.907 | 1'41.203 |
8 | 41 | 伊沢 拓也 | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'36.747 | 18.307 | 1'41.587 |
9 | 18 | 小林 可夢偉 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'37.390 | 18.950 | 1'41.074 |
10 | 15 | ピエール・ガスリー | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'40.001 | 21.561 | 1'41.873 |
11 | 7 | フェリックス・ローゼンクヴィスト | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'40.555 | 22.115 | 1'41.594 |
12 | 19 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'42.131 | 23.691 | 1'42.265 |
13 | 65 | ナレイン・カーティケヤン | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'42.644 | 24.204 | 1'42.212 |
14 | 4 | 山下 健太 | FUJI×raffinee KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 35 | 1:03'43.333 | 24.893 | 1'41.963 |
15 | 50 | 小暮 卓史 | B-Max Racing team SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'46.838 | 28.398 | 1'42.436 |
16 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40S SF14 Honda HR-417E | 35 | 1:03'54.729 | 36.289 | 1'42.074 |
17 | 3 | ニック・キャシディ | FUJI×raffinee KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 1:03'48.843 | 1Lap | 1'40.509 |
18 | 20 | ヤン・マーデンボロー | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 31 | 56'48.676 | 4Laps | 1'41.865 |
8 | 大嶋 和也 | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 21 | 35'56.948 | 14Laps | 1'41.799 |