LEXUS GAZOO Racing

SUPER GT 2018年 第7戦 オートポリス

GT500 予選/決勝

優勝したKeePer TOM'S LC500の平川 亮とニック・キャシディ、2位に入ったau TOM'S LC500の中嶋 一貴と関口 雄飛、3位に入ったWedsSport ADVAN LC500の国本 雄資と山下 健太。LEXUS勢が表彰台を独占することとなった

決勝で速さを見せたLEXUS勢がトップ4独占!
平川亮/N.キャシディ組が今季初勝利でランキング首位タイへ

SUPER GTの第7戦が九州・大分のオートポリスで開催。予選ではライバルの先行を許したLEXUS勢でしたが、決勝では速さを見せ逆転。平川亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 1号車が今季初勝利でランキング首位タイに浮上。中嶋一貴/関口雄飛組 au TOM'S LC500 36号車が2位、国本 雄資/山下 健太組 WedsSport ADVAN LC500 19号車が3位、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車が4位で続き、LEXUS LC500がトップ4を独占しました。

予選

 20日(土)午前中は雲に覆われ、肌寒い中でフリー走行が実施されましたが、昼頃には太陽も顔を出し、気温は15度と低いものの、日差しには暖かさを感じるほどとなり路面温度は30度まで上昇した午後2時半、ノックアウト方式の予選が開始されました。

 GT500クラスのQ1は、先んじて実施されたGT300クラスQ1での赤旗中断により4分遅れで開始。好調なNSX勢が上位を占める中、1号車の平川がコースレコード更新のタイムでこれに割って入り3番手。中嶋一貴の36号車が6番手、石浦宏明のZENT CERUMO LC500 38号車が7番手でQ2進出を果たしました。

 一方でフェリックス・ローゼンクヴィストがアタックしたWAKO'S 4CR LC500 6号車、山下健太のWedsSport ADVAN LC500 19号車は共にQ2進出ラインの8番手にコンマ2秒ほど及ばず9番手、10番手。前日誕生日を迎えたヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車もタイムを伸ばせず12番手グリッドが確定しました。

 Q2でもNSX勢が速さを見せる中、36号車関口、1号車キャシディのトムス勢2台が共にコースレコード更新タイムで4番手、5番手。立川祐路の38号車は8番手となりました。

LEXUS勢で予選最上位を獲得したau TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛)LEXUS勢で予選最上位を獲得したau TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛)

KeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)KeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)

中嶋 一貴(au TOM'S LC500 36号車)中嶋 一貴(au TOM'S LC500 36号車)

決勝

 21日(日)は朝から好天に恵まれ、暖かな日差しの下、気温17度、路面温度36度のコンディションで、午後2時に65周で争われる第7戦の決勝レースのスタートが切られました。

 2列目4番手スタートの36号車中嶋一貴が絶好のダッシュを決めて3位へと浮上。予選ではライバルの後塵を拝することとなったLEXUS勢でしたが、決勝ではライバルを上回る速さを見せ、各車が次々にポジションアップ。特に36号車は11周目、12周目で2台続けてかわし、首位に立ちました。

 首位に立った36号車は後続を周回毎に引き離して行きましたが、19周目にスピンを喫してコース上に停まってしまった車両があり、翌周セーフティカーが導入。この時点で8秒以上開いていた2位以下とのマージンは帳消しとなってしまいました。

 逆にこのセーフティカーが幸運に働いたのが19号車。山下がスタートを担当した19号車は、最初のスティントを短くとる、2ピットイン作戦を選択。7位走行中の16周目にピットインし、タイヤを交換したことで最後尾に落ちてしまいましたが、このセーフティカー導入によりピットインでのタイムロスを取り戻すことに成功しました。

 25周目にセーフティカーが退出しレースが再開されると、上位のライバル勢が先にピットへ。この間、LEXUS勢はハイペースで周回を重ねました。

 29周終了時、1位、2位を走行していた36号車と1号車が同時にピットインし、それぞれ関口と平川へとドライバーチェンジ。それまでにハイペースで稼いだマージンと、ピットの好作業にも助けられ、2台共に先にピットインしていたライバル勢の前でコースへ復帰しました。

 中盤までにほとんどの車両がピットを終えましたが、2ピット作戦の19号車は最後までピットインのタイミングを引っ張り、山下も好ペースで快走。41周終了時点でピットへ向かった19号車は、国本へとドライバー交代を行い、3位でコース復帰。首位が36号車、2位1号車、3位19号車、4位38号車と、予選では苦戦したLEXUS LC500がトップ4を占めての後半戦となりました。

 首位36号車と2位の1号車の差は数秒で推移していましたが、レース終盤に入るとややタイヤの厳しくなった36号車にペースで上回る1号車が猛追。60周目に逆転し、1号車が首位に立ちました。

 その後は36号車も大きく離されることなく2台は1-2状態で周回を重ね、チェッカー。1号車が今季初勝利を挙げました。2位に36号車、3位に19号車が入り、第4戦タイラウンド以来となる表彰台を獲得。また、LEXUS勢としては同じタイラウンド以来となる表彰台独占を果たしました。

 4位は終盤後続の猛追を受けながらも凌ぎきった38号車が入り、LEXUS LC500はトップ4を占めることとなりました。

スターティンググリッドスターティンググリッド

スタート直後のシーンスタート直後のシーン

隊列をリードするKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)隊列をリードするKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)

au TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛)au TOM'S LC500 36号車(中嶋 一貴/関口 雄飛)

LEXUS勢同士で順位を争うWAKO'S 4CR LC500 6号車とWedsSport ADVAN LC500 19号車LEXUS勢同士で順位を争うWAKO'S 4CR LC500 6号車とWedsSport ADVAN LC500 19号車

チームから祝福をうけながらゴールを駆け抜けるKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)チームから祝福をうけながらゴールを駆け抜けるKeePer TOM'S LC500 1号車(平川 亮/ニック・キャシディ)

KeePer TOM'S LC500 1号車 平川 亮

昨日の予選ではライバルにトップ3を独占されてちょっと落胆していましたし、まさか優勝出来るとは思っていませんでした。TRDやタイヤメーカーに感謝しています。チームでの1-2で終われたというのは、皆がすごく頑張ってくれたおかげですし、ピットのタイミングも良かったです。後半僕へ交代してコースに復帰した時、ライバルの前に出られて、その後36号車と首位を争い、最後は勝てました。チャンピオン争いでトップタイに立てたのはすごく嬉しいですが、まだ油断は出来ません。昨日の予選のように、これまで他のレースでも、予選でのライバルのパフォーマンスはすごく高いので、もし前に行かれてしまうと厳しいレースになる可能性もあります。ただ、最終戦は100号車だけを見て、その前でゴールすればいいわけですし、我々の車はもてぎではいつも相性が良いので、自信を持って臨みたいです。

優勝したKeePer TOM'S LC500 1号車の関谷 正徳監督、平川 亮、ニック・キャシディ)

KeePer TOM'S LC500 1号車 ニック・キャシディ

この勝利によって、タイトル争いにおいて素晴らしいチャンスが来たと感じています。トムスチーム、TRD、そしてレクサス、全ての人たちのおかげです。私のスティントはとても良いペースでしたが、極力リスクを犯さないように、しかしとにかく100号車の前に出ることが重要でした。その後は8号車や17号車とのバトルになりましたが、タイヤの摩耗も心配でしたし、接触などでダメージを負うことのないよう、安全に走ることを心掛けました。幸いにもチームの素晴らしい戦略とピット作業で前に出て、勝つことが出来ました。とても嬉しいです。次戦でタイトルを決することになりますが、我々は昨年もタイトな状況で最終戦を迎え、タイトルを勝ち取っています。それが自信になりましたし、今の結果にも繋がっていると思います。ライバルは予選で速く、もてぎは狭く、抜きにくいコースなのでどうなるかわかりませんが、楽しみにしています。

au TOM'S LC500 36号車 中嶋 一貴

昨年もそうだったので、決勝では良い戦いが出来るだろうという自信はありました。ただ、序盤はライバルに逃げられて、途中で追いつくパターンかと思っていましたが、走り出してみたらこちらに余裕があり、すぐに追いついて抜くことが出来たので、ちょっとびっくりしました。セーフティカーの導入はタイヤのフィーリングが復活して良かった面と、築いたギャップが全部なくなってしまって損だった部分があると思いますが、レースなので仕方ないでしょう。今年2度目のトムスチームによる1-2フィニッシュということで、良いレースが出来たと思います。

au TOM'S LC500 36号車 関口 雄飛

またトムスでの1-2フィニッシュを飾ることが出来てとても嬉しいです。決勝レースでは予選よりも良い戦いが出来るだろうと予想していましたが、ここまで行けるとは思っていませんでした。僕が担当した後半スティントも、クルマの調子も、ペースも良かったです。終盤は若干トラクションが悪くなったりはしましたが、問題はありませんでした。ランキングでは3位になりましたが、最終戦はやれるだけやるだけです。

WedsSport ADVAN LC500 19号車 国本 雄資

今回は路面温度が低く、どのメーカーのタイヤも苦しんでペースが落ちるだろうと想定して、2ピット作戦を採りました。正直なところ、我々は1回ピットでは厳しいかも知れないというのもありました。10番手グリッドから少しでも順位を上げたいという狙いでの作戦でしたが、セーフティカーが我々がピットアウトした直後という幸運なタイミングで出てくれて、40秒近いギャップがなくなりましたし、そこからは周りが良いタイミングでピットインしてくれたことで、前が空き、速いペースで走れたということもあります。幸運はありましたが、今年2度目の表彰台は嬉しいです。

WedsSport ADVAN LC500 19号車 山下 健太

エンジニアの皆さんが素晴らしい戦略を考えてくれて、その通りに走っただけです。最初から2回ピット作戦のつもりで、ガソリンも軽い状態でスタートしました。タイヤの状況、ガソリンの状況も全て予定通りでした。第2スティントはやや長かったので、終盤はちょっと辛かったですが、それでも周りと比べても悪くないペースで走れたので、次に繋がるレースが出来たかなと思います。

RESULT
SUPER GT 2018年 第7戦 オートポリス 決勝結果:GT500

順位No.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤウエイト
11KeePer TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
平川 亮
ニック・キャシディ
651'36.9611:56'02.296BS47
236au TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
中嶋 一貴
関口 雄飛
651'36.8830.436BS40
319WedsSport ADVAN LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
国本 雄資
山下 健太
651'37.61112.614YH15
438ZENT CERUMO LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
651'37.38521.331BS36
5100RAYBRIG NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
山本 尚貴
ジェンソン・バトン
651'37.53221.628BS61
617KEIHIN NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
塚越 広大
小暮 卓史
651'37.02132.944BS40
724フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
高星 明誠
651'37.50137.072YH18
839DENSO KOBELCO SARD LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
ヘイキ・コバライネン
小林 可夢偉
651'37.77645.462BS36
96WAKO'S 4CR LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
大嶋 和也
F.ローゼンクヴィスト
651'37.65348.517BS34
1064Epson Modulo NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
ベルトラン・バゲット
松浦 孝亮
651'36.6971'00.596DL3
1112カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
佐々木 大樹
ヤン・マーデンボロー
651'36.7761'04.447BS29
128ARTA NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
野尻 智紀
伊沢 拓也
651'36.5131'12.433BS49
133CRAFTSPORTS MOTUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
本山 哲
千代 勝正
651'38.2771'18.125MI12
1416MOTUL MUGEN NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-417E
武藤 英紀
中嶋 大祐
641'35.8081 LapYH16
1523MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
641'38.1521 LapMI39