[24 Hours of Le Mans - 100th Anniversary] ル・マン24時間。100周年の変遷を振り返る

2023年、初開催から100周年という節目を迎える伝統の耐久レース「ル・マン24時間」。そこにはレースという枠を超えた、自動車の歴史と言っても過言ではない変遷が存在する。そのスタートとは? どんなクルマが、どんなドライバーが熱戦を繰り広げたのか? その時代の革新技術は? そしてトヨタ車はいかに戦ってきたのか? 一世紀に渡るル・マン24時間の歴史を辿ってみたい。

始まりは市販車による耐久レース

  • 始まりは市販車による耐久レース

    1923年5月26日、33台の車両がル・マン市内のサーキットを走り出した。記念すべき第1回ル・マン24時間のスタートである。日本では、この年(大正12年9月)関東大震災が起こった。そのことからも、いかにル・マンが歴史あるレースであることがわかる。

戦後はメーカー対決の舞台となる

  • 戦後はメーカー対決の舞台となる

    そして1949年、戦後初のル・マン24時間が開催される。参加台数は49台を数えた。この中には戦火を逃れた1939年大会参加マシンが数多く含まれていた。そして後に連勝を重ねるフェラーリが初登場したのはこの年である。また、レギュレーションに「プロトタイプ」が初めて明記され、レース専用車の参加が可能になった。優勝したのは初参加のフェラーリで、166MMに乗るL.キネッティ/L.セルスドンのコンビが平均時速132.420km/h で3178.299kmを走破した。

史上最低の完走率13.7%という1970年

  • 史上最低の完走率13.7%という1970年

    1968年は車両規定が大きく変わり、ワークス・フォードは不参加、フェラーリも撤退した。代わってポルシェ、アルピーヌ・ルノーが総合優勝目指して3リッタープロトを送り込んだ。しかし優勝はJWオートモーティブ・エンジニアリングがエントリーしたフォードGT40がさらっていった。この年、ヘリコプター用タービンエンジンを搭載したホーネットTXが2台参加したが、ともにリタイアに終わった。日本ではトヨタが初の純レーシングカー、3リッターV8エンジンを搭載したトヨタ7を開発。国内の耐久レースで連戦連勝を重ねる。

Cカーの時代は日本車が健闘

  • Cカーの時代は日本車が健闘

    1982年FIAグループCカー規定が発効し、1980年代のル・マンはグループCカーの時代となった。高性能のCカー(956/962)を開発し、これを販売したポルシェによって有力プライベーターも優勝争いに加わり、ポルシェの天下が続くことになる。

主役はディーゼル、そしてハイブリッドへ

  • 主役はディーゼル、そしてハイブリッドへ

    2006年にはアウディが投入したディーゼルターボのR10TDIが優勝し、その後はディーゼルターボ車がル・マン24時間を圧倒し続ける。2007年になるとプジョーが、やはりディーゼルターボの908 HDIでル・マンに復帰。アウディ対プジョーの戦いが幕を開けた。ポールポジション、最速ラップを奪うなど速さを見せるプジョーだったが、優勝は2009年まで待たねばならなかった。そして欧州経済情勢の悪化を理由に2011年を最後に撤退した。

ハイブリッドLMP1の時代。日本人初のポールポジション

  • ハイブリッドLMP1の時代。日本人初のポールポジション

    2014年以降もトップカテゴリーはハイブリッドLMP1が覇を競う時代が続いた。ガソリンターボのトヨタとディーゼルターボのアウディに、2014年になるとポルシェが2.0L V4ガソリン・シングルターボのハイブリッド車両で、さらに2015年には日産も特徴的なコンセプトのLMP1車両でル・マン制覇を目指した。

日本車、日本人ドライバーによる初のル・マン制覇

  • 日本車、日本人ドライバーによる初のル・マン制覇

    2016年の無念の後も開発を続け、信頼性を高め、競争力を向上させたトヨタ。2018年、悲願を成就させる。セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソの駆るTS050 HYBRIDがついに総合優勝を果たしたのだ。日本車、日本人ドライバーによる初のル・マン制覇でもあった。2位もトヨタTS050 HYBRIDが続く圧勝だった。

ハイパーカー時代へ。続々とワークスカーがル・マンへ参戦

  • ハイパーカー時代へ。続々とワークスカーがル・マンへ参戦

    コロナ禍は翌年も続くが、ル・マン24時間は8月、観客数を5万人に限定して開催された。ハイパーカー元年となったこの年、2台のGR010 HYBRIDで参加したトヨタが1−2フィニッシュでレースを制し、翌2022年も1、2位を独占した。また、中嶋一貴が2020年までに3連勝を飾った他、小林可夢偉、平川亮と、日本人ドライバーのル・マン総合優勝も続いた。