OKAYAMA
SUPER GT 2023年 第1戦(開幕戦)岡山
GT500 予選/決勝
SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月15日(土)、16日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
日本で最高の人気を誇るレースシリーズであるSUPER GTが今年も岡山で開幕。2023年シーズンも全8戦でチャンピオンシップが争われます。
トヨタ勢では、GT500クラスに6台のGRスープラ、GT300クラスには4台のGRスープラと3台のGR86、2台のLEXUS RC F GT3、新開発された1台のLEXUS LC500hが参戦。
GT500クラスでは、au TOM'S GR Supra 36号車が坪井 翔と宮田 莉朋のコンビ、Deloitte TOM'S GR Supra 37号車は笹原 右京とジュリアーノ・アレジという新たなドライバーの組み合わせとなる他は、昨年と同様のドライバーラインナップで、タイトル奪還を目指します。
また、両クラスにおいてモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりに向け、各チームとの連携を強化していきます。
イベント広場には、TGRブースがオープン。LEXUS LC500hの展示、レーシングスーツを着てGR Supra GT500テストカーに乗り込むドライバーなりきり体験、思い入れのグッズを展示したTGRドライバーミュージアム、久しぶりにステージで行われたドライバー・監督トークショーなどで賑わいました。
15日(土)は朝からあいにくの雨。午前中に行われた練習走行では、中山雄一がドライブするDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が強まる雨脚の中で激しくクラッシュ。中山雄一は無事でしたが、39号車は修復のため、午後に行われる予選には出走できなくなってしまいました。
予選開始の午後2時になっても雨は止まず、ノックアウト方式で行われる予選の各セッションは予定の10分間から15分間へと延長されて実施されることとなりました。
セッションの延長と悪天候による赤旗の影響もあり、予定よりも遅れた午後2時53分に開始されました。
GT300クラスのQ1が開始された頃に強さが増していた雨脚もこの頃には弱まり、路面は完全なウェットから徐々に乾いていくコンディションでの予選アタックとなりました。
気温13度、路面温度14度というコンディションの中、セッション開始と共に全車一斉にコースイン。ここ岡山で2連勝中の14号車山下は、2周したところでピットへ戻り、タイヤを交換して再コースイン。タイヤを交換せず走り続ける車両とのタイム差に注目が集まりました。
各車徐々にタイムを上げていき、ほぼチェッカーラップで各車ベストタイムを更新。そんな中、中盤に好タイムをマークした笹原の37号車がトヨタ勢最上位の5番手。最後にタイムを更新した山下の14号車が6番手、国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が7番手に入り、3台がQ2に進出。坪井翔のドライブするau TOM'S GR Supra 36号車はタイムが伸びず10番手。立川祐路のZENT CERUMO GR Supra 38号車もセッティングがあわず、14番手に終わりました。
Q2では、さらに路面コンディションが良くなる中でアタック合戦が展開。大嶋のドライブする14号車は、最後に1分29秒台に入れる速さを見せるもトヨタ勢最上位の4番手。阪口晴南の19号車もQ1のタイムを更新する好走で5番手。アレジの37号車が6番手に入りました。
16日(日)、天候は回復。午後1時半、気温19度、路面温度30度、時折日差しも見られる薄曇りのコンディションの中、
岡山県警のパトカーによる先導パレードラップ、フォーメーションラップを経て82周で争われる決勝レースがスタートしました。一方で決勝レース中の雨予報も出ており、このフォーメーションラップ中に小雨が降り始め、この後のレースを予感させる開幕となりました。
スタート直後、5番手スタートの国本の19号車が3位へとポジションアップ。この19号車にかわされる形となった14号車の大嶋も離されることなくバトルを繰り広げました。
レース序盤から降り始めた雨は徐々に強さを増し、15周を終えたところで、GT500クラスでは14号車、36号車、38号車、39号車を含む9台がレインタイヤに交換するためピットイン。その直後、GT300クラスの車両がコースオフしたことによりフルコースイエロー(FCY)が出され、さらにタイヤが外れるアクシデントやコースオフする車両が続きセーフティカーが導入。この間に雨は土砂降りとなり、雹も落ちてくる状況で路面は完全なヘビーウェットとなりました。
19周目にピットレーンがオープンになると、ピットインをしていなかった残りの車両もレインタイヤへと交換。これで大きく順位が入れ替わり、37号車が2位、36号車が4位、14号車が6位、38号車が8位、前日の大クラッシュから懸命の作業で車両を復旧した39号車は最後尾スタートから10位へと順位アップ。一方、ピットタイミングを引っ張った19号車は最後尾へと落ちてしまいました。
23周目に再スタートが切られると、大きく水煙を上げながらのバトルの中、坪井がドライブする4位の36号車が素晴らしい追い上げを見せ、28周目には首位に立ちました。
3位を走行していた笹原の37号車は、先のFCY中にピットインしたことに対して60秒ストップのペナルティを科されることとなり、無念の周回遅れとなってしまいました。
再スタート後から雨脚が弱まり、路面も乾いていく状況となったことで、各チームはどのタイミングでドライタイヤに交換するかピット戦略が難しいレースとなりました。
41周を終えたところで3位走行中の14号車がピットイン。続く45周を終えたところでは2位走行中の36号車がピットイン。宮田へと交代した36号車は僅差の2位で首位を追う形となりました。
48周目、コースアウトしてグラベルに停まってしまった車両の回収のためにFCYが導入。ほとんどの車両がドライタイヤへと交換していましたが、このFCY中に再び雨が降り始めるという難しい展開に。
51周目、FCYが解除された直後に2台の車両が接触しコースアウトしたため、2回目のセーフティカーが導入されました。このタイミングで、首位の23号車Zがピットインしてレインタイヤへと交換したため、36号車が再び首位に立ちました。
雨脚はさらに強まり、加えて近くで落雷が認められたため、レースは55周を終えて赤旗中断。約20分後、かなり雨が降っている中でレースが再開されると、23号車Zを除くほとんどの車両が一斉にピットへ向かい、レインタイヤへと交換しました。
首位にいた36号車はこのピット作業時、左フロントタイヤが完全にはまっていない状況のままピットアウト。走行を続けることはできず、優勝を争える位置にいながら、痛恨のリタイアとなってしまいました。
この時点でトヨタ勢最上位は14号車の4位。38号車が6位、39号車が9位、10号車が10位。
60周目にセーフティカーのランプが消え、翌周から再スタートが切られるかと思われたところで、GT300クラスの車両からタイヤが脱落し、再びセーフティカー導入。そして、また雨脚が強まったことでこの日2度目の赤旗中断となりました。
午後4時20分にセーフティカー先導で走行は再開されましたが、強い雨で再スタートは切られることなく、63周目に3度目の赤旗が掲示。そのままレースは終了となりました。
これによりトヨタ勢は、14号車が4位、14番手から追い上げた38号車が5位、クラッシュから復活し最後尾から走り抜いた39号車が8位、19号車が9位となり、大波乱となった開幕戦でポイント獲得を果たしました。
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | 所要時間/差 | グリッド |
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1 | 23 | MOTUL AUTECH Z | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 61 | 2:44'47.342 | 1 |
2 | 3 | Niterra MOTUL Z | 千代 勝正/高星 明誠 | 61 | 1.496 | 2 |
3 | 8 | ARTA MUGEN NSX-GT | 野尻 智紀/大湯 都史樹 | 61 | 4.788 | 7 |
4 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也/山下 健太 | 61 | 7.077 | 4 |
5 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川 祐路/石浦 宏明 | 61 | 14.372 | 14 |
6 | 1 | MARELLI IMPUL Z | 平峰 一貴/ベルトラン・バゲット | 61 | 18.942 | 12 |
7 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越 広大/松下 信治 | 61 | 22.578 | 13 |
8 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口 雄飛/中山 雄一 | 61 | 24.977 | 15 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資/阪口 晴南 | 61 | 28.023 | 5 |
10 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢 拓也/太田 格之進 | 61 | 35.881 | 3 |
13 | 37 | Deloitte TOM'S GR Supra | 笹原 右京/ジュリアーノ・アレジ | 60 | 1 Lap | 6 |
15 | 36 | au TOM'S GR Supra | 坪井 翔/宮田 莉朋 | 56 | 5 Laps | 10 |