断然、依怙贔屓(エコヒイキ)主義なのである。
卑怯だとか、ずるいとか言われようがいっこうに気にならない。頑固一徹依怙贔屓(エコヒイキ)してしまうのである。
たとえばアメリカに行ったらまず、巨大ディスカウントストアたる「TARGET」を探すことから始める。ホテルで部屋飲みするコーラや水の補充、荷造りし忘れたシャンプーや歯ブラシの調達、先日は、日本では必要不可欠な生活必需品であるにも関わらずいまだに世界常識に達していないお尻洗浄機を我が臀部がどうしてもと求めるので、携帯ウォシュレットを探しにいった。高級ホテルでも備えがないそれはさすがに豊富な在庫を自慢とする「TARGET」ですら品揃えはなかった。だったらあきらめる。他のスーパーマーケットに足を踏み入れることはないのである。完全な「TARGET依存症」である。
なぜ、そこまで「TARGET」に心酔するのかって?
理由は明快にしてシンプルである。モータースポーツにスポンサードしてくれているからである。
この世界に生きるドライバーのひとりとして、資金的にも精神的にも長年の援助を惜しまない企業に少しでも恩返しをしたいという気持ちが先立つわけだ。
赤い下地に、白い二重丸。これが「TARGET」のアイキャッチマークだ。「TARGET」。標的。だから二重丸。このシンプルさが突き刺さる。
まず、かっこいい。この二重丸が描かれたインディマシンがまたかっこいい。
「TARGET」のスポンサーを受けているのは「チップ・ガナッシ・レーシング」アメリカインディシリーズに参戦し続けている名門だ。
チップ・ガナッシとはオーナーの名前。過去にインディカーで活躍したドライバーが起こしたチームである。
現在はホンダエンジンを搭載。スコット・ディクソンとダリオ・フランキッティを要して数々の優勝を獲得している。
個人的に、ディクソンとダリオは気になるドライバーである。
走りにキレがあるし、レース巧者でもあるからだ。もはやベテラン。特にダリオはメルセデスの育成プログラムによって育てられ、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で大活躍。やがてF1でチャンピオンを狙うんだろうなぁ…と思っていたら一転、アメリカに戦いの場を選んだ。そして成功。若い頃から知っているから、よけいにヒイキしてしまうのである。
「TARGET」をバリバリに依怙贔屓(エコヒイキ)してしまうキノシタなのだが、最近、悩みを抱えている。NASCARのトニー・スチュワートに、巨大ホームセンターの「HOME depot」がスポンサードしているわけで、さてどっちに肩入れしようかと…。
先方は何とも思ってないだろうし、そもそもキノシタのことなんて知らないだろう。キノシタが落とす金などたかが知れてもいる。なんてことは関係ない。
見返りを求めない愛こそ、本当に愛なのだ…。
ドキドキする?
いいねぇ~。そのドキドキを楽しまなきゃ!
メンタル面の対処法はひとつ。物事をポジティブに考えることだと思うよ。
TRDラリーチャレンジは魅力的なエントリーカテゴリーだから、心配することなんて何もない。すべて参加者のために丁寧に対応してくれるからね。
ただ、そうはいってもドキドキする。そのドキドキはワクワクの裏返し。プロドライバーじゃないんだから、その刺激を楽しむといい。
実は僕もいまだにレース前は心臓の鼓動が速くなるよ。だけど、それゆえに集中力が芽生えるような気がする。ドキドキしなくなったらレース人生も終わりかも…と思っているよ。すると思わぬパワーが漲ってくる。
ドキドキしながら頑張って!
【編集部より】
木下アニキに聞きたいことを大募集いたします。
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